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後で聞いたんだけど、ガウェインっていうのは、剣神ランスロットさんと並び称される剣の達人らしい。
クラン青龍の顎を結成し冒険者のトップを張ってきた。
でも、冒険者は騎士団と違って将軍や貴族になれることはない。
それに不満を持つ冒険者をあつめて国を作ろうというのだ。
梁山泊という砦を拠点に自ら皇帝として国を作ろうというのだ。
たしかに国とか騎士団っていうのはえらそうにしているだけで、この前のオーガのときも出てくれなかった。
貴族っていうのも、自分たちが国での地位を守るのに熱心で、民衆のことはあんまり考えていないようだ。
ドラの町ではそんなことないんだけどね。
あそこではみんな助けあって生きているのだ。
だけど、やってることは山賊。
弱い商人たちを襲って荷物を奪ったり、村を襲ったりしている。
いつか国をひっくり返し、平和で平等な国をつくるというのだけど、そんなのおかしいと思う。
すくなくてもドラはそんなことしない。
おかしいのならまず国をつぶしに行くだろう。
とにかく、ガウェインの考え方には反対だ。
ただ、ぼくはランスロットさんに勝ったことがない。
あと一歩ってところで絶対に負けてしまう。
ランスロットさんはぼくのこと最高の弟子だっていうけど、まだまだだ。
そのランスロットさんと並び称されるのなら、ぼくでは勝てないということになる。
ぼくがガウェインより強いって、そんなこと絶対にない。
ライオネルさんはガウェインと剣を交えたことがあるが、ぼくの剣を見た時ほどの脅威を感じなかったというけど。
ないない。たぶんお世辞だろう。
だけど、期待には答えないとならない。
できるかぎりのことをやろう。
それはドラに教えてもらった、身体の中の魔力循環の練習だ。
魔力を循環させて炎の力や身体能力をあげる。
そうすれば、一矢を報いることができるだろう。
とにかくミリアと2人で特訓だ。
向こうにはS級の魔導士もいるという。
この2人を抑えないと、勝利はない。
ミリアもブラックウッドのおじいさんに魔法を習っている。
ぼくたちの特訓にライオネルさんたちがつきあってくれる。
ライオネルさんとうちあったけど、ライオネルさんはすぐに負けてくれる。
たぶん、ぼくに自信をつけさせようとしてくれてるんだろう。
「やっぱ、アッシュ、おまえはやばいよ。
ガウェインごときじゃ、おまえには傷ひとつつけられないよ。
あいつの剣は疾風の剣っていうけど、まだ避けられないことはない。
しかし、アッシュの剣は見えないよ」
ライオネルさんはほめて伸ばすタイプなんだな。
でも、ぼくはほめられてのびるタイプだからちょうどいいのかも。
「ミリアちゃん。その氷魔法やばいよ。
うちらを完全に超えてるよ。
絶対、梁山泊にかてるって」
ミリアも紅の麒麟の人たちに甘やかされている。
ぼくたちは梁山泊攻略の日まで、できるかぎりのことをするしかない。
そして、ついに梁山泊攻略の日を迎えるのだった。




