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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

突撃れぃにゃん

作者: 弥亞

当社比1.2倍くらいゲロ甘なので歯が浮かないように注意。

突撃れぃにゃん


「そこのあなた!簡単なインタビューに答えてください!!」

ん?

なんなんいきなり。

なにその格好。

え、なになにその格好かわいい。

「お姉ちゃんなんしてん」

「ゔっ…お姉ちゃんではありません、レポーターです!」

…なにしてんこのかわいいの。

…この変な色の髪の子なんてそうそういないけど。

そもそもこんなにかわいい子間違えるわけないやん。

変装しててもお姉ちゃんのかわいさは隠せない。

「髪の毛みなっちゃんにしてもらったん?」

「…うん」

「かわいい」

「えへ…。ありがと」

かわいい。

赤いメガネ似合うなあ…緑髪によく映える。

「で、インタビュー?面白そうやから付き合ってあげてもええけど。なんの質問?」

ちょうどお皿を片付け終わったところだったのでソファーのレポーターさんの横に座る。

「えっとねー。じゃあ早速お名前と年齢、教えてくださいっ」

やたら張り切ってるなー…。

「ええ…なにを今更」

「いいからいいから」

「…井ヶ谷玲衣です。1…7歳だっけ?」

「はーい、じゃあこのインタビュー中はれいちゃんって呼ばせてねー。誕生日は?」

れいちゃん…新鮮な響き。

「そこにいる緑のかわいいのと一緒なのでその子に聞いてくださ〜い」

「むぅ…素直に答えてよ。次は…身長はだいたいどれくらい?」

む…身長気にしてるの知ってて…まあ少しくらいならいいか。

「150くらい」

結構サバ読んだけどこれでもお姉ちゃんには勝ててないのが悔しいところ。

「え゛っ…そんなないでしょ」

「インタビュワーは私語を慎んでくださーい」

不満そうな顔のお姉ちゃん。

かわいい。

てか150でも勝ってるんやから不満ないやろ…。

「じゃあ…趣味や特技を教えてください」

「お料理かな?」

「へー、お料理するんですね。得意料理はあるんですかー?」

隠せない棒読み感。

「得意料理…作るのが好きなのは焼きおにぎりかな。手軽だし、おいしいし。お姉ちゃんもかわいい」

途中まで頷いていたお姉ちゃんが怪訝な顔で首を傾げる。

かわいい。

「作り方は教えてくれないんですか?」

「えー。教えてあげてもいいけど作っちゃダメやよ?」

「なんで…」

「またケガするから」

「…」

なにも言い返せないお姉ちゃん。

自覚はあるのね。

よいこ。

ケガして痕残っちゃうと大変なんだから。

「焼きおにぎりに隠し味はありますかー?」

「特にないかな」

「うそ。たまに味違う」

むっ。

お姉ちゃんのくせにわかってる。

「たまにお醤油変わるくらいかな」

「お醤油はお醤油じゃないの?」

…。

「ノーコメントで」

「ええっ…教えてよお…」

「…お姉ちゃんお料理したいの?」

「うっ…」

気まずそうなお姉ちゃん。

まあ禁止してるしね。

「…したくないって言ったら…嘘になる…かな」

「でもケガするでしょ」

「だって…、でも…。わたしだって女だし…お料理くらいできた方が…」

「ええやん。私がすれば」

「れいが出てっちゃったら?」

「そんなことないない」

ありえない。

お姉ちゃんと離れ離れなんて…。

「…まあいいや。じゃあ次は…」

頭をぐるぐる回して何かを思い出そうとしている。

振り回される横髪と帽子。

かわいい。

「じゃあお返しにお姉ちゃんの趣味も聞こっかな」

「えっ、わたし?うーん…読書かな」

知ってる。

確かに隙あらば本読んでる。

あんまり隙は与えてないけど。

本の部屋は基本的にお姉ちゃんしか使わないし。

お父さんはなんで自分で読まないのに本入れ替えてるんやろ…?

こっそり読んでるのかな。

「へー、どんなの読むんですかー?」

「どんなの…色々読むよ。物語が好きかな」

「ジャンルは?」

「ジャンルは…推理モノも面白いし…サスペンスとかホラーもどきどきするし…」

あっ、ホラー好きなんや。

それでこの間見せたDVDあんまり怖がらなかったのか。

…本と映像のホラーは結構違うと思ったんだけどなあ…。

「文芸雑誌はあんまり好きじゃないかも。評論とか」

「へぇ。評論家の本とかなかった?」

「あったっけ?多分読まずに飛ばしてるかも…」

なんだっけ…結構有名な人だった気がする。

テレビ見ないからあんまりわからないけど。

「あの難しい本は?」

「専門書とかかな?あれはあれで面白いよ。世間の知らないこととかなんでも載ってるし。ただ本によって書いてあること違ったりするからたまに混乱する」

わかる。

難しい本はあんまり読めないけど。

「…あっ、好きな本は何ですかー?」

今更自分が何をしていたか思い出したかのように質問を返してくる。

「本…は読まないかなあ」

「そっか。んー」

私は本は読まないなあ。

漫画は見るけど、文字が多いと眠くなるし…。

チラッと洗い物を始める前までめくっていた紙の束が目に入る。

「『明日から始める夏野菜。種蒔きから収穫後まで』」

「…それは本じゃないよ」

「本だよ…」

「雑誌」

「あー」

詳しい区別はわからないけど…読む本ではないよね。

「…さっき文芸雑誌のお話ししたやん」

「む…確かに。じゃあ本かな…」

でも評論家の本と園芸雑誌じゃ明らかに差があるか。

「夏野菜好きだよね。何が特に好きですか」

「いい加減その話し方やめない?」

「…何が好きなの」

「なす。おいしい。今年雨少ないから水やりが大変」

「おいしい!わたしも好きぃ…。暑いし雨降らないし大変やね」

は?かわいい。

「そうなの。まあ降ったら降ったで大変やけどね」

「へー…」

わかってない顔。

ああそうだ…今日まだお水あげてない…。

暑くなる前にあげちゃわないと。

「あっ、どこいくん?」

「お水あげてくるだけ」

まだ何か言いたそうだ。

お水あげたらまた付き合ってあげよう。

…。

蛇口にホースを繋いでくれている。

「えへ。たまにはね」

はいかわいい。

「ん〜、あとは何質問しよっかなー」

そういえばなんでこんなこと聞いてるんやろ。

「お姉ちゃ…」

背後で何かが破裂する音とお姉ちゃんの悲鳴が聞こえた。

「…」

水も滴るいい女。

ぬれ…すけ…。

…透けないやんその服。

なんでそんな服着てるん。

脱ご?

「ぷぁっ…、、、ぶぇぇ…」

「どしたのー、水遊びではしゃいじゃったー?」

ホースの取り付けが甘かったんだな。

「…着替えてくる」

しとしとと暗い足取りの背中を見送りながらホースをきっちり嵌める。

これで大丈夫なはず。

ホースの頭を捕まえて蛇口をひねる。


「涼しい」

「着替えてきなよ…風邪ひくよ?」

「まああんま濡れなかったし」

ホースが裂けてた。

先っぽ切り詰めてなんとか凌いだけど。

アタッチメント買わなきゃかな。

「風邪引いても看病してあげないからね」

どうせしてくれる。

「それより質問の続きしないの?」

「え?あー…」

何か思い出そうとまたぐるぐるし始めた。

その仕草かわいい。

帽子は傍に置かれているので今回は髪だけが荒ぶっている。

「…忘れちゃった」

「あら」

その場で思いついてたんじゃないんや。

「じゃあ私が質問する」

「ええっ。何」

「スリーサイズ」

「やだ」

「やだじゃない」

「いやっ」

ふーん。

そんな態度なんや。

「いやだよ…なんでいきなりそんな…」

「お姉ちゃんは私の質問には答えてくれないんや」

「う…だって」

「恥ずかしいの?」

「それもある」

「今更何言ってん。それ以外には?」

「…測ったことないから知らない」

「じゃあ測ろう」

「いやっ!」

メジャーをしゃかしゃかしながらにじり寄る。

逃げるの下手くそ。

部屋の隅に追い詰められて怯えるように震えるお姉ちゃんを見てたらなんだかかわいそうになってきた。

別にいじめたいわけじゃないのに…。

「そんな嫌ならいいよ…怯えないで」

メジャーを仕舞ってソファーに座ると隣に戻ってくる。

かわいさがしんどい。

「お姉ちゃんに質問」

「んー?」

「私のこと好き?」

「ゔ…なにいきなり…好きだけど」

少し顔を赤くしながら好きと言ってくれる。

かわいい。

好き。

「んふふー。なんでもないよ。ところで朝からどしたん?いきなり変な質問ばっかり」

「…実は特に意味なかったりする」

「ええ…なにそれ」

「みかんちゃんにれいの趣味とか気になるって言われたから探ってみたけど…わたしが知ってることばっかやった」

「へーえ」

少し嬉しい。

「私もお姉ちゃんのことならなんでも知ってるし〜」

「ええー…そうなの?」

「うん。だからやっぱりスリーサイズ教えて」

隣で油断してくつろいでいたお姉ちゃんを捕まえる。

「え゛っ、、嫌だってば」

「ええやん、減るもんじゃないやろ」

「わたしの精神がすり減るからだめぇ…」

もう…わがままなんやから。

「ちょっと…まだ10時前やよ?寝ちゃうん?」

「んー…ちょっと眠いかも…。お昼前に起こして…」

「えー…それなら私も寝る」

「えへ、じゃあ一緒にお昼寝〜」

かわいいなくそ。

「はいはい。じゃあおやすみ」

「おやすみ〜」

寝オチなんてさいてー!( ˘ω˘ )スヤァ…

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