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07

 カラスたちは空からぼくたちの様子を見ていた。


 おかあさんはぼくたちに魔法を教え始めた。

 本当はもう少し大きくなって魔力が多くなってからって考えてたみたいだ。

 でも、ケガをしたことでそれを早めたみたいだ。


「おまえたち、これから魔法を教える。

 魔法猫の最大の武器だ。

 きちんと覚えろ。

 もし、覚えられなかったらこの森では生き残れないと思え」

 なんか普段のおかあさんと違うみたいだ。


 ぼくたち、5匹はぽかんとした顔でおかあさんを見る。

 本当ならぼくたちを細い目で見て舐めてくれるのに、そういう雰囲気じゃない。

 

「見て覚えろ。

 わたしは氷の魔法だ。

 でも、おまえたちはそうとは限らない。

 自分にあった魔法を使え」


 そう言って目の前に氷のかたまりを作り出す。

 たぶんいつもやってる魔法をスローモーションでやってくれてるんだ。


 みんなそれを見て、同じように目の前に何かを作り出そうとする。

 そう、みんなの前にはなにか光の玉の出来損ないみたいなものができる。

 でも、おかあさんみたいに形にならずに、泡のように消える。

 あれっ?でもぼくの目の前にはなにも現れない。

 泡を出した兄弟たちは疲れたのか、身体を伏せて休む。

 

「そう、魔法を使ったら疲れるんだ。

 でも、そのうち慣れて魔力も大きくなる。

 少しやすんだらもう一度だ」


 ぼくも力を込めるけど、なにも出てこない。

 ニャンニャンって後ろ足で立って前足で空中を引っ掻くけどなにもならない。


「とらちゃんはできないのね」


 うんうんって首を縦に振る。


「でも、それでは生き残れないの。

 がんばらないとね」


 ぼくはみんなが伸びているなかニャンニャンと魔法の練習をする。

 でも、なにも出てこない。

 なんか、身体の中で熱いものがぐるぐるしてるのはわかるんだけどな。

 どうしていいかわかんない。

 

 ほかの兄弟も回復して、魔法を使い始める。

 みんなさっきより大きな泡を作り出すのだった。

 みんながんばってえらいのだった。

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