26話 ダリウスの半年間
「フハハハ。私とした事が。シオン君の芯の強さに見とれていたよ」
嘘つけ、あからさまに傷付いてただろうが。
「さて、アルフォンス君。話をしようじゃないか?君は何故この場所が分かった?」
本当の事を言うと、シオンの嗅覚のお陰だ。しかしそれを正直に話すつもりはない。
「あなた達をつけて来たんですよ」
「ふむ。では質問を変えようか。何故私達をつけてきたんだい?私達の何が怪しいと踏んだのかな?」
「それは答えられませんね。ただ、あなた方の手口は分かっています。あなたはダンジョンに向かう新人冒険者相手に、こう持ちかけたんでしょう?………"俺達とパーティを組まないか?俺達と組めば八層くらいまでならすぐに行ける"ってね。僕もこのアルテミスに出てきたその日に誘われました。そしてついてきた新人達を、あたかも偶然見つけたように見せかけて、この隠し部屋に誘き入れる。そこでその大男さんの出番だ。新人冒険者が束になっても敵わないでしょうね」
「なるほどね。確かにこの現場を見られればそれは否定できないだろう。でもどうだろう?この哀れな子羊達を奴隷商に売り飛ばすとしても、ダンジョンから連れ出すのは難しいとは思わないかい?なんたって今はもう、ギルドカードで出入りをチェックされているんだよ?」
「それなら簡単ですよ。あなたが今装備している【変身】のネックレスを使えば良い。新しく捕まえた新人冒険者のギルドカードを持たせて【変身】スキルで姿を変えさせれば、疑われる事なくダンジョンから連れ出せるでしょう?現に、一昨日にダンジョンから出たはずのバド達がまだそこにいますからね。こんな感じで心身喪失状態にした新人冒険者に、バドのギルドカードを持たせて、バドに【変身】させて、連れ出したんでしょう?
ところで、そのネックレスはどうしました?数ヶ月前に失踪したギルドの受付女性から奪っておいたんですか?」
ダリウスさんはその説明に悪びれた様子はなく、まるで宿題を誉められた子供の様に自慢げな笑みを見せた。
「ハハハハハ!君を少し見くびっていたかもしれない。君の言う通りだよ。まさかネックレスの事までバレているとは。
確かに杜撰な所がある計画だったかもしれない。ギルドマスターのグラナスはきっと、気づいていた。しかしこの場所さえバレなければどうとでもなった。彼等は時間はかかるが、私の従順な"犬"となるしね。だが私が気になるのは」
「オイ!もういいだろ!こいつ等シメた後にゆっくり聞けよ」
その荒々しい声は、洞窟の入り口近くに立つ大男から聞こえて来た。同時に大男が斧を担ぎ直して、近付いてくる。
おいおい待ってくれ。このまま乱戦は不味い。あわよくば、こちらに有利な状況に持っていきたい。アルは咄嗟にその大男の足をその場に釘付けにする一言を放った。
「まぁまぁ、"グリフォン"さん。少し落ち着きましょうよ?」
アルの狙い通り、効果は適面だ。名前を呼んだ。ただそれだけ。大男の足一歩踏み出した所でピタリと止まる。
「何故俺の名前を知っている…?」
「何を驚いてるんですか?冒険者同士の闘いでは情報が重要でしょう?
そしてダリウスさんもそれを解っている。だから、僕達がどうやってこの場所を突き止め、何故ダリウスさんを怪しいと考えたのかを探ろうとしているんです。二度と誰かにバレないようにするために。今ここで僕達とやり合って、もし僕が死んでしまったら。それも解らないままですからね。次にはもっと強い…そう例えば"烈火"みたいなパーティがこうしてやって来るかもしれない」
脳筋には、一から説明してやらないとダメだ。ここに時間をかけることの重要性を。"烈火"の名前を出したのはたまたまだった。アルの中で最も強い人達だったからだ。しかしどうやら、予想以上に効果はあった。グリフォンさんは斧を降ろし、ダリウスさんに顎でしゃくって見せる。
「それで?君はそれを教えてくれるのかい?どうやってその結論を導きだし、ここまで辿り着いたのかを?」
ダリウスさんが再び喋りだす。彼にはまだ余裕が垣間見えた。
「まぁ僕達のスキルに関係することですからね。教えないとも限らないですが、今のところはそのつもりはありません。少なくとも僕達はまだ負けていないですからね。
………シオン、何か良い案はある?」
シオンとも小声で相談する。
「あの斧男は筋力極振りタイプじゃ。レベルも高く、斧を扱う技術次第では一対一は厳しい。出来たらダリウスを二人で強襲。一瞬で倒し、斧男と二対一にしたい所じゃ」
レベル23程度なら二人で襲いかかればいけるか。倒しきるのは難しくとも、手傷を負わせる事は十分可能だろう。このまま一対一となるよりはかなり状況は良い。
「そうかい?ではどうしたら良いのかな?私と情報をかけて決闘でもするかい?」
ダリウスさんのその持ち掛けに、シオンと顔を見合わせる。そして、シオンがニタリと笑った。
「その提案乗ったぞ。アルとお主が一騎討ち。決着はどちらかが降参するか、死ぬまで。ダリウスが勝てばアルは全ての情報を話す。アルが勝てば彼等を解放する。それで良いな?」
よし。これで僕が勝てば一気に二対一で有利だ。ただ、何の躊躇いも無かったけど、もし負けたらとかは考えないのかな?このお姫様は…。
アルは挑発的に見えるように短剣を抜き放つ。努めて冷静に振る舞っているが、この男のしている事に腹が立っていない訳がない。一対一で決闘?上等だ。本気で叩きのめしてやる。
"あの時の"借りもある。
「貴様ら…私を馬鹿にしているのか?私がレベルが5も下の新人に負けるだと!?良かろう。その決闘受けたぞ。グリフォン!手を出すなよ!」
ダリウスさんも長剣を抜き、鞘を横に放る。そして長剣を両手で握ると、上段に構えた。こいつはまだアルがレベル18のままだと思っているらしい。しかし敵の思い違いを丁寧に教えてやる事もない。アルは短剣を下段に構え、不敵に笑って見せた。
「今度こそ、"経験値にして"あげますよ」
それは僅か二日前。裏路地での出来事を差していた。ダリウスさんはニタリと厭らしく笑う。
「ほぅ。その事も気付いていたか。あの時はしてやられたよ。毒まで仕込んでたのになぁ。まさか毒耐性を持っていたなんてね」
「今思い出したんですよ。その笑い方と構えた姿勢でね」
「あれは本当に偶然だったんだよ。ダンジョンの出入りがし難くなったので【変身】のネックレスがどうしてももう一つ必要でね。ちょうどミアを誘拐しようと言う時に君が一緒にいた。ただそれだけだった」
腰を落とす。その欲望にまみれた顔を見据え、覚悟を決める。人を殺す覚悟だ。こいつはきっとここにいる人数以上の数の冒険者を、誘拐し、奴隷として売ってきた。許すわけにはいかない。呼吸を一つ溜めると、自分の中のスイッチを入れる。
一気に【瞬間加速】で詰め寄る。初手はそのまま下段からの斬り上げ。ダリウスさんの上段からの斬撃とぶつかる。しかし、今回は容赦しない。手加減なしだ。
「【斬撃】!」
ダリウスさんの剣は振り下ろされるが、アルの剣と交わった瞬間に大きく弾かれる。勿論アルにも届いていない。ダリウスさんの瞳に黒い魔力が煌めいた。
アルは斬り上げた短剣の刃を返すと、すぐさま振り下ろす。
最初から二連撃のつもりで動いているアルに、ダリウスさんは反応できない。アルの短剣は弾き上げられたダリウスさんの右腕を深く斬りつけた。
勝負は一瞬で決する。
「ぐぅああああ!痛ッ!痛いッ!」
腕が取れかけている痛みから自身の剣すら取り落とし、地面に這いつくばるダリウスさん。アルは落ちた剣を部屋の端まで蹴り飛ばすと、彼に近付いた。
「ぁあ……ぁぁあ!血!血がこんな…!く、ぐるなぁああぁぁ!お、お前みたいな奴に…!」
「これで分かりましたか?あの時の闇討ちの時、毒は確かに効いていたんです。それですら勝てなかったのに、万全の僕にあなたが勝てるはずがない」
ダリウスさんを見ていると、ふつふつと怒りが沸いてくる。こいつを本当に生かしておいてもいいものか…?いっその事殺してしまう方がいいのか?
「お、おい!グリフォン!おま、お前!何を見ているんだ!早くこいつらを殺せ!いや、アルフォンスだ!こいつを殺せ!その娘は殺すな!決めた…決めたぞ。そいつは俺の性奴隷にしてやる…!そう、そうだ!まだ大丈夫だ!こいつを殺して娘を捕らえれば全て…」
アルは身体から怒りが滲み出るのが分かった。こんな奴、このまま生かしておいて誰が幸せになる?いや、誰の幸せにもならない。それどころか不幸を増やすだけだ。それならもうここで殺しておいた方が人類のためだ。自分の心が冷えきっていくのが解る。大丈夫。今なら何の痛痒も感じる事なく殺せる。まだ、あのリザードマンを殺した時の方が惜しいと思ったくらいだ。
アルが短剣を振り上げた時だった。目の前にいたダリウスさんが急に奥の壁まで吹き飛ばされる。そしてそのまま意識を失った様に崩れ落ちて動かなくなった。横にはシオンがいた。きっと前蹴りだ。右足を振り抜いたポーズで止まっている。
「あやつが大男に助けを求めた時点で既に決闘は終わり。ただの乱戦じゃ。これで残りは一人。あの大男は二人でいくぞ………」
きっとシオンがダリウスさんを蹴り飛ばしたのは、アルに殺させないためだ。シオンの介入が無ければ、アルは確実にダリウスさんを殺していた。何故シオンはそれを止めたのか。
「アルよ。前に人を殺す時は躊躇うなと言ったな。それは間違っていない。しかし、殺す必要があるかないか、それを考えるのは絶対に止めるでない。これは妾からの後生の頼みじゃ」
問い詰めようとしたアルだが、シオンの表情を見て、冷静になった。シオンの泣きそうな顔を初めて見た。
「ごめんシオン。あいつを倒して決着をつけよう」
アルは短剣を握り直して、大男に向き直る。シオンも珍しくナイフを構えている。こいつは強い。二人がかりでいかなければ危うい。シオンから【風鎧Lv2】が付与される。身体中が風を纏い、そよ風に包まれているような心地だ。
「あいつは筋肉お化けじゃ。まともに斬り合うでないぞ」
「一回受けてみるよ」
「…何?まぁ死ぬでないぞ。そのうちに妾が一撃で決めて見せるわ」
アルとシオンは左右に散開する。左右から挟み込む形だ。アルが先行して突貫する。【瞬間加速】は使わずに、シオンとタイミングを合わせる。大男が斧を振り始めると、その間合いギリギリで、斧を迎え撃つ。
「【盾】!」
目の前に漆黒の盾が現れ、斧を止める。しかしその拮抗も刹那だった。アルの魔力は霧散し、斧の勢いのままに短剣ごとアルは吹き飛ばされた。グリフォンさんの顔が驚きから勝ち誇った物へと変わる。
しかしアルの稼いだその刹那が、確かに勝負を決した。アルが吹き飛ばされると同時に、シオンがグリフォンさんの後頭部をサーベルナイフの柄の部分で全力で殴り飛ばした。大男とアルは反対方向に吹き飛び、二人とも壁に激突する。
「アルよ………大丈夫か?」
「うん…なんとか、痛ッ」
立ち上がると胸に痛みが走る。肋骨を少し痛めた様だ。何本か折れている。大男は部屋の反対側で、壁に頭をうずめたまま動かない。本当に一撃で仕留めるとは………。まさか死んでないよね?
「それにしてもなんて馬鹿力………。極振り怖ぇ」
「まぁ何はともあれ終わったのう。これからどうするか…。とりあえず安全階層に他の冒険者がおれば良いんじゃが、この時間であるからの。望み薄じゃろう」
「グリフォンさんが起きさえしなけりゃ大丈夫だと思うけど………。何はともあれ、まずは彼等を解放しよう」
一連の騒動に興味すら示さないバド達。その瞳は何を見つめ、何を考えているのか。それも分からない。
シオンと協力して、彼等の手足につけられていた手枷を外し始める。ほとんどは無反応だったが、何人かは多少の意識があった。それでも少しの刺激で身体は震え、自分が助けられた事にも気付いていない様子だった。
「アルよ。手分けするしかない。人質と犯人二人は同時に連れて行けん。まず人質をダンジョンの外まで送り届けるんじゃ。ダンジョンの外まで行けば騎士がおる。彼等に伝えて応援に来て貰うとしよう。妾はこいつらが起きぬか見張っておく」
「そうだね。いやでも待って………ここまでの道はシオンしか分からないんだから、シオンがバド達を送り届けて応援を呼んできて。大丈夫。彼等は僕が見てるから。もし起きたとしても手負い相手に負けないよ」
アルは大男の斧と装備。そしてダリウスさんのそれらも【保管】へと入れてしまう。
「これで丸腰だし、武器や防具類のスキルも使えないからね」
それにシオンは安心したのだろう。アルの提案を了承した。問題は捕虜だったバド達をどう連れていくかだった。立ち上がったり歩いたりはできるが、どうにも反応が悪い。仕方なく、置いてあったロープで全員の腰を巻き、それを繋いでシオンが引っ張って歩かせる事にした。
幸いここは九層だ。八層の安全階層まではすぐである。ここにくるまでは一層から順を追って来ないといけないが、シオンならすぐだろう。一時間もかからず来れる。
アルは一応、ダリウスさんの傷を簡単に手当てしておくと、ダリウスさんとグリフォンさんの両腕と脚をロープで縛り、二人を離して転がしておく。アルも二人から離れて壁を背に腰かける。呼吸を落ち着け、肋骨の傷の回復に専念した。
ステータス向上により、傷の回復速度も強化されている。回復薬も飲んだし、これくらいの傷ならばシオンが帰ってくるまでにはほとんど回復しているはずだ。
二十分程すると、ダリウスさんが目を覚ました。
「ふっ…グリフォンも負けたのか。良いザマだな」
彼からは諦めが見てとれた。ここでさらに悪態でもつかれるとアルもしんどかったので、正直ありがたい。シャツと下着姿となった彼はみすぼらしく、普段の様な爽やかさはない。
「いつからこんな事をしてるんですか?」
「そうだな………。半年前にここを仕切ってた誘拐組織が無くなってからだ。その頃に私はギルド受付嬢のリンダと仲良くなった。少なくともネックレスの秘密を教えてもらえるくらいには」
ダリウスさんの目はきっと半年前の"始まり"を見ているのだろう。それはまるで他人事のような口調で、淡々と話された。
「私はそのネックレスの存在を聞いた時。何かに使えないかと画策した。幸いリンダは私に少なからずの興味を持っていたので、私のスキルもあって取り込むのは簡単だった。彼女が、私が売り飛ばした奴隷一人目だった」
それはまるで独白。アルに聞かせている訳でもない。まるで自分で自分の罪を再確認しているかの様だ。
「彼女は受付嬢の例に漏れず美しかった。彼女を売って得た金も莫大だった。それこそ私がこのアルテミスで稼いだ金など足元にも及ばない程度に。
確か私がレベル12の時にこの街に来た話はしたね。八年間でレベルも上がって強い敵に挑めるようになったが、その分良い装備が要る。また金がかかる。結局、今持っている金はほんの僅かだ。つまり金に目が眩んだんだよ。よくある話だ」
自虐的に笑うダリウスさんは、ダンジョンの床の一点を見つめていた。彼には、今後彼がどうなるのか分かっているのだろうか。恐らくだが、ギルドによる処分以前に、アルテミス法による断罪が待ち受けているのだろう。誘拐がどれ程の罪なのかは解らないが、死刑の可能性等はあったりするのだろうか。
「ちなみに私が売った奴隷達はファレオ共和国に売り飛ばされているらしい。私が持ち込んでいた違法な奴隷商はアルテミス内の北西区、十二エリア、歓楽街近くのスラムにある。せいぜい探してあげてくれたまえ。そこに既にいない奴隷はファレオ共和国に飛ばされているのだろう。
………ところでアルフォンス君。この部屋は何だか知っているかい?」
聞き流していたが、急に話が変わった事にアルはついていけなかった。ダリウスさんはもぞもぞと動き始める。何をしてるんだ?と疑問にはなるが、どうせ縄はほどけないだろうし、ほどけたとしても装備も何もない。アルは他愛もない会話に返答した。
「えぇ、ダンジョンが作る隠し部屋でしょう?」
「なら…!ば…!それは何の…!ために…!あると思う?」
ダリウスさんはどこかに向かっている?しかしその先には別に何があるわけではない。
「何のため?何って………宝箱でしょう?この部屋にもあったはずです。宝箱の中身を取った後は部屋だけ残る。その部屋を人間の悪事に使われるとは、ダンジョン自身も思わなかったでしょうね?」
ダンジョンはこの部屋をどう思って見ていたのだろうか。もしかしたらダンジョンをそんな風に擬人化して考えること自体が間違っているのかもしれないが、アルにはどうもダンジョンに意識がある様な気がしていた。シオンの"ダンジョンは生きている"と言う言葉が頭に残っているのかもしれない。
ダリウスさんは動くのを止めていた。縄で縛られながらも三メートル程壁伝いに移動したか。
「半年前からと言っただろう?ダンジョンの構造は一週間もしないうちに変わるのは知っているね?私達は最初から今回の計画に使うためにこの隠し部屋を探した。そしてこの部屋はとても広く、そしてそれに似合わない、とても小さな宝箱を見つけたんだ。それこそ探さないと気付かないくらいにね。そしてそれを開けようとしたとき、ふと考えたんだ。
宝箱を開けた後、この部屋は残る。しかしダンジョンの構成が変わる時には?………答えは分からない。だから宝箱は開けなかったんだ。宝箱を開けなければこの部屋は残り続けるんじゃないかと思ってね」
なるほど、確かに半年間この部屋は残り続けているみたいだから、その考えは正しかったのだろう。
「そしてその宝箱と言うのがコレだ」
その一言にアルはピクッとなる。ダリウスさんの顔の横に、確かに本当に小さな宝箱があった。掌程しかなく、意識して探さなければ見落としても仕方がない大きさだ。アルの口から、いつかのシオンの言葉がそのまま再生される。
「"隠し部屋が広いほど、強い魔物も出やすい"」
ダリウスさんは哀しげに笑った。
「捕まって惨めに生き延びるつもりはない。君に最後まで迷惑かけてすまない。私達は置いて君は逃げろ」
アルが止める暇無く、ダリウスさんは口で宝箱を開けた。その瞬間に、ダンジョンが振動を始めた。それはまるで半年間という間を待ちわびたと言わんばかりに、喜びと怒りに震えている様だった。
そして、巨大な魔物は産み落とされた。