21
「オマエハシンニュウシャカ」
「ドラだにゃん」
ぼくは侵入者じゃない。
「ナニヲシニキタ」
「おうちを探しているにゃん」
「トニカク。シンニュウシャハハイジョスル」
そう言ってゴーレムは太い腕を振るう。
その腕を避ける。
さっきまでぼくがいたところの地面が割れる。
なかなかの攻撃だ。
でも、竜王ほどでもない。
つぎの攻撃は受け止めてみる。
ぼくのバリアはその攻撃を受け止める。
造作もない。
ぼくは身体に鋼鉄をまとって、飛び出す。
ぼくは弾丸となって、ゴーレムの胸を貫く。
ゴーレムは倒れて動かなくなる。
そう、核を貫いたのだ。
ゴーレムたちはこっちに集まってくる。
何対いるんだろう?
っていうか、ぼくは3までしか数えられない。
それ以上はすべてたくさんなのだ。
「オマエハナニヲノゾム」
「コノマチヲドウスル」
ゴーレムたちは、ぼくにいろいろ尋ねてくる。
「むずかしいことはわからないにゃん。
でも、おうちを手に入れて、家族と住むにゃん。
そして、こんどは家族を守るニャン」
「ワカッタ。
オマエヲコノマチニムカエイレヨウ」
「ありがとにゃん」
「アナタハコレカラコノマチノオウダ」
ゴーレムはみんなぼくの前にひざまづく。
「王じゃなくてドラだにゃん」
ぼくはゴーレムたちにもそう言う。
でも、なんでみんなぼくのことを王っていうんだろう。
ぼくは、さっそく新しく住む町の探索をはじめるのだった。
それは初めての場所に来た時の猫の習性だった。