エルフが現れた。6
結論から言えばフリーゾロア・ワーガイアが持っているであろうと言う事。
この現状をどう打開するか、一行は揉めた。
一匹は、「もう遅い。」とフリーゾロアを今のまま捨て置こうという。
一人は、「何とかしなくては……。」とフリーゾロアを始末しようという。
そこでもう一方は、なんというのか問われる。
「優先順位を大事にしましょう。」と折衷案をひねり出した。
さらにもう一方。
「そもそも本物と偽物の区別など、無意味で、不可能だ。」とフリーゾロアの養護に動き出す。
それなので折衷案に乗る事で意識を統一させて言った。
「優先順位が上なのはどう考えてもエルフを打ち倒す事だ。」
エルダーナの打倒。優先順位の高いエルダーナの打倒には、それに対する力が必要で、それは魔法結晶ではなかったか。と、話は同道巡りになる所。
ヒュートレッドが口火を切った。
「魔法結晶ならば、今、こうして打ち倒しました。」
「偽物だろ。」とレッド。
「本物も偽物もその威力や特性に何ら変わるものでは無い。」とブルーブレス。
「では問ます。」とミカド。
第一問、地水火風それぞれの魔法結晶の持つ特性とその威力は如何程か。
「お答えしよう。大地は発生、創造。水は円環、輪廻。火は変化、反応。風は相乗、操作。その威力は無限大である。」
「正解です。」
「何がやりたい。」
「では第二問、魔法結晶を操る人によっての威力の上限は如何程か。」
「一等はエルフ、上限など無い。」
「不正解です。」とミカドは言う。
正解は、上限の確認など出来ない。である。
だからどうしたと呆れかえるブルーブレス。
「つけ入る隙があるならそこです。」とミカド。「上限が分からない状態での魔法結晶の操作には細心の注意が必要となる。ただでさえ魔力とやらを持て余している最も神に近い存在として魔法文明をけん引してきた人種が、魔法の結晶を使うというのは、そもそも高みを求めすぎているのです。」
「過ぎたるは及ばずが如し、ってか。俺なんかは過ぎてても及ばないよりずっとマシだと思うがね。」
「及ばない者はどうしたら過ぎたものに勝てましょう。」とミカド。
「奇策に搦め手、嘘に眉唾、罠に掛かった所を電撃に夜襲、火あぶりや落石。」
「つまり、まともにやり合わないと言う事ですね。」それでは話が進みません。と、ミカド。
「まともにやり合うから被害など考えなければならない。最初から仲間ならば脅威に思う事も無い。」
「手頃な大物の懐に潜っては鞍替え、ですか。」そもそも信用されてない相手に通じましょうか。
「玉砕在るのみ。」
「最早何も言いません。」
「いや玉砕も悪くねえ。今は多勢に無勢だ。いろんな奴がいろんな動きをすればどれかに掛かる。そこを仕留めちまえばいいのさ。」とレッド。
そうなると真っ先に保身を考えるのが人情だ。
つまり、まともに戦うのは、ヒュートレッド一人と言う事。暗黙の了解。
皆々は視線のみでそれを悟ると肯いた。




