17
ブレスはぼくに追いつけない。
その間にぼくは分身する。
ぼくは2匹になり、4匹になり、8匹になる。
その8匹に属性を付与する。
火、水、風、光、闇、地、無、回復
それぞれ、光につつまれる。
空を駆け、八方から竜王に襲いかかる。
分身は自分で考えて攻撃してくれるのだ。
そう、ぼくと同じくらい頭がいいのだ。
ぼくの頭の良さは人間のおかあさんのお墨付き。
いつもドラちゃんは賢いねっていわれていたのだ。
この攻撃は竜王の弱点を探るためだ。
さっき、いろいろ耐性があるってでてたけど、よくわかんないから、試してみるのだ。
竜王の攻撃は大きいだけに遅い。
ぼくの分身は速度アップもしているし、すごく速いのだ。
竜王の隙を見て、自分に属性をまとって突っ込んでいく。
分身たちは弾丸となって竜王を射貫く。
そう、意思をもった弾丸。
外れるわけはない。
しかし、分身たちは次々と竜王のバリアにはじかれる。
竜王は全属性に対して弱点はないのか。
完全に化け物。
分身たちはぼくのところに戻って消える。
「わたしに小手先の技は通用しない。
命をぶつけてこい」
竜王は吼えて、爪を振るってくる。
ぼくはそれをまっこうから受け止める。
竜王の爪はぼくの肉球で静止する。
確かに力は強いけど、ぼくを吹っ飛ばすほどではない。
僕は前足で爪を押し返す。
力くらべだ。
でも、力は同じくらい。
まったく動かない。
ぼくたちは目をあわせて、爪を外す。
力比べは互角。
つぎに竜王は、魔法を展開する。
炎、地、氷、雷、風。
次々と魔法を打ってくる。
でも、ぼくにもすべての魔法は効かないよ。
ぼくは身体に魔法防御をまとってはねかえす。
今度はぼくが竜王の懐に飛び込む。
ぼくと竜王の真向からの勝負が始まるのだった。