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ぼくたちは休む間もなく、戦いの準備をする。
平地での戦いでは分が悪すぎる。
砦があればなんとか戦えるという程度ってガゼルさんが言う。
ガゼルさんはC級だけど、ベテラン冒険者でいろいろな経験を積んでるとのこと。
ここまで生き残ってこれたのは、危険を察知する能力のせいだって言う。
生き残るのは強いものじゃなくて、臆病な者だって。
ガゼルさんはこのクエストはやばいって言う。
とにかく門を閉じて、上から魔法を叩き込むっていう作戦だ。
門の上に魔導士が集められる。
ただ、門の扉は木でできている。
ここを破られたら負け。
戦闘職は門の中を固める。
もし、扉が破られてもここで食い止めるという意気込みだ。
その先頭にライオネルさんがいる。
オーガに入られたら、一匹だけ分断して後ろを固める。
次のオーガが入る前に、鋼鉄の翼がそのオーガを倒す。
そういう作戦だ。
ついにオーガが砦の門の前までやってくる。
中央に赤いオーガ、その両隣に青いオーガ。
すこし小柄な緑のオーガもいる。
目の前のオーガに城壁から紅の麒麟のお姉さんが魔法攻撃をする。
他のクランの弓兵も弓で攻撃する。
火球やつらら、岩、矢がオーガの上に降り注ぐ。
だけど、緑色のオーガが杖を振るとオーガの前に魔法障壁が現れる。
すべての遠隔攻撃がはじかれる。
「あれはオーガメイジ。
初めて見たぜ。あんなのがいるなんてな。
魔法攻撃は通用しない」
つぎに青いオーガが岩を投げる。
それが大きな音をたてて門に当たって門を破壊する。
頑丈な木でできているけど、岩には勝てない。
「まずいな。
みんな戦う準備をしろ!
オーガ一体につき5人で当たれ
鋼鉄の翼、集まって緑のやつを倒せ。
俺は赤いやつと戦う」
ライオネルさんが叫ぶ。
「承知!」
鋼鉄の翼の人たちは集まって門の前に構える。
ついにオーガが門に到着する。
岩で壊れたところから門を開けにかかる。
扉はガタガタと揺れた後、破壊される。
その隙間からオーガたちは砦の中に入ってくるのだった。