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モコとの出会い

可愛い生物と出会います。



私はふと顔への違和感で目を覚ました。


目を開けると超至近距離にあったモコモコな毛の中にある黒い目と目があってしまった。


なんだこれ…?


意識が徐々に覚醒してきたことで私が今置かれている状況が分かってきた。


違和感の正体はどうやらこのモコモコな小さい生物?が私の顔を舐めたことで感じたものらしい。


この生物はなんというか、


物凄く


…可愛いっ!!


なんだこの可愛らしいモコモコの生物はっ!!!


小さく丸いモコモコな体に小さくて下にたれた三角の耳、短い手足としっぽ。


何よりも私を見つめるそのつぶらな瞳!!!


この子を見ていると胸がホワホワする!


これはきっと俗に言う一目惚れだ!!


私は思わずこの生物を抱きしめた。それなのに嫌がる事はせず、それどころか短いしっぽをちぎれんばかりに振って好意を示してくれる。


私は決めた。



どんな事があってもこの子と暮らしていこう、と



しばらくこのモコモコ生物と戯れていたが、このよくわからない状況にやっと疑問を抱いた。


「ここはどこ…?」


我ながら間抜けだと思う。


浮かれていた私はようやく自分が置かれている状況を確認し始めた。


どうやら私は森の中で眠っていたらしい。


…なんで?


そもそも、



私って誰だけっけ?


ここに来る前、すごく苦しくて悲しかった気がする。


何がそんなに苦しかったんだっけ?全然思い出せない。


けど、


ま、いっか


考えてもどうせ分からないし!


そのうち思い出すだろう。


私は考えても仕方の無いことは考えないことにした。余計な事を考えて嫌な思いをするのは御免だ。


とりあえずこの子と住む家を建てよう!←なぜ?!


その前に今更だがこの子の名前を決めていないではないか!←唐突っ


いつまでもモフモフ生物という訳にはいかない。


どうしたものか。


ふわふわでモコモコで可愛いから…ぅーん。


そうだっ!!



「ねぇねぇもふもふちゃん。貴方はモコモコでふわふわだから、モコちゃんなんでどうかなっ?」



「ムキュっ」



かっ可愛い〜〜!!


なんなんだこの超絶可愛い生き物はっ!


絶対に何があっても離さないぞっ!!


死ぬ時まで一緒にいよう!これはさすがに重すぎるか?


でもそんなこと関係ないっ!


私はモフモフ生物改め、モコを力一杯抱きしめて幸せに浸っていた。


そのため近くに来た気配に全く気付く事が出来なかった。



「グルル」



モコが突然唸り出した。


どうしたのか思いと周りを見渡すとさっきまで鳴いていた鳥の鳴き声が全く聞こえないではないか。


風も全く吹いていない。


心なしか僅かに気温が下がったように感じた。


私はこの状況にさすがに恐怖をおぼえた。


ここら辺一帯からまるで私とモコ以外のありとあらゆる生物がいなくなってしまったかの様だった。


いや、実際にいなくなったのだろう。


逃げる事も出来ないまま座り込んだ私はひたすらに息を潜めていた。


前にもこんなことがあったような…。


駄目だ。思い出せない。


するとそこに綺麗な声が聞こえた。


例えるなら鈴を転がしたような声だ。



「ここで何してるの?」



「うギャッ!!」



ビックリしすぎて思わず変な声が出てしまった。恥ずかしすぎる。


私は今自分が置かれている状況を忘れて赤面してしまった。乙女たるもの恥ずかしがって当然だ!


突然声を掛けてきた相手の顔を見るためにそちらの方を見ると私は驚きすぎて恥ずかしがっていた思考がフリーズした。


そこに居たのはとても綺麗な同い年くらいの男の子だったのだ。


とにかく綺麗だった。


私と同じ真っ白な髪と夜を閉じ込めたかのような星が瞬く瞳が顔立ちの美しさをさらに際立たせている。


その男の子がとても可笑しそうに笑っていたのだ。


これで恋に落ちないのは相当鈍感な者だけじゃないのだろうか。


この言葉は特大ブーメランだ。


実質私はこの時恋に落ちることは無かったのだ。


ただ単にとても綺麗と思った。


そして失礼な奴だ!乙女を笑うなんて!!!


私は腹が立ったことで恥ずかしがっていた気持ちは、あっという間に飛んで行った。


その男の子はまた私に質問した。



「ねぇ、君だよ。どうしてここにいるの?」



あ、そういえばまだ何も答えていなかったな。


でもどうしてと言われても私自身わかっていないのだ。そのことをそのまま伝えた。



「いやぁ、どうしてと言われても起きたらここにいたのでよくわからないんです。」



「???」



その綺麗な男の子はとても驚いていた。


驚いてる顔も綺麗なんておかしいと思う。


世の中不公平だ!


するとその男の子は私の膝の上で威嚇しているモコに視線を移しさらに驚いた顔をした。



「どうしてフワニーがいるの?」



「???」



フワニー?なんのことだ?


私の反応などお構い無しに男の子はさらに言葉を続ける。



「その魔物は最上級に高められた魔力がある者にしか懐かない特別な魔物だよっ。どうして君に懐いてるのッ!!」



高い魔力?知らないよそんなのっ。


しかも魔力っておとぎ話じゃないの??


というのはきちんと心の中で抑えた。


これこそが大人の対応だ。


それにしても、なんでこんなにこの男の子は必死なんだ?


…もしかして!!



「そんなの知らないよっ!この子を見てすぐに大好きになったの!モコはあげないんだから!」



私は最大限の威嚇をした。


いくら頼まれてもモコだけは渡さない、という意味を込めて。










まだまだ恋愛は遠そうです。

モコはポメラニアンに小さい黒い天使の羽をつけた感じです。

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