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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第4章 大商人グリフレッド
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「ニャン」

 猫ちゃんはぼくたちの方に向く。

 そのとたん、身体が暖かくなる。

 いままで疲れが消えていくようだ。

 老人たちもそれを感じて、身体を動かす。

 もしかして猫ちゃんがヒーリングをしてくれたのか。

 回復どころか、力がみなぎってくる。

 

 猫ちゃんは歩き出す。

 わたしたちはそれについていく。

 なんか、早く歩いても全然しんどくない。

 息がきれない。

 2人の老人も同じみたいだ。


 猫ちゃんは狭いけもの道を滑るように走っていく。

 猫ってこういう狭いところ好きだよね。

 ぼくたちは見失わないようについていく。

 時々振り向いてぼくたちを確認する。

 やっぱきちんとついていけるようにしているのだ。

 

 そのうち、道はだんだん広くなっていく。

 なんか、人の足跡もあるし。

 もしかして、町に近づいている。

 それから、急に視界が広がる。

 石畳の道路、そしてその先に大きな石造りの門。


 猫ちゃんが門の前に座ると、門が開き始める。

 石造りの大きな門だ。

 この門を開けるには大きな力が必要になる。

 中には屈強な門番が何人もいるのだろう。


 門が開き始める。

 扉の両側には石の巨人。

 聞いたことがある。あれはゴーレムだ。

 魔法で動く石の巨人。

 ただ、石が積み重なっただけでなく。

 もっと精工にできている。

 

「おかえりドラ」

 少年が猫ちゃんに近寄る。

 

「ドラ、どこに行ってたの」

 少女も近寄ってきて猫ちゃんを抱き上げる。

 猫ちゃんは彼らに頭を撫でられて、ナーと鳴く。

 

 少年少女は、すぐにわたしたちに気づく。


「あ、ようこそドラの町に。

 ぼくはアッシュ。そして」

「わたしはミリア」

 少年たちはあいさつをする。


「わたしはグリフレッド。

 エクレルの町の商人だ」

 わたしも彼らに自己紹介をするのだった。


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