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プロローグ

毎日1回更新を目標にやらせていただくつもりです。

よろしくお願い致します。

 神鹿暦(しんろくれき)2218年。ここは、レーベンと名付けられた惑星の、大帝国と呼ばれる国「ファイヴァリー」。名前の由来は、国の中心にある巨大なブナの木であり、そのブナの木の周りから領地を(ひろ)げていったからだという。その名残(なごり)か、この国の形は十層にも及ぶ壁によって同心円状になっており、中心に向かうほど富裕層で、一番外側は領土を拡げる(ため)に、戦場となっている。


 現在建設中の第十一層から一つ内側である第十層「エグリス」は基本的には前線に送る為の兵士を、特に『魔法』に重点をおいて育成している。


  1800年代に魔法という技術が登場した当時は小さな『魔法』の発動に『魔法陣』、『呪文』が必要であったのに対し、それから約300年が経った2107年、誰しもが身体の中に『魔力』と呼ばれる力が多かれ少なかれあり、その力を使うことによって『魔法陣』を瞬時に展開することができるとされた。この発見によって魔法は、飲料水の確保などの為の保険としての意味だけでなく、近接、遠隔問わずの戦力としての意味を持った。


 そして更に約五十年が経った2165年に『呪文』を唱えることなく魔法を発動させる技術がこの「ファイヴァリー」において発見され、銃弾などよりも早く目標に到達することから、戦争での戦力は魔法を操る、『魔法師』の性能によって左右されるようになった。これによってファイヴァリー以外の国々も『呪文』を唱えることなく魔法を発動させる技術をそれぞれ開発し、戦争は「剣が交差し、爆弾や銃弾が飛び交う」ものから「近接魔法のぶつかり合う火花が散り、遠隔攻撃の魔法が飛び交う」ものへと移り変わった。


  そんな背景があるため、魔法師の育成、魔法技術の研究には全ての国が力を注いでいるとはいえ、子供たちに魔法を教える『魔法学校』は基本的に内側の第二層「ベネルク」から第七層「ヴァルツァ」までにあるのが基本だ。それに、民家があるのも第八層「チェンジェ」から内側で、第十層には成人を少し過ぎた男性か指導役の少し老いた男性しかいないはずなのだ。

第十層にあるのはあくまで「兵士の」育成所だけだ。それにもかかわらず────────


 今日、一人の少年が第十層へ足を踏み入れた。

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