表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/47

賢者と剣聖。2


 エルフとは、斯様にもモテるものなのかと驚いた。

 女子、美女、美少女、淑女を前にしてフッと出来る程にはモテると言えば幾分か伝わるだろうか。いや伝わらない、とにかく女性が寄って来るのだ。

 ちやほやされるとはこの事かと分かる。変身して初めて分かる。

 もう一生エルダーナの姿でいいやと思えなくもない。だけどだ、やはりゴブリンで生まれたからには最後はゴブリンに成っておきたいのが人情だろう。

 そこで考える。もう一度変身する方法を真剣に考えた結果、残念ながら同じことをもう一度、と言う事になる。今度はゴブリンのアバターを自分にセットしなくてはいけない。そうなると不安なのが、アバターである今のままの状態で他のアバターに乗り移れるかという事だ。

 誰かで実験しなくてはいけない。

 誰であろう最初の人物になるというのは嬉しい筈で誰でもいい筈なのだが、その誰かが決まらない。

 寄って来る女で実験しようかとも思ったが、あいつ等は自分に火の粉が降りかかる事を良しとしないのが正常な状態らしい。自分を実験台にして来た俺とは住む世界が違う気がするがそれはそれとして、天下の大賢人である俺の言う事を何も疑わず、何も聞かずに良しとする都合のいい奴はいないのだろうか。

 ともかくそんな奴を探してノリのいい奴を探す毎日だ。

 巷では賢者が遊び人に転職したと噂されているのも知っている。だけど止める訳にはいかない。まあいいかと諦めてしまえばエルダーナに一生勝てない気がするからだ。それでも別に構わない筈なのだけどそれを良しとしないプライドの様なものが芽生えたのかもしれない。

 ともかく人探しは毎日、毎晩と目まぐるしかった。

 あんまり寝ないからいいやと思っていたが、ゴブリンにも市民権が交付される様な国では本当に眠らない町というのが存在してしまうのが実情だ。

 そう、奴らは寝ない。俺もなかなか寝ないが奴らはとっかえひっかえでとにかく寝ない。こんなにも時間を恨む事は後にも先にもないだろう。しかしこんな奴らに犯され続けられたらそりゃ民族毎恨むかもしれないと初めてヒュートレッドの心境を考えたりもした。あまり関係ない上につまらないから止めにして、とにかく目ぼしい人材だ。

 条件その一、ゴブリンである事。条件その二、冒険者になってもいいと言わせる事。条件その三、そいつが死んでも周りに出る影響の少ない人物であること。これ位は乗り越えなくてはいけないのだが、しかし見つからない。

 本当に日常系の主人公にでもなった気分だ。ラブコメかもしれんが、コメディ要素は往々に元ゴブリンだと言う事だ。

 女が寄ってきてもさばき方を知らないのはかなり痛いしもったいない。そんな事を思ってみても誰も助けてはくれない。皆火の粉が降りかかっても、平然としていても問題ないほど冷たい奴ばっかりだ。そんな時にもミカドはいいアドバイスを持ってくる。

 曰く、派手に遊べ。そうするだけ悪い奴に目を点けられるから。と、実に為になる教えをくれる。

 だから派手に遊んだ。結果、俺より悪そうな奴は大体この町を出ている事に気がついて消沈する。そんな時にヒュートレッドのバカは俺の家に押しかけて来やがった。

 家事なんかを率先してやるものだから、なかなかやるじゃねえか。と、関心したら、ゴミ虫でも見るような目で遠ざかる。だから、本当にラブコメって来るとは思わなかったぜ。と、言ってやった。押しかけ女房の様だぞ。と、忠告するするつもりだったが、エルダーナの顔だと満更でもない事に気付くのに少しかかった。

 だから口説いてしまったのだろう。いつもの様に流れるようにベッドインを決め込もうとした。

 したら奴さんその段になって突然鋭い眼光で睨みつけるや否や声を震わせながら、お前なんかと寝たら一生お嫁に行けなくなるわ。と、騒いだ。

 やっぱ賢者と剣聖のハイブリッドで出来たガキはどんなバケモンかねと言うのがイケなかったかもしれない。チャンスを棒に振るった様な、そうでもない様な、複雑だけど単純な感情がこみ上げる。これは安心感かも知れなかった。だから俺は、別にお前じゃなくても剣聖の女なんて他にもいる。と、在りもしない事で強がってしまった。もう終わった。

 だから、話を戻して実験台探しの戻ろうと決めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ