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第5章 アイドル・ダンジョン 異常あり  作者: みーたんと忍者タナカーズ
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腐っても博多っ子乙女倶楽部は福岡県のローカルアイドルなんだからね。

福岡県で無名っておかしいでしょ。

橋本環奈だって元をたどれば福岡のローカルアイドルだったんだしさ。

しかもド田舎じゃないのよ、ももち浜って………………。

福岡市の中心部に近い場所にあるんだからね。

たまにももち浜を散歩してると、テレビの撮影みたいのをしてたりするけど、出ているタレントが無名なせいか人だかりすらしていないの。

そんなのを見るたび、私、この制服の女子より売れてるよねと下らない対抗心を燃やしてしまう。

まあ、そりゃあー………………、私は全国区の売れっ子なんだし………………、そこら辺のちっちゃな事務所のタレントよりは売れてるわよ。

私のこと知ってるでしょ。

握手して上げてもいいわよ。

チラリと目線を送り、そのまま素通り。

勝った。

こいつらよりはまだマシなレールに乗ってるわ。

福岡に残ってたら、所詮は福岡止まりよ。

東京で会えるといいね。

頑張ったらいいじゃない。

ヤバい、あの子、こっちを見てる。

きっと渡辺小町だって気がついだんだ。

小町はあたりを見渡す。

もう、誰もいない。

クラスメイト、一人ぐらいいなさいよ。

もしかしたら、駆け寄って来て、握手をしてくださいなんて言われるかもしれないのにさ。

アイドル渡辺小町がクラスメイトにいることを見せつけてやるのに。

って、あの子、今私の顔見て笑った。

そして目をそらして、もう一度笑った。

何、何。

やだ、本物の渡辺小町だ。

普通に散歩してるのに、誰も気がついてないのかしら………………。

ふふふふふ。

でも実物はテレビ以上にブサイクね。

ふふふふふ。

みたいな笑い方してた。

なんなのよ、あんたみたいなローカルタレントにこの全国区の私がなんで笑われるわけ。

て言うか、休憩中なのに全然目が合わないじゃないの。

お茶、飲んでる。

渡辺小町への興味はその程度なの?

全国区のアイドル渡辺小町よ。

握手するなら今のうちよ。

もしかしたら、今年の紅白に出てるかもしれないのにさ。

何、その小馬鹿にしたような笑い方は………………。

ほんと、マジ誤解。

私は今アイドル道を昇ってるんだからね。

下り坂を転がってるんじゃないんだからね。

まだニヤニヤして見てる。

たまたま会えた偶然を喜べないなんて、芸能人失格ね。

あなたは絶対売れないわ。

調子に乗ってんじゃないわよ。

あんたなんか普通に平凡な顔じゃないの。

それこそHKTにいそう。

その程度のブサイクが本当のブサイクに勝てると思ってるの。

あなたはあざかわさんにもなれないわよ。

せいぜいネットニュースで天気予報でも読んでればいいわ。

フンだ。

まったくアイドル渡辺小町をなめすぎてるわ。

福岡県民代表のこの私を崇めなさい。

ってまだニヤついてる。

このブスブスブス。

最悪、最低、テンション駄々下がり。

ああ、お前なんか夕日と一緒に博多湾に沈んじゃえばいいのに!!

ああ、ムカつく。

ツイートしちゃおう。


ももち浜ってデートするには悪くないのよね。

私もいつか王子様とお散歩したりするのかな。

送信。


おめえなんか彼氏ができるかよ。

そんな物好きいるもんか。


アイドルって恋愛禁止だしね。

もちろん王子様はみんなよ。

送信。


おめえなんか恋愛禁止じゃなくても男ができるかよ。

ブスが吠えてろ。

恋愛禁止で良かったな。男ができない言い訳ができてさ。

お前の手を握りに来てる男子はみんなどうせサクラだろ。


ほんと、嫉妬されるのって辛いなあ………………。

みんな私に嫉妬してるんでしょ。

いいわよ、その病んだ想い全て私が受け止めるわ。

ほんとみんなの嫌な想いを私が癒やしてあげる。

ナイチンゲール小町よ。


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