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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第2章 S級冒険者炎王アッシュ
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「ライオネルさんが指揮をしてくれるのなら心強い」

 よく知らないが白銀のライオネルという剣士らしい。

 鋼鉄の翼にはそのほか二枚の盾となる重剣士。

 魔導士が2人、僧侶1人、盗賊2人、戦士2人の10人のクランらしい。

 とにかくこの町に常駐するクランの中では最強。

 堅い守りから、ライオネル中心に攻撃を繰り出すバランスのいいクランだ。

 その隣には紅の麒麟という女性クラン。

 こっちは魔導士中心の攻撃的なメンバー構成だ。

 どっちかっていうと攻撃寄り。

 上級冒険者の戦いが見れるだけでも勉強になる。

 暁の虎って口だけだったし、冒険者の本気の戦いをみたことはない。

 たぶんぼくたちじゃ歯が立たないんだろうけどね。


「それでは、北の砦まで進もう。

 そこで、作戦を伝える」

 進軍の声にみんな武器を掲げる。

 それを合図に全員が門を出て北に歩き始める。


 僕とミリアもそれに続く。

 でも、すごくゆっくりしたペースだ。

 これなら北の砦まで1時間はかかるだろう。

 本当は10分でつく距離なんだけどね。

 先行してもしかたがないから、ぼくたちも合わせる。


「お前らも参加するのか。

 足をひっぱるんじゃねえぞ」

 クレイブがぼくたちに声をかける。

 

「ええ、がんばります。

 少しは強くなっていると思います」


「おまえらなんかに出番はないぜ。

 どうせ、参加報酬狙いなんだろ」

 ケリーもぼくたちに悪態をつく。

 べつに腹もたたない。

 なんでだろ。

 たぶん、ドラの村でいろいろなことを教えてもらって、精神的にも鍛えられたんだろう。

 

 ミリアとぼくは足を速めて、先頭のほうへ行く。

 やはり、上級クランは身体能力も高いのか、前のほうにいる。

 普通の人の走るような速さだ。

 

「おっ、おまえらついてくるのか。

 なかなかの健脚だな。

 期待してるぞ」

 鋼鉄の翼の剣士のひとりが話しかけてくれる。


「はい。がんばります」


「頼もしいな」

 そう言って剣士は笑うのだった。



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