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「おまえら、G級だよな」
「はい。G級です」
「じゃあ、その剣技はなんだ。
それに魔法剣士ってどういうことだ。
それからミリアの回復魔法。
疲れと傷が全回復だ。
これって上級の回復魔法だろ。
ミリアは魔導士だよな。僧侶じゃないよな」
「はい。魔法使いです。
それも水魔法の使い手です。
でも、水には癒しの効果もあるんですよ。
それを使っただけです」
「回復魔法ならぼくでも使えます。
ブラックウッドさんに教えてもらったんですけど、火にも癒しの効果があるって。
身体を温めることで治癒力をあげるんです」
「ブラックウッドさんって、もしかして元ロラン王国の魔導士団長か」
「あのおじいさん、そんな人だったかな」
「あ、そういうの聞いたことあります。
でも、そんなのなんの価値もないって言ってました」
「しかし、剣の腕も相当のものだ」
「それは練習しましたから。
ランスロットさんに教えられて」
「ランスロットさんって、エクレール王国の騎士って言ったなかったか」
「ええ、イグレーヌさんに仕えてました。
イグレーヌさんが逃げてきた国ってそんな名前だったような」
「わかった。
アッシュ、ミリア、力を貸してくれ」
「はい」
「いまから、赤オーガを倒す。
あそこにはもう一体の青オーガと魔法を使う緑オーガがいる。
そいつらを倒せば、あとは烏合の衆だ。
町は救われる。いいな」
ぼくとミリアはうなづく。
「アッシュは青オーガをミリアは緑オーガを倒してくれ。
俺は赤オーガを倒す」
ぼくはライオネルさんと並んで赤オーガのほうに走り始めるのだった。