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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第2章 S級冒険者炎王アッシュ
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15

 ぼくとミリアは猫ちゃんについていく。

 猫ちゃんは2本の尻尾を立てて、スキップするような足取りで前をいく。

 森の奥に入っていくのに、強力な魔物は出てこない。

 時々、猿とか鹿とか猪、兎のような野生動物が遠くに見えるだけ。

 本当はすごく危険な地帯だ。

 たぶん、探索も行われていない未開の地。

 道らしい道もないのに、猫ちゃんは自信満々にあるいていく。

 まあ、猫はいつも自信満々なんだけどね。

 

 だんだん、足元に石の道が現れる。

 もちろん、街道に比べたらサビれている。

 道は割れてその間から雑草が生えている。

 古代の遺跡といった感じだ。

 

「大丈夫なのかな?」

 ミリアが不安げに言う。

「たぶん、大丈夫」

 でも、ぼくたちには町にもどるという選択肢はない。

 それに、この猫ちゃんについていっても大丈夫って感じがする。

 べつに理由はないけど、勘みたいなもんだ。


「そうね、猫ちゃんが案内してくれるんだからね」

 

 そんな、ぼくたちの目の前に石造りの門が現れる。

 大きな門と城壁だ。

 古びてはいるけれど、歴史の重みみたいなものを感じる。


 猫ちゃんはその門の中央にあるいていく。

 あの門は猫には開けられないな。

 っていうか、ぼくたちにも無理。

 猫ちゃんは飛び上がるんじゃないのかな。

 それならついていけない。


 猫ちゃんが門の前に着くと、門は自動的に開いていく。

 その中に見えるのは白い石の街並み。

 中央には巨大なゴーレム。

 もしかして、なんかやばいところに連れ込まれたか。

 魔王の城とかそういうのでは。

 でも、猫ちゃんの案内だからな。


「オカエリナサイ」


「ただいまにゃん」

 猫ちゃんは、ゴーレムに挨拶して進んでいく。

 ゴーレムもぼくたちには手をださないようだ。

 ぼくたちは猫ちゃんの仲間として認定されたようだ。


 門を抜けたら、中央広場みたいなところ。

 石を敷き詰めた広い場所だ。

 そこから中央通りがまっすぐのびて、遠くに城が見える。

 ぼくたちは、猫ちゃんについてその通りを進んでいくのだった。

 

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