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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第4章 大商人グリフレッド
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「ケビン、釈放だ」

 サンドルが苦虫をかみつぶしたような顔でいいながら、腕の縄と腰縄を外させる。

 逮捕されてから3日目のことだった。

 もっとかかるとは覚悟していたが、大した事はなかったみたいだ。

 結局騎士団も以前のようなことはできなかった。

 わたしがどんな魔法を使うかわからないし、ブラックウッドさんの名前も効いたみたいだ。

 結局、彼らはどなりつけるくらいしかできなかったのだ。


 わたしがドアを開けるとレイモンドさんが立っていた。

 わたしは振り返ってサンドルに小さく会釈をする。

 サンドルは無視してそっぽを向く。

 やっぱり、相当怒っているみたいだ。

 たぶん、わたしを落とせなかったことをモーガンに責められるんだろうな。


「レイモンドさん、ありがとうございます」


「いえ、こちらこそ遅くなってすみません」


「でも、どうやったんですか?」


「ただ、古い友人に力を借りただけです」


「古い友人?ですか?」


「ええ、友人というより敵ですかね。

 昔、商売でしのぎを削ったことがあります。

 昔の話ですがね。

 まず宿に帰りましょう。

 お疲れでしょうから」


「大丈夫です。

 ブラックウッドさんに習った魔法がありますから。

 それに、わたしを傷つけようとすることはできませんでした。

 小心者ばかりですからね。

 自分の考えでなにもできないやつらです」


「たしかに。

 しかし、モーガンはもう終わりです。

 一か月もつかどうかというところですか。

 とりあえず、彼らがつぶれるのを寝て待てばいいだけです」

 そう言って笑うレイモンドさん。

 その微笑み、無茶苦茶怖いんだけど。

 

「とりあえず、宿でこれからのことを考えましょう。

 商品も補充しなければなりませんし、一度ドラの町にもどりたいと思っているんですよ」


「それもいいでしょう。

 戻ってくるころには終わっていますから。

 ただ、その時にはもっと強い敵と戦わなくてはなりません。

 新しい商品を仕入れてきてください。

 わたしが、店を守っておきましょう」

 レイモンドさんはわたしの言葉にこう答えるのだった。


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