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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第4章 大商人グリフレッド
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16

 ドラの町はすこし小さいにしても町である。

 それなのに3人と猫ちゃんしか住んでいないという。

 家も100件以上あるのに、使っているのは門の近くの3軒だけだ。

 それもとなり合わせの小さな家だ。

 

「人間住むところなんてこのくらいがちょうどいいんじゃよ。

 分不相応の暮らしをしようとするから争いが起きる」

 ブラックウッドさんの弁だ。

 

 わたしたちが招かれたのは、ミリアさんの家だ。

 きれいに片付いているキッチン。

 そのテーブルには、お料理が並んでいる。

 肉や野菜のある豪華な料理だ。


 肉は牛系の魔獣、にしても野菜の品揃えがすごい。

 どこか近くの村に市場があるのか。

 

「この村には農場があるんだよ。

 ゴーレムさんたちが野菜を作ってくれるんだ」

 アッシュ君が教えてくれる。

 まあ、3人の暮らしなら家庭菜園レベルでできるかもな。

 それにしても売れるレベルの野菜だ。

 商人はすぐにこんな風に考えてしまう。


「いただきます」

 わたしたちは料理に口をつける。

「「おいしい!」」

 わたしたちは声をそろえてしまう。

 一流のレストランの味だ。

 特に火加減や調味料の配合が絶妙。

 このミリアさんって子、普通の少女に見えるけど、料理の天才じゃないか。


「すごい、この味、まるで都の一流レストランだ。

 家庭料理には思えない。

 君はすごい料理人になれるよ」

 

「えっ?でも、これは魔導コンロの言うとおりに作ったんだよ。

 だれでもできるよ」

「そうなんじゃ。この魔導コンロは古代の魔導技術で作られているんじゃ。

 古代人の魔導は現代の魔導に比べてかなり進んでいたんじゃ。

 この町を動かしているのもその魔導。

 その技術はAIと言われるみたいなんじゃ。

 魔道具が学習し自分で判断していく。

 そんな技術なんじゃ」

 ミリアさんの言葉をブラックウッドさんが解説してくれる。

 この町、すごい町なんだ。

 この技術でレストランを作ったら、素人がプロ級の料理が作れる。

 それなら、人件費が安くなる。

 それだけでなく、常に同じ味の料理が作れる。

 気難しい職人はいらなくなくなるのだ。


 わたしはおいしい料理を食べながら、新しい商売について考えてしまうのだった。

 


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