なぜ「ざまぁ系長文タイトル」は「一発屋」なのか
えがおー(๑˃̵ᴗ˂̵)
私は、AIで「なろう小説」の「タイトルあらすじ」を評価したり、自分自身でも小説を投稿してたりする小学生(概念)です。
このエッセイは「同じようなタイトルばっかり」と辟易している読者さん。それから「せっかくざまぁ系タイトルにしたのに全く伸びない」とお悩みの作者さんに向けて、私の個人的な感想をあれこれ述べるエッセイです。
はじめに。
なぜ「ざまぁ系長文タイトル」が乱立するのか。
シンプルに「ポイントをくれる」「アクティブな読者」が多いからです。
なろうでは毎日300作品程度の新作が投稿され、数万作品が更新されます。
こうした環境で読者を獲得するには、作品をランキングに掲載させる他ありません。これには、三つの方法があります。
ひとつは、作者人気です。
有名なのはTwitter芸人の「まんじ先生」ですね。恐らく200人程度の「アクティブな読者」をフォロワとして持つ「まんじ先生」ならば、どのような内容で小説を投稿しても作品をランキングに掲載することが可能です。つよい。真似できない。
もうひとつは、めちゃんこ面白い長編を完結させること(もしくは傑作レベルの短編を投稿すること)です。最近では『サイレント・ウィッチ』が代表作でしょうか? これは鋼のようなメンタルと飛び抜けた筆力を持つ神級作者さん限定の技です。真似できません。
最後のひとつは、バズワードを入れることです。
バズワードとは「毎日新着をチェックしている」「アクティブな読者」が好む要素のことです。
追放、ざまぁ。
これらの要素ですね。
断言します。
多くの読者を獲得するために必須な「ランキング掲載」ですが、現在のなろうで小説をランキングに掲載する方法は、上記の三種類のみです。
このことを理解している作者は、多くの読者に作品を届ける方法として、バズワードを取り入れます。他の方法で成功する難易度が異常に高いからです。これが同じようなタイトルが乱立する理由です。
根拠を説明します。
ここ最近めっちゃインフレしているランキングですが、ここに掲載されるには、約250pt必要です。
250pt
理論上は21人の読者さんから獲得できるポイントです。しかし小説を読んだ全ての読者さんがポイントを入れることはありえません。
いくつかの短編を調査した結果、
1pt / 5pv の法則を発見しました。
これは「タイトルで想像できる通りの本文を執筆した場合」に「読者5人あたり1ポイント獲得できる」ことを意味しています。
即ちランキングに掲載するには、
24時間以内に1250人以上の読者さんを獲得する必要があります。
※ここで言うランキングは「明らかに読者数が増える位置」を示します。例、総合ランキング、ジャンル別ランキング5位以上。
備考。
長編の小説を更新した場合に24時間で獲得できる読者数の中央値は20人未満。
繰り返します。
ランキング掲載の条件は、24時間以内に1250人以上の読者さんを獲得することです。
無理ゲーですね。
これを突破する裏技が「バズワード」です。
具体例と共に説明します。
二週間ほど前、私は「え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?」というタイトルの作品を投稿しました。めちゃ長いサブタイトルありますけど省略します。
このタイトルは「なろうRaWi」でAIに相談しながら実験的に作ったものですが、狙い通り「アクティブな読者」さんの目に留まったようで、1時間あたり約40人の読者さんを獲得できました。
ほぼ無名の状態から24時間で約1000人です。化け物ですね。
ところで、これは「タイトルのみ」の集客力です。
このタイトルの小説で、キーワードに「追放」「ざまぁ」を加えたらどうなるでしょうか。なんとPVが倍増しました。タグ検索勢の存在の証明です。
単純計算で、24時間で約2000人の読者さんを獲得できます。評価ポイントの期待値は400です。
この小説は期待値通りのポイントを獲得して、ジャンル別ランキングの表紙(5位以上)に掲載されました。その後、ピーク時には日刊ポイント2000程度を獲得しています。
さて、この短編が好きな読者さんには本当に申し訳ないのですが、正直に申し上げると、私は何が面白いのか理解できませんでした。
この感覚は、おそらく「ランキング上位のみチェックする読者さん」の感覚と一致しています。
最初に結論を述べます。
これが「ざまぁ系長文タイトル」が「一発屋」である理由です。
追放ざまぁ+もう遅い
現環境で最強のバズワードによるテンプレは以下の通りです
「追放」をイメージさせる文章を1行目に記述する
イラッとする登場人物(敵)が登場する
追放された主人公が、良い人と出会う
主人公が新たな道で成功する一方で敵は凋落する
お願い主人公! 戻ってきて!
断る! 今更もう遅い!
~かくして、主人公を失った敵は滅亡した~
以上がテンプレです。
初めて見る分にはスカッとして気持ちが良いと思いますが、現状、ランキング上位は、このような小説ばかりです。
ここで疑問が生まれます。
「何度も見たテンプレが面白いのか?」
「敵が不幸になるだけの物語を好む読者がどれだけ存在する?」
後者の疑問。私の予想は約5万人です。
つまりポイントの期待値は約1万です。
追放ざまぁテンプレ作品をいくつか見ると分かりますが、大抵は一気に1万ポイント程度を稼いだ後で全くポイントが伸びなくなる「一発屋」です。
ここからさらにポイントを稼ぐには、期待値を上回るポイントを獲得するか、+要素が必要となります。
例えば「異世界」「ダンジョン攻略」などの、敵を打ちのめすこととは異なる純粋な物語の面白さです。
私が尊敬する「アルト」さんの「味方が弱すぎて補助魔法に徹していた宮廷魔法師~」という作品が良い例です。
この作品は、約1ヶ月程度で累計ランキング入りして書籍化も決まりました。最強です。
ネタバレは避けますが、この作品は「ざまぁ系長文タイトル」で「アクティブな読者」を獲得して、ランキング上位に掲載されました。しかし内容は「敵を打ちのめす物語」ではありません。これが「最も数が多い読者層」に響いたのかなと私は思います。
もうひとつ。上記作品とは比較にならない小物ですが、私が投稿している「え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?(連載版)」も、主題は敵を打ちのめすことではありません。
ざまぁ系長文タイトルですが、内容は「倍返し」ではなく「心温まる系」です。短編のビッグウェーブに乗る形で私の趣味を全部盛りにした内容です。
この作品、ワンオペは、なろうでは投稿から二週間でヒューマンドラマの四半期ランキング1位になりました。
アルファポリスでは、なろうにおける日刊総合ランキングに位置する「Hotランキング」で3日間1位をキープして、お気に入り数がジャンル別で歴代1位になりました。
この結果から、私は「追放ざまぁ」の主題と思われがちな「敵を打ちのめす物語」を求めているのは「投稿後、短時間でポイントをくれるが絶対数は少ない読者層である」と予想します。
大多数の読者さんは「えがおー(๑˃̵ᴗ˂̵)」を求めているのです。私もです。
さて。
なぜ「ざまぁ系長文タイトル」は「一発屋」なのか
私の結論は以下の通りです。
「新着小説を毎日チェックしている」「アクティブな読者」と「ランキング上位だけチェックしている」「大多数の読者」の需要が一致していない。
以上です。
このエッセイを読んだ作者さんがハッピーエンド至上主義者になってえがおー(๑˃̵ᴗ˂̵)になれる作品を執筆してくれることを願っています。
追放ざまぁもう遅いは、もう遅い。




