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町。

コメディ9割感

「おぉ・・・」


森を抜けた先には町があった。ダフテムの町。亜人中心で交易が盛んな活気のある町という印象だ。


「それでは、食事にしましょうか。お腹、空いているでしょう?」


ユネが聞いてくる。確かに、今日一日は何も食べていない。しかし、既に命を助けてもらった上、宿代を前借しているこの状況でさらに飯を奢ってもらうなどあってはならない。恩を返せないしお金も返せない。俺達はいつお金をまともに稼げるか分からないし、そもそもこの世界のことを殆ど何も分かっていない。そんな状態でお金を借りると危険だ。お金の問題は重要なのだ。返せないと借金取りに追われて異世界どころじゃなくなるのだ。そんな夢のない話は地球あっちでも異世界こっちでも御免なわけで。というわけで、ここはありがたいがしっかりと断っておこう。


「流石に飯まで奢ってもらうわけには・・・」


断ろうと口を開いた瞬間、


「ぐるるるるる・・・」


隣から物凄い音が自己主張してきたのである。


「るーちぇ・・・さん?腸の調子が悪いとですか?」

「お腹空いた・・・」


そらそうですよね分かってましたよそれくらい!

仕方ねえなあ・・・


「申し訳ないです・・・食事、おねがいします・・・」

「・・・ふふ」

「何笑ってんですか・・・」

「口調や表情がコロコロ変わる忙しい人だな、と思って・・・」

「頼む立場なのにユネに雑な対応なんてできないですよ・・・」

「気にしないでいいのにって言っても無駄なんでしょうね」

「もうしばらく辛抱いただけるとありがたい・・・」

「分かりました。では店に行きましょうか」


ユネに連れられて店に入り、近くの椅子に座る。メニュー表だと思われるものを手にとって見てみる。

・・・


(読めねえええええええええええ!!)


薄々そんな気はしていたが、別世界の文字は読めなかった。じゃあなぜ話は通じるのか、というのは今はよく分かっていない。翻訳されてたりするのだろうか。


「・・・どうしよう」

「・・・ヤマトさん?」

「えっと・・・」

「もしかして・・・読めないですか?」

「・・・はい」


これはマズい。非常にマズい。この世界でのやるべきことの最重要項目かもしれない。文字が読めなくても雰囲気で何とかなることもあるが、何度でも文字を見る機会があるのに全く分からないじゃ困るだろう。何より、俺自身が覚えておきたいって思う。せっかく異世界に来たっていうのに分からないことばかりというのは悲しい。ゲームではないが、隅々まで楽しみたいというのがゲーム大好きとしての本音である。


「じゃあこっちでよさそうなのを選んでおきますね」

「はい・・・」

「ルーチェはこれー!」


ユネとルーチェがメニューを注文していく。注文を聞きにきた店員はメニューの確認をした後、ユネとこちらを一度見て去っていった。何か訝しげな目線だったのは気のせいだろうか。

と、思った後ふと周りを見ると、同じように食事に来ていたであろう客たちの視線がこっちに集まっていることに気づいた。その視線の意味はなんとなく分かった。まあ俺の今の格好はこの世界ではありえないような服装をしているから、そういう視線を向けられても仕方ないとは思う。さっきの人も俺の格好を見て不審に思ったのだろう。俺は、気にしないことにして、ちょうど来た料理に手を伸ばした。


「これ、おいしいですね!」


一口食べて正直な感想を言った。予想以上に美味かったのだ。なんとなく食べたことのあるような、そんな味がする。


「よかったです」


ユネも、頼んだ料理を食べる。その食べ方は気品があふれていて、思わずちょっと見惚れてしまったほどだ。ユネはどこかの貴族か何かの生まれなのだろうか。そういえばこの世界に身分制度はあるのか。これも勉強しないといけないな・・・


「おいしい!」


ルーチェもおいしそうに料理を食べている。しかし、がっつきすぎじゃないか?どんだけ空腹だったんだ・・・小さい身体にでかい料理がスルスル入っていくのを見るとちょっと恐怖を感じる。


そんなこんなで各々食事を進めていった。外の日は落ち、完全に夜になっていった。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





「食べた食べたー!」

「ごちそうさまでした」

「いえいえ」


食事が終わって、後は宿に行くだけになったわけだが。これからのことを考えないといけないな・・・とこれからのことを考えていると、ユネが俺を呼んできた。


「ヤマトさん」

「ん?なんだ?」

「今日の宿のことなんですが・・・」


まさか、宿代が払えなくなったとか?俺たちが飯を食いすぎてマネーを使いすぎてしまったとしたら・・・デンジャラスだ・・・野宿で魔物で丸呑みでエンドだ・・・


「私の家に泊まりませんか?」


・・・なんて言った?家に・・・泊まる?この美少女の?いやあまさかまさかナイナイ・・・


「・・・何か問題でもありましたか?いい案だと思ったのですが・・・」

「問題しかないような気がするんですが・・・」

「ユネの家!?行きたい!」


そりゃルーチェはいいだろうけどね・・・一つ屋根の下に男一人と女二人とか苦しいものがあると思うんだが・・・あ、そうだ聞かなきゃいけないことがあるじゃないか!


「親御さんに迷惑がかかるんじゃない?」

「家には私一人ですよ?」


駄目だ!これは聞いていない!じゃあ・・・こっちだ!


「泊まるメリットは!?」

「まず、宿代が無くなります。食事も私が作りますので気にしなくていいですし、ヤマトさんが文字を勉強したいなら、本を貸したり、教えてあげられます」


宿代無し+手料理つき+文字を教えてくれる・・・だと!?不味い、いいことしかない・・・逃げ場が無い・・・最後にこれを聞いておこう・・・


「お代は何になるのでしょうか・・・」

「そうですね・・・どこから来たのか教えていただけるとうれしいです。東から来たわけじゃないでしょう?後、私の知らない話を聞かせてください。それで満足です」


アカン、これこの世界の住人じゃ無いってバレとるやんけ・・・


「泊まっていってくれますか?」


うわあ、すっごい笑みだ。かわいいのに寒気がするぞぉ?


「おねがいします・・・」


なにかとんでもないものに捕まってしまった気がする・・・

というわけで、ユネの家にお世話になることに決まってしまった。普通なら役得なんだがなあ・・・

口調の安定しなさを主人公の特徴に変えていくポジティブさと無理やりプラスに変えていく立ち回り

どんどん文字数が増えていく・・・

勝手に伏線っぽいのが敷かれているようないないような

とりあえずがんばっていきます!

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