高校一年、ある日の放課後 クラスの男の子の品定めをする女子高生たち
高校1年生のある日、たしか2学期だったと思います。
いったいどういう用事があったのかは記憶にありませんが、私は教室に残って、何かをやっていました。
教科書か参考書、あるいは勉強には関係のない本を読んでいたように思います。
少し、離れた場所で、クラスの5人ほどの女子生徒が雑談をしていました。
話題はやがて、クラスの男子生徒の品定めにうつっていきました。
「○○君がかっこいい」
「☆☆君も素敵」
といったようなことを話しています。
女子生徒の話を総合すると
「うちのクラスはかっこいい男の子が多い」
との ことでした。
私が仲良くしていたS水も、T倉も、話しのかなり早い段階で出てきました。
頷けます。S水とは中学2年の時からその時点まで、ずっと同じクラスでしたが少なくとも中2の時はクラスで一番人気がありました。
中2の一月、彼の家に遊びに行き、彼の部屋で話をしていて、その流れでクラスの女子からきた年賀状を見せてもらったのですが、ある女子からの年賀状の文面にはっきり
「S水君は、女の子の中で、クラスで一番人気のある男の子です」
と、書かれていましたし、
また、クラスの半分以上の女子生徒から年賀状が来てもいました(ちなみに私に年賀状をくれた女子は2人でした。私、このクラスでは一年間、学級委員長やっていたのですけどね。ちなみに、S水は風紀委員でした)
T倉は、高校1年ではじめて同じクラスになったのですが(彼が出席番号7番 、 私が8番、席が前後だったので、話をするようになったのです。私の姓は「な」 で始まりますが、8番などという1桁の数字になったのは、このときだけです。 ちなみに 1番U呂、2番K本、3番S水、4番S行、5番T間、6番T岡でした。 S水も3番などという出席番号になったのはこのときだけでしょう)、
T倉も、当時人気のあった郷ひろみに似た雰囲気があって「ひろみ」などと呼ばれることもあったので、それなりに人気があったのでしょう。
(またまた、雑談。S水、T倉、私の3人に共通するのはみんなBig Face だということです。当時、そういうことが3人の間で話題になったことはありませんが
「3人並べば、目立たないぞ」
という潜在意識が各人の中にあったのかもしれません。
カモフラージュ作戦ですね)
そして・・・・・・ご賢察のとおり、その話の中に、私は全く出てきません。
そういう話題になって、すぐ失礼するのも、
「あっ、意識してる」
と思われそうでできなかったのです。
女子生徒と話慣れていれば、話題に加わってそれとなくアピール、などという芸当もできたのでしょうが、私はそういうことのできる男子ではなかったのですね。
心ひそかに想定問答はしていました。
もし話しかけられたら、こんな具合に応じよう
「ねえ、××君は、このクラスで誰が一番かっこいいと思う」
「そりゃ、S水でしょ」
「S水君ね。なるほど、なるほど。じゃあ二番目は」
「うーん、俺かなあ」
しかし、誰からも話しかけられることはなく、数分後、教室をあとにするひとりの少年の姿があったのでした。
「どう、後姿に哀愁がただよっているでしょ」
などと意識しながら・・・
でも・・・誰も見てなかっただろうな。