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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第5章 ランドバルク王国王女イグレーヌ
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イグレーヌ03

「さっそくお出ましか。

 さすがエヴァンスだな」

 そう言ってランスロットは馬を止めようとする。


「ランスロット、ここで迎え撃ってはいけません。

 この人数差で迎え撃つのは危険です。

 深淵の森に入りましょう。

 見通しの悪いところのほうが戦えます」

 エヴァンスはランスロットを諫める。


「わかった」

 そう言って、深淵の森に方向を変える。


「それとあまり深く入らないように。

 入り口付近では方向感覚がくるわないでしょう。

 あと、絶対に離れないこと。

 こっちは3人です。

 見失ったらその場で立ち止まって待つ。

 いいですね」


「わかりました」

 わたしたちは作戦どおり三騎で駆ける。

 ただ、エヴァンスとわたしは黒騎士ほど馬術に長けてない。

 ランスロットも片腕だ。

 黒騎士たちの姿がだんだん大きくなる。

 

「ここで迎え撃ちましょう。

 これ以上奥にいくのは危険です」

 エヴァンスは大樹の影に入って、止まる。

 わたしたちも続く。

 馬を降りて息をひそめる。

 そして、黒騎士の動きを見る。

 こっちに向かってくるようだ。


「十騎とは舐めているな。

 俺たちを殺したいのなら中隊くらい必要だ」

 ランスロットはそう言って刀を抜く。


「ランスロット、油断するな。

 あいつら、かなりの手練れぞろいだ。

 あの鎧を見ろ」

 たしかに鎧にたくさんの星を書いているものばかりだ。

 ランドバルクでは、敵を倒した数を鎧に刻む習慣があった。

 ランスロットは数えるのもめんどくさいと言って刻まないのだけど。


 森の中なので、相手もゆっくりと近づいてくる。

 こっちの姿を確認しながらだ。


 そのとき、足元になにか気配を感じる。

 見下ろすと茶色い小動物。

 二本の尻尾を揺らしている。

 猫だ。それも噂に聞く魔法猫。

 かわいい丸い目でわたしを見上げる。

 でも、それどころじゃないの。

 しかし、わたしは可愛さに抗えず猫ちゃんを抱き上げてしまうのだった。

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