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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第2章 S級冒険者炎王アッシュ
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「アーッシュ!マジ殺すぞ!」

 ゴーディも剣を抜く。


 ぼくは後ろに飛びのく。

 前にはクレイブとゴーディ。

 普通は勝てるやつらではない。

 怒鳴られただけで、縮上がってしまう。

 だけど、今は違う。

 全然怖くない。


 2人は斬りかかってくる。

 それを順に弾き返す。

 クレイブは普通の剣だが速い。

 ゴーディは大剣。

 ぼくのはタダの鉄の剣、まともに受けたら折れてしまう。

 

 ぼくはクレイブの剣を避けて、ゴーディの剣をはじく。

 彼らの動きは見えている。

 

「そんななまくらで俺の剣を受け止められると思うか!」

 ゴーディが笑う。

 普通であれば、受け止めた時点でぼくの負けだ。

 だけど、ゴーディの剣はぼくの剣に受け止められ静止する。

 ゴーディは渾身の力を込める。

 その力は感じられない。


 今度はこっちから押し込んでみる。

 ゴーディの剣が下がる。

 それだけではない。

 大剣にひびが入る。

 そして、砕ける。

 力勝負もぼくの勝ち。


「なんだと!このガキ!

 いままで力を隠してやがったのか}


「大丈夫よ。

 契約書があるわ」

 ジェシカが契約書を取り出す。

 そして、呪文を唱える。

 ぼくの腕輪を破戒する呪文だ。

 腕輪は右腕とともに破壊されるだろう。


「ニャン」

 そのとき、猫ちゃんの目が光る。

 ぼくの腕輪が外れて落ちる。

 それだけでなく、契約書が砂となって崩れていく。


「何よ、これ。

 こんなのおかしいでしょ」

 ジェシカは手の中で崩れていく契約書を見ながら叫ぶのだった。


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