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いつか視る夢の先   作者: 秋餅
一章
5/57


「青春な事って、何かありましたっけ?」


気絶したジェンジーの言葉の意味を探るかのように考え込むレベンス。


だが、それは見知った一人の気配が近づいてきた事によって思考を打ち切られる。


「こら、レン。こんなところまで行っては駄目だろう?」


「ニル!」


飼い主の登場だ。



「レン、ノルンをほっといて何をしている?あいつが俺を呼ぶなど何事かと思ったが、目的以外な事をして駄目だろう?」


「ノルンはニルに伝言鳥を出したのですか?もう、少し様子を見に行くっていったのに…心配性ですね?ちゃんとバレないように大人しくしていましたよ?」


第三王子が夜の城下町に出ていることを知られると、後々煩い。

表向きは警備隊にある程度の情報を伝え、捕らえるように指示しただけだ。

それなのに犯行現場に王子がいると、色々と面倒なことになる。



「それとは別の問題が起きた。見た事がない程の美少女が男を追いかけに路地裏まで行ったと、周りが騒然としているぞ?火消しに時間が掛かりそうで困ったものだ。」


レベンスを抱き上げメっと叱咤するニルキアにしょんぼりと「ごめんなさい」と呟く仔兎。


「この人が気になったのです。ニル、この人がどこの貴族か分かりますか?」


倒れているジェンジーに視線を移すレベンスは彼の素性を聞くと、ニルキアもジェンジーに視線を移した。


「お前が気になるなんて珍しいな?どれ、歳はお前と同じぐらいか?…見た事がない少年だな…いや、この顔つきは…もしかしてディリクレ子爵家の血縁者か?」


「ディリクレ子爵と言えば過去、カイナン騎士前団長の講師を務めていた方でしたか?ニルのお爺様と酒飲み対決で競い合っていた人だと聞いています。」


「そうだ、腐れ縁らしいぞ?先にディリクレ子爵が亡くなって縁が途絶えていたから忘れていた。」


どうやらフェロミア家とは浅からぬ縁があった様だ。


「とはいえ、お前は知らぬ相手にひょいひょいとついて行くな?警備隊を呼ぶ、この子は彼らに任せよう。」


「え?…彼と少しお話がしたかったのですが…駄目でしょうか?」


楽しい少年ともう少し話がしたい。

そう、兎姫は訴えるが飼い主は首を縦に振らなかった。


「駄目だ。ほら、この事件も大方片付いた。後はノルン達に任せて俺達は本業に戻るぞ?」


「…は、はい。」


飼い主の命令は絶対。

流石にレベンスも逆らえなかった。


ニルキアは笛を取り出し警備隊を呼ぶ。

彼らの到着を待つ間もレベンスは名残惜しそうにジェンジーを見ていた。


裏表がなさそうな少年。

自分の周りに全くいないタイプだ。


そして警備隊が到着し、ニルキアはある程度を事情説明してその場をお開きにする。


先程からジェンジーを気にしているレベンスを見て、ニルキアはため息をついた。


「次の戦が終われば何処か遊びに連れていってやる。だから少し我慢をしてくれ。…それとも俺では駄目か?」


我儘を言って困らせているのが分かり、レベンスは反省する様に彼を抱きしめる。


「いいえ、勿論ニルキアとお出掛けは楽しみです。ニルがいてくれるなら私は何も要らない。我儘を言ってごめんなさい…。」


自分の全てはニルキアのものだから…


そんな従順な兎姫にニルキアは微笑んだ。


「帰ろう?」


「はい。」


兎姫を降ろし、二人は路地裏を後にした。


途中にノルンと合流して残された仕事を依頼する中、ニルキアはジェンジーの事を考える。


『素性が分かっても、相手がどういう人柄なのか分からないままレンに近づかせるわけにはいかないからな?』


目の前でノルンが名残惜しそうに兎姫を抱きしめている。


『彼を調べた後、こいつの様に手を出さないのなら、レンに新しい玩具を与えてもいい。もしくは調教するか…まあ、素材次第だな?少なくとも今は駄目だ。』


ノルンと別れた後、二人でこっそりと店で買い物してからのんびりと帰城する。


嬉しそうに買ったものを口にする仔兎にニルキアは微笑んだ。



『レンの所有権は俺にある。誰にも渡さない。』



心の中で不敵に微笑むニルキアは、まさしく“死神”


通り名に相応しい恐ろしさがあった。




・・・・・




王都周辺で騒がせた主犯格が捕まり、攫われた人達も無事救出された。

翌日には王宮でその話が持ち切り賑わしていたが、もう一つ賑わした噂がある。


夜の城下町で天使が現れたと。


その天使は狼藉者から少年を助けるため地に降りて追いかけたらしい。


だか、夜の街で出歩く人の話は信憑性が弱く信じて貰えない為、酔っ払った人が見た幻想だと多くの民は思ってしまう。


結局、噂好きの貴族達が面白かしくして賑わしていた。



あの夜から二日後。


書類を渡しに第三王子の執務室に来たカイロスは一発目に噂話を話した。


「開戦前に大祭りで大変だったねー?天使様は大活躍だったのだろう?」


「その天使様が追いかけず警備隊に任せれば、こんな事にはならなかったけどな?」


カイロスの労いに、ニルキアは疲れたように返す。



「で…その天使な兎姫は何しているの?」


ニルキアの隣で金毛の兎姫は丸くなって座っている…が、様子がどこかおかしい。


「反省中なのでほっといてください。」


不貞腐れてプイッとそっぽを向く兎姫。


だが、兎姫の首にかけている木の札がやけに違和感を覚える。


「軍服の上にそれを付けるなんて違和感がありまくりだけど?…折角の美人なのだから、もっといいアクセサリーを付ければいいのに…。」


「これがお仕置きだから仕方ない。」


ニルキアの言葉にカイロスは首を傾げる。


「その木の札がお仕置き?」


「ああ、お仕置きだぞ?レンの首飾りを見てみろ。」


カイロスが恐る恐る近づき「見せて?」と兎姫にお願いする。

飼い主の命令は絶対なので兎姫は渋々、木の札を見せた。


木の札にはびっしりと何かが書いている。



「えーと、なになに?『私は側近との約束を破りました。よって当面の間、お仕事以外は一切とも側近から離れません。側近に言われた範囲で遊びます。側近が出す以外のお菓子は受け取りません。etc.…って、なにこれ?裏まで色々と書かれてめっちゃ怖い…。」


「誓約の札だ。当面はこれを付けて過ごしてもらい、誰かがレンに話しかけたらそれを見せるように言ってある。」


一国の王子相手に容赦ない側近。


城に戻ってきた時に、ニルキアから誓約の札を渡され問答無用に書かされた。

その後から誓約どおりに行動させられている。



「いや…レンちゃん、飼い主を困らせちゃダメだぞ?ただでさえ重い男だから、怒らせると自由と言う自由が無くなる。まあ、重いのはお前もそうだな?ニルキアが子猫に構うと、子猫に威嚇しているぐらいだし…イテェっ!!またか??」


再び兎姫はカイロスの顔に物を投げた。

今度は紙屑のようだ。


「そういえばレン。この前の狼藉者を相手にしていたディリクレ子爵令息について話がある。」


「…え?あの時の人?」


そっぽを向いていた兎姫が興味津々に飼い主の顔を見上げる。


「ああ、警備隊が念のため医務院に連れて行ったが、直ぐに目を覚まして特に異常はないそうだ。まあ、倒れた時に少々頭にたんこぶが出来たぐらいだ。」


一見は怪我をしていなさそうだが、一応相手は貴族。

それなりに警備隊は対応しなければならない。


目が覚めたジェンジーはいたって元気で、起きた瞬間に『やっぱり夢だったー!!』と叫んだそうだ。

でも、酒場で起きた事は現実と知り、安堵したり怒ったり泣いたりと一人劇場をしていたらしい。

そんな彼に警備隊は手を焼いた。



「ふふっ、やはり楽しい人の様ですね?」


あの一部始終から安易にその場も想像できる。


クスクス笑う兎姫に飼い主は兎姫の首にかかっている札をトントンと軽く指で叩いた。

指で叩いている場所には『側近の許可がない知らない人と話しません』と書かれている。


「あ…ごめんなさい。」


先に思考を読まれた兎姫はしょんぼりする。

何処かで接触をしようと思った兎姫の考えは飼い主に筒抜けだ。


「まあいい。彼について俺なりに調べたら特に問題なさそうだ。あいつみたいなタイプでもない。裏表もなさそうで面白そうな少年だな。あれなら俺も安心だ。」


ニルキアに認められ兎姫は再び耳を立たせる。


「この戦が終わったら、会ってみるか?」


「本当ですか!?はい、会いたいです!」


嬉しそうに飼い主へ抱きつく兎姫にカイロスは「相変わらずラブラブな事」と、ほろりと涙を拭いていた。


そんな和やかの中、コンコンッと扉を叩く音がした。


「紅の第三騎士隊長、メアリ・エイバス、ジェロニス総司令閣下の命に応じ参上致しました。」


「ああ、彼女が来たようだ。入れ。」


兎姫の頭を撫でながらニルキアは入室の許可をすると、灰白色した髪の女性が執務室に入ってきた。


女性は入って来た途端、騎士の礼をする。


「遅くなり申し訳ありません。」


「別に大方の仕事が終わっているから問題はない。だが、代理とはいえ護衛を務めていて、何かあったのか?お前ほどの実力がある者が妃相手に煩わせるなど余りないのに。」


「申し訳ありません。今回は三妃殿下が催す交流会でしたので、招待者達の保全に全力で努めておりましたら思った以上に時間が要しました。」


妃殿下の護衛なのに招待者達を守る護衛騎士。


三人は「またか」と遠い目をした。


「我儘を言って勝手に貴重な人材を護衛につけた事でも頭が痛いのに、あの人たちは馬鹿ですか?」


「…いつもの事だろう?だから誰も触れずに放置だ。」


「うん。大方いつもの第一妃と第二妃の自慢大会だろう?そんな事で俺の大事なメアリちゃんを護衛にさせるなんて…許せない!!」


「はい。今回の三妃の交流会も関わらず二妃殿下しか参加していません。あと、業務中に個人の私情を入れないでください、イクス隊長。例え婚約者であっても隊内が乱れます。いい加減に蒼の第五騎士隊長として自覚を持ってください。」



冷めたメアリの容赦のない一言に「酷―!」と叫ぶカイロス。

だが、彼女は表情を変えない。


「ははっ、カイロスにとっていい奥方になりそうだな?お前にはこれぐらいが良い。でも、レンの手前だ。少し気を緩めてあげてくれ?堅苦しいのは好きではない。」


「承知しました。ニルキア様。」


ニルキアが命ずるとメアリは冷めた表情から柔らかくなる。

メアリは唯一女性の騎士隊長を務めるだけあって、相手に感情を読まれぬように訓練されており、アンバー副団長に並ぶ冷静沈着の女性だ。

カイロスには勿体ない。


ニルキアに微笑むメアリを見て、一人「ニルキアだけずるーい!」と叫ぶ愚男。

でも、そこは綺麗さっぱりと婚約者に無視されていた。



「…メアリ…母は相変わらずの様ですね…?」


そんな中、レベンスは珍しく暗い表情をして問う。

三妃が集う交流会に唯一、レベンスの母だけ出ていない事が心に引っかかった様だ。


「レン様…レウシア妃殿下は変わらず自室から籠って出てきておりません。…どんなに貴方様がご活躍されても、お言葉を受けいれてくれるどころか、お名前だけを聞いても酷くご乱心されるご様子です。」


「分かった。もうその話はいい。」


レベンスの質問を心苦しく話すメアリにニルキアは止めた。

泣きそうなレベンスをニルキアは自分の胸に抱き寄せ、落ち着かせようとする。


「もう彼女の事を聞くな?お前には俺がいる。」


「…はい。」


レベンスにとって自分の母である第三妃は禁句。

いつもは無邪気な仔兎だが、心に大きな傷がある。


ぎゅっと抱き着くレベンスに、ニルキアはその頭を優しく撫でた。


「っ!」


二人の様子をみて、突然メアリが後ろを向く。

先程の冷静さが失い何故か鼻を抑えている。


「メアリちゃん、大丈夫?」


「貴方は黙ってなさい!……尊い…どんな過酷な状況でも、この最高級のオアシスがある限り私は何度も立ち上がれる!…ああ、この事をモネアと語りたい…」


メアリはカイロスを叱咤しつつも必死にハンカチで鼻を抑えて独り言のように呟く。


普段、冷たい印象を与える彼女だが、レベンスとニルキアのやり取りが見事、彼女の好みに快進撃を与えた。

婚約者であるカイロスをほったらかしにして、レベンスの侍女を務めるメアリの妹モネアと共に夜な夜な語り合っている。



「ニル有難う。落ち着きました。」


そんなやり取りの中、ようやくレベンスの表情が明るさを取り戻した。


「ああ、よかった。…で、カイロス。そんな端に居て何をしている?」


「ほっとけ!けっ、ご両人だけラブラブしてさー。メアリちゃんも自分の世界に居て全然、相手してくれないし…」


みんなが各々自分達の世界にいる中で、一人いじけているカイロス。


「彼はいつもの事なのでほかっておきましょう?レン様が元気になられて本当に良かったです。…美味しいものをみせてくださいまして有難うございます!」


だが、哀れに誰もカイロスを気にしていない。

メアリはレベンス達を見てニコニコしている。



「美味しいもの?…まあ、いいか。そんなことよりも既に敵軍がファシアン王国まで近づいたと報告があった。そろそろ俺達も動く。」



「お二人はこの前お伝えした裏のお仕事をお願いします。紅の第二騎士隊長と蒼の第四騎士隊長にも、先ほど来てもらい別の案件を頼みました。これで犠牲者を出来るだけ少なくします。」


二人は騎士団長の指示とは別の案件を四人の騎士隊長に頼んである。

こうやって裏で騎士団を動かし犠牲者を減らしていた。


「その任務、しかと承りました。」


「りょーかいです!」


真面目なメアリに無真面目なカイロスが一礼する。


「彼らも愚かではありませんので、今回は大方主力を四方に分散するでしょう。しっかりと罠を発動させてください。それで大幅に足止めになり騎士達の負担が減るでしょう。」


「罠に関してはあいつらがいる。後はお前と俺でどれだけ仕留められるかだな?」


「ニルキアは出来るだけ騎士達の援護をしてあげてください。まだ片腕が痺れるのでしょう?」


レベンスが心配そうに利き手であるニルキアの左腕に触れる。


「だいぶ良くなっているから大丈夫だ。前回、完治までそう掛からないと侍医から言われている。問題ない。」


「ニルキアも災難だったよな?三年前の毒がここまで時間かかるとは思わなかっただろう?総大将だって、まだ11歳のレンに背負わせたくなくて必死に治療したのに中々治らなかったな?」


カイロスがまたほろりと涙を拭く真似をするが、ニルキアは当時を思い出したのか少し哀愁を目に宿す。


「…過ぎた事だ。」


ニルキアの腕に刺し傷が深く刻まれている。

三年前、ニルキアがある事件で剣に仕込まれた猛毒を受けた。

その所為で腕が使えなくなった為、レベンスが総大将を引き継ぐ。


10歳から既に騎士団長と副団長を負かし、ニルキアの補佐として数々功績を作っていたレベンスだからこそ国王から総大将の座を与えられた。

けして王族だからと言う理由で総大将の座を手に入れていない。



「ニルキア様が完治となれば総大将として戻るのですか?」


ふと疑問になったメアリにニルキアは否定する様に首を振る。


「いくら王族だからとはいえ、レンの今までの功績は既に各国に行き渡っている。国王はこのままレンを総大将として置くだろう。」


基本、ヴァロンの王族は戦わない。

初代王以降の歴代王族がそう取り決めたらしい。

いくら前総大将であるニルキアが完治するとはいえ、英雄と呼ばれ自国に多大な国益をもたらしたレベンスを王族と言う理由で総大将の座を下ろしたりしない。



「まあ、戦えるとしても補佐としては変わらない。俺としても今の方がやりやすいから特に総大将の座が惜しいと考えられないな。」


「私もこのままでいいです。私が総大将として成果を出せば国王は何も言えません。それにニルキアの望みを叶える為には私が総大将でいなければなりませんから。」


ある目的の為。


レベンスが言う意味は、この場にいる者は知っている。

だからレベンス達は信頼における隊長達をわざわざ騎士隊長の集まりではなく個別に呼び出した。


「うーん。流石飼い主想いの兎姫だ。ま、ダチの為に俺も協力するのだけどね?」


「はい。私も御二人の為に手となり足とになりましょう。」


二人は再び騎士の礼をする。


「二人とも有難うございます。これで話は以上になります。今夜、私達は発ちますが、裏の仕事以外は団長の指示に従ってください。」



レベンスの言葉でその場をお開きになった。


その後、レベンスがカイロスと共に国王の元へ報告しに行き、ニルキアとメアリだけレベンスの執務室に残る。


「メアリ、レウシア妃の様子を報告してくれ?」


「はっ、先程お伝えした様にレウシア妃殿下は変わらず…ですが。」


言葉の途中でメアリは少し険しくなる。

それだけで何か変わったことが起きたとニルキアは判断した。

それでも、メアリの報告に耳を傾ける。


「…部下の不在時に王太子殿下がレウシア妃に面会したとのことです。そしてレン様について聞かれていました。」


やはりか、とニルキアはため息をつく。


「ですが、レウシア妃はあの通りレン様の名を出すだけで錯乱状態になりますのでまともに取り合わなかったそうです。」


「…わかった。あいつもレンを見て薄々気づいているのだろう。…だから余計に自分の手の内に入れておきたい。この戦が終われば、またあいつの攻撃が始まるな?」


今は戦前だから多少下火になっている。

だけど、落ち着けばまたニルキアとレベンスを引き離しに策略するだろう。


「…馬鹿な奴。そんなことしても決してあいつの望みはどおりにはならないのに…。」


「ニルキア様…。」


ニルキアは腕の傷をみて責めるように呟く。

その姿を見てメアリは複雑そうな表情になる。


「まあいい。あいつが探られぬよう既に手は打っている。引き続き妃の様子を監視しろ。要らぬことを言わせるな。」


「はっ。」


メアリは騎士の礼をして部屋を後にした。


静かになった執務室で一人になったニルキアは一人窓の外を眺めながらある事を口にする。



「…性別を持たぬ仔兎は、果たして伝記どおりなのか…?」



ニルキアの呟きに誰も答えなかった。



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