表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/187

19

「王よ。これからどうするのか?

 我らと一緒にこの森を守るか?

 最近森の入り口あたりで、人間がうろちょろしているらしいし、そのうちなんとかしないとならない。

 奴らは数が多いのでめんどくさいのだ」

 竜がぼくに語りかける。


「王じゃなくてドラだにゃん。

 ドラはもっと強くなるんだにゃん」

 そう、何者からでも守れる強さを手に入れるんだ。


「しかし、この森にはドラより強いものはいない」


「じゃあ、おうちを探すニャン」

 そう、家猫にはおうちが必要なのだ。

 屋根があって、壁があって、箪笥があって。

 こたつがあって、お布団があって。

 やっぱおうちでゆっくりしたいのだ。


「王の家か?」


「普通のおうちだにゃん」


「それなら、いいところがある。

 昔の町の遺跡だ。

 もっと森の入り口のほうにあるんだが、不思議なところだ。

 わたしも一度しか行ったことはないのだが、めったと姿をみせることはない。

 古代の不思議な結界がはってあって、魔力の弱いものには見えないのだ。

 それに入ろうとすると石のゴーレムがその道をはばむ。

 わたしは、そこで引き返した。

 そいつらと戦う理由がないからな。

 たぶん、宝を守っているのだろう。

 わたしたちにはそんなもの必要ないのだ」


「ぼくも宝なんて必要ないにゃん」


「しかし、家というとそれくらいしかない」


「わかったにゃん。

 行ってみるにゃん」

 まあ、他にやることもないし、行ってみよう。

 ゴーレムが守っている町だ。

 もしかして、守らなければならないものがみつかるかもしれない。

 それに、他にやることはないのだ。


「では、わたしが案内しよう。

 他のものでは町を見つけることはできないだろう。

 ドラよ。わたしに乗れ」


「わかったにゃん」

 ぼくは竜王の背中に登る。

 竜王はそれを確認すると、羽ばたき空高くあがっていった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ