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ゴブリン、三度エルフの里へ。


 第三のルートを探すこと。

 それが今回の冒険のテーマになるのだが、エルダーナは知っていて黙しているのか、知らないのか良く分からない態度だし、ほかに当てなんてない。

 だから聞いた。

「エルダーナ、お前がこっちに来た時のルート、教えろよ。」フランクに聞いた。アグレッシブなセリフだと思う。自画自賛だ。が、エルダーナは言わなかった。

 黙ってこちらを一瞥してから、また何やら考え込む。

「いや、答えろよ。」

 しかし、その回答がまたしても途方もない事で一瞬何が何やら訳が分からない。

「俺は、実はこちらには来ていない。」

 説明よろしくな回答。

 根を詰めてよくよく聞いてみるとこういう事だ。

 アバターと呼ばれる人形に魂を固着しているだけで、エルフは基本的にエルフの里から出ることが無い。

 つまり、羊の皮をかぶった狼って事。規格外の強さの裏にはこのアバターとか言うシステムが関与しているって事だろう。具体的には痛みを消すとか、急所を攻撃されても魂が破壊されない限りはダメージにならないとか、そういうのだ。

 なんとも便利。

 つまりつまり、エルフの里へダイレクトメッセンジャーとして機能するって事じゃないか。

 あれ、冒険終了? ミカドに報告しなくっちゃ。

 しかしだ。そうは問屋が卸さない。

 アバターを解除するのにはエルフの里に行かなくてはいけないのだという。特定の場所でのみ解除が出来て、不特定の場所で魂の固着をする。そうやって冒険者たちがエルフの里に近づかない様にするのも強かな策だと言える。

 そして、エルダーナは一人ではエルフの里に行けない事情というのが、前回起こってしまったから藁にも縋る思いで遊撃隊に志願したのだという。

 ちなみに、その事情というのは、エルフの王を拘束した事。

 やっぱりまずいよな。エルフの王を逃がしちゃったのは痛いよ、ほんと。

 命あっての物種っていうけど、もっと強気に脅迫してたらもっといい物が手に入ったんじゃないかとも思う。空飛ぶ絨毯以上の何か良い物が、だ。

 更にエルダーナは言う。

「王を拘束した事で俺、本体の俺自身が危ないかもしれない。」

 アバターじゃない方の体って事だろう。

「ちなみにそっちが死んだらどうなる。」

「アバターから出られない。」

 大した問題じゃない。

「死ぬわけじゃねえんだろ。」

「分からない。」

「お前が思ってる問題は、実はたいした問題じゃないから。」

「そうなのか。」

「いいじゃねえか、強いままでいりゃ。」

 そして、エルダーナは黙る。

 ここで黙られると困るのだけど、無理やり話を再開するのも難しい。

 まああれだ、とりあえず人前で言いたくない手の話って事だろう。

「強いままで困る事がありますか。」とヒュートレッド。

 ナイスなファインプレーだ。

 そしてやはり答えないエルダーナ。

「繁殖できないのはきついわな。」とレッド。

 エルダーナは頬を赤らめ、ヒュートレッドは鬼の様な形相。いや、目だけだ。ただそこに目があるだけで、それ以上何もできなくなった。

「とにかく」と、堰を切ったのはヒュートレッドだった。「空飛ぶ絨毯で世界中を飛び回りましょう。」

 なんて素敵な言葉なんだろう。クソみたいな性格してるクセに。

「情報が無いのは先駆者の悩み、それは当然の事。」とエルダーナは同意する。

「いやいや、情報集めるならパブだろ。」とレッド。

 だが、話を聞かずにもう絨毯を用意している。

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