事件。
ちょっと話の繋げ方が分からなかったので無理やり感があるかもしれません・・・
「ん・・・」
泊まり始めてから一週間が過ぎた。この間は四六時中勉強をしていた。今のうちに基本的なことだけでも覚えないといけない。そう思って本に集中していたら部屋から出なくなってしまった。
家主であるユネからも色々なことを教えてもらっている。色々とだ。
「んぁ・・・?朝ですか・・・?」
俺の寝ていた隣にユネがいるが気にしてはいけない。決してやましくはないのだ。奴は寝ている間にフラフラと何処かに行って、最後に俺のところに来るだけなのだ。俺は知らない。ユネは完全に遊病者だがその行動にはルーティンがあるようだ。
「朝みたいだn・・・」
「朝だぞー!!起きろーーー!!」
外からルーチェの大きな声が聞こえてくる。元気な奴だ。俺としては朝は10時からと決まっている。日の上がり方からすると今は7時って所か。こんな早くに起きたのは何時ぶりだろうか・・・
時間で思い出したが、この世界には時計はない。正確にはあるにはあるが、どでかい町の中心に佇んでる奴しかない。個人で持たないので、余り時間を気にしたりはしないのだろうか、と予想している。
他に気になるものは、服だ。ユネは現在ワンピースではなく、巫女服を着ている。袖が長く手が隠れているし、尻尾が動くと後ろが見えるのではないかと思うが本人が気にしていないならこっちも気にしない。巫女服がいつもの服らしい。ファンタジーといえば剣、盾や鎧だと思っていたのだが、外に出てもごつい装備をしている人はいない。むしろ、地球に近い服装の人が多い印象だ。
「ヤーマートー!遊ぼー!」
「うるせえ」
元気にやってきたルーチェを羽交い絞めにする。俺は朝は機嫌が悪いのだ。覚えておくんだな。
「今日はどうしますか?」
「どうしようかな・・・」
ユネに聞かれ考える。ここの所ずっと勉強だったからな、たまには外に出て息抜きしてもいいんじゃないか?実際に見て学ぶものもあるし、ルーチェと遊んでやるのも一興だ。
「とりあえず中心部にでもいってみるか」
町の中心部に出かけることにした。武器や道具があるとこれからのことを思うと必要だし、ギルドみたいなものに入ったり依頼を受けたりのお金稼ぎのための手段を探さなくてはいけない。何時までユネの家にお世話になってるんだって話だからな。
「しゅっぱーつ!!」
「おー!」
「何でお前らが仕切ってるんだ・・・」
お前ら何時の間に仲良くなったんだ・・・?
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「うわぁー!!すっごい賑やか!」
ルーチェが言うように、中心部は人だかりで溢れていた。まずは金策の手段を探さないとなんだが、ここまで人が多いと何処に行けばいいのか迷うな・・・
「うわあああああああ!!!」
悲鳴!?何が起きたんだ!?
声がした方を振り向くと、人ごみに紛れて唸り声が聞こえてくる。
「魔物だああああああああ!!」
「キャアアアアアアアアアアアア!!」
「逃げろおおおおおおおおおおお!!」
悲鳴の元凶がわかると同時に、町が混乱に陥る。
「俺達も逃げるぞ!」
俺は二人を誘導する。今は武器も無いし戦いの経験も知恵も無い。あの兎の時とは違って、今回は冷静だし、俺達が戦う意味はない。特に町の中なら、誰か強い人が倒しに来るだろう。
「ヤマト!あれを見て!」
ルーチェが焦ったような声で言う。見ると、逃げ遅れたであろう老人がいた。魔物は老人に近づき、今にも襲いかかろうとしている。
「だが俺達が行っても・・・」
「私達しか間に合わないよ!」
人が襲われている所に助けに行って逆に俺たちがやられたらどうするんだ。少しは戦えるなら考えるが、兎との戦いで分かっている。奴等は簡単に倒せるものではない。町の人の驚きようでも分かる。
「・・・やっぱり駄目だ!」
「もういい!私だけでも助けに行く!」
「あ、おい!」
ルーチェが勝手に老人のほうに行ってしまった。あいつは風の魔法が使えるから俺よりは戦えるだろう。魔物にだって勝てるかもしれない。だから俺は後ろにいるユネを安全な場所に避難させるべきだ。
だが、帰ってきてルーチェがやられていたらどうするんだ!?
あああああああもう!
「すまん!ユネは先に避難していてくれ!俺はルーチェのところに行く!」
「はい!お気をつけてください!」
俺の勝手な行動を許してくれた。ありがとう。
ユネが走っていく。それを安全な場所に行くまで見てから、俺はルーチェの元へ走る。
「一か八かだなあ・・・しょうがねえなあ!」
俺は気合をいれ、戦いのために精神を集中させていった。
トラブル:魔物来襲って所ですね・・・
次は武器ゼロ、知識ゼロでの戦闘になります。
文章にしてみると結構絶望的ですね・・・