表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第2章 S級冒険者炎王アッシュ
36/187

12

 崩れていく契約書はぼくのだけではない。

 ミリアのも同じ。

 猫ちゃんは撫でて撫でてというように、ぼくのところに来る。

 ぼくは猫の頭を撫でる。

 そう猫はここ以外撫でてはいけない。

 他はいやがる猫がいるのだ。


「ミリア。こっちだ」

 ぼくは、そのあとミリアを助けるため、前に出る。

 ぼくとミリアは手を伸ばす。

 その手が触れ合わないうちに、ミリアがゴーディに捕まる。

 

「ガハハ、捕まえたぞ。

 こいつを殺されたくなかったら、大人しく剣を下せ」

 

 人質か、卑怯なやつだ。

 でも、言うことを聞くしかない。

 ぼくは剣を下す。


「ミリアを離せ!」


「離したら俺らを殺すだろう」


「そうだな。自分たちのやってきたことをわかっているみたいだな」


「では、安全なところに逃げ切れるまでは離せないな」

 ぼくは奴らを睨みつける。

 それだけで、クレイブは怯む。

 怯えたような目、こいつらは弱い者にしか偉そうにできないのだ。


「ミリアを離してくれたら、おまえらを追いかけないと誓おう」

 そう、ぼくのこの力は猫ちゃんがくれたものだ。

 いつまで使えるかわからない。

 それに猫ちゃんの考えていることもわからない。

 だから、この場はミリアを取り返せたらそれでいい。

 はったりが効いているうちに交渉を終えよう。


 「そんなこと信用できるか!」

 人間は自分を基準に人をはかる。

 こいつら下衆なやつらは、絶対に他人を信用できない。

 自分なら裏切るだろう状況でぼくの言うことを信じられない。

 こうなってみるとかわいそうなやつらだ。


 でもこういうときのバカは何をするかわからない。

 慎重にいかないと。


「アッシュ」

 ミリアはその隙をみてこっちにこようとする。

 だめだ。まだ。

 そのミリアの首にゴーディの腕が食い込む。

「逃がさねえぜ」

 そう、ミリアはやつらの命綱だ。

 そんな簡単に逃がすわけはない。


「ニャー」

 ぼくの横で猫ちゃんが鳴く。

 そのとたん、ゴーディの腕は切断されておちる。

 声もでないゴーディのところから、ミリアがこっちに駆けだすのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ