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「アーッシュ!マジ殺すぞ!」
ゴーディも剣を抜く。
ぼくは後ろに飛びのく。
前にはクレイブとゴーディ。
普通は勝てるやつらではない。
怒鳴られただけで、縮上がってしまう。
だけど、今は違う。
全然怖くない。
2人は斬りかかってくる。
それを順に弾き返す。
クレイブは普通の剣だが速い。
ゴーディは大剣。
ぼくのはタダの鉄の剣、まともに受けたら折れてしまう。
ぼくはクレイブの剣を避けて、ゴーディの剣をはじく。
彼らの動きは見えている。
「そんななまくらで俺の剣を受け止められると思うか!」
ゴーディが笑う。
普通であれば、受け止めた時点でぼくの負けだ。
だけど、ゴーディの剣はぼくの剣に受け止められ静止する。
ゴーディは渾身の力を込める。
その力は感じられない。
今度はこっちから押し込んでみる。
ゴーディの剣が下がる。
それだけではない。
大剣にひびが入る。
そして、砕ける。
力勝負もぼくの勝ち。
「なんだと!このガキ!
いままで力を隠してやがったのか}
「大丈夫よ。
契約書があるわ」
ジェシカが契約書を取り出す。
そして、呪文を唱える。
ぼくの腕輪を破戒する呪文だ。
腕輪は右腕とともに破壊されるだろう。
「ニャン」
そのとき、猫ちゃんの目が光る。
ぼくの腕輪が外れて落ちる。
それだけでなく、契約書が砂となって崩れていく。
「何よ、これ。
こんなのおかしいでしょ」
ジェシカは手の中で崩れていく契約書を見ながら叫ぶのだった。




