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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第2章 S級冒険者炎王アッシュ
33/187

09

 ニャー。

 声もかわいい。

 ぼくは猫吸いをする。

 なんか、すごい元気がでる。

 この猫ちゃん、こんな森に住んでいるのだから、本当にすごい力があるのかも。

 さっき食べた兎も草原にいるのより速くて強かったし。


「なんだ、なにかあったか?」

 ケリーが寝たまま話しかけてくる。

 さすがに目ざとい。

 若くみえるけど40歳は超えているだろう。

 そこまで生きてきたということはそれなりの修羅場を踏んでいる。

 職業は盗賊で、暁の虎の頭脳と言ってもいい。

 用心深い男だ。

 今も猫の小さな声で目を覚ましたのだ。


「猫です。

 たいしたことありません」


「猫だと、こんなところにか」


「はい、それも子猫です」


「こんなところで猫が生きられるはずがない。

 まて、ここに出現するとなると…

 尻尾が2本あるか」


「はい。しっぽは二本に別れています」


「それは魔法猫だ。

 捕まえろ。その皮は高く売れる」


 えっ、この子を捕まえるって?

 皮を売るだって?

 猫ちゃんにそんなことできるわけない。


「逃げろ!」

 ぼくは小さな声で猫ちゃんに言う。

 でも、逃げない。

 だめだ。猫ちゃん殺されてしまう。

 

「何をしている。早く捕まえろ!」


 しかたない。

 殴られるのは慣れている。

「猫を殺すなんてできないです」


「何を言ってる。

 魔法猫は立派な魔獣だ。

 それも強いのになるとD級くらいある」


 でも、目の前の猫チャンは子猫、そうは見えない。

 自分で捕まえようとするケリーの前にぼくは立ちふさがった。

 


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