表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第2章 S級冒険者炎王アッシュ
31/187

07

「なかなかの拾い物だったな」

 クレイブとゴーディがぼくたちのことを話している。

 ぼくとミリアは献身的に雑用をこなした。

 それから、ぼくの剣の腕もすこしづつあがっていった。

 それは、それしか希望がなかったからだ。

 剣の腕を鍛えて、いつかこいつらを倒して、この状況から解放される。

 そんなおとぎ話を信じるしか、生きる方法がなかったのだ。


 それに、冒険者の雑用をしていたら、冒険のことがわかる。

 クエストの受け方、冒険の準備。

 それを殴られながら覚えていった。


 ミリアもそう、雑用をこなしながら、魔法を練習していた。

 ミリアはまだ奴らの手をつけられていなかった。

 それは、僕と違って、女奴隷は高く売れるからだ。

 それと、ジェシカが同性愛者であったということもある。

 あの悪女がミリアに手を出すことを許さなかったのだ。


 ぼくは剣の腕については、奴らに知られないようにした。

 そう、ぼくが強くなったってわかったら、あいつらは手を打ってくる。

 だから、少し加減をするようにしていた。

 でも、まともにいってもゴーディには敵わないのだけど。

 まあ、C級まではまだまだだけど、F級くらいの力はある。


 それで初めての遠征のクエストを受けることになった。

 深淵の森の探索だ。

 それはマーリア共和国の北に広がる樹海。

 共和国の土地の1/3を占める森。

 それは未知の世界だった。

 莫大な資源が眠っていると言われているが、巨竜が王として統治しているとも言われる。

 その森の調査は国も行っているが、冒険者にゆだねられている部分もある。

 その部分を暁の虎が受注したのだ。

 それは普通に日当が支払われる。

 もちろんぼくらの分も、C級クランとして。

 それはぼくたちを除いて山分けとなる。

 それから、討伐報酬、発見報酬。

 新種の魔獣を発見討伐したら、一財産を築ける場合もある。

 基本的にはおいしい仕事だ。

 ただ、未知の領域に踏み込むのだ。

 どんな危険があるかわからない。

 それが報酬の高い要因だ。


 もちろん、ひとつのクランで行う仕事ではない。

 最前線にはベースキャンプがあって、そこからは自由となっている。

 クラン同士強力してもいいし、ひとつのクランで挑んでもいい。

 こういうダンジョン攻略のための巨大クランもある。

 

 暁の虎はベースキャンプからは単独で挑む。

 それはいままでの悪評があるからだ。

 裏切り横取りあたりまえの無法者、それが暁の虎の評価だった。

 そのため、ぼくのような奴隷が必要なのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ