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「強制クエストというのは盗賊退治だ。
元冒険者が盗賊となって、街道に砦を作っている。
そのため、都からの街道が閉鎖されている。
この町への物流がとだえる状況になっており、一亥も早い対応が求められている」
ギルドマスターはクエストの概要を述べる。
「その元冒険者というのが、剣皇ガウェインだ。
知っての通り、元S級の冒険者だ」
ライオネルさんがそういうと、みんながざわざわとなる。
なんか、すごい冒険者の人らしい。
「あの、人類最強とか言われるあのガウェインさんですか」
「ああ、そうだ」
「そのガウェインさんがどうして」
「冒険者ではなく、皇帝になろうとしているということだ。
この腐った世界を変えるといってるのだ」
ギルドマスターが答える。
「それで剣皇に勝てるんですか?」
「いや、おれではかなわない。
勝てる可能性はまったくない。
ガウェインはとんでもない強さを持っている」
ライオネルさんがそう答える。
ライオネルさんが勝てないってどれだけ強いんだろう。
ぼくたちもがんばらないと。
「それなら、どうするんだ」
「それでだ。
ガウェイン以上に強いやつがいる。
そいつを中心にして戦う」
その剣皇以上の人って、だれだろう?
「そいつは誰だ!」
「それは、ここにいるアッシュとミリアだ。
こいつらなら、剣皇と戦える」
えっ、無理無理無理。
ぼくたちB級だし。
「アッシュが剣皇を討つ。
それ以外を俺らが倒してその道筋をつくる。
それが作戦だ。
今回はこの前のオーガ以上の仕事となる。
町のみんなのために頑張ろう」
ライオネルさんは腕を突き上げる。
冒険者たちは疑義をもちながらもライオネルさんにあわせて声をあげるのだった。