相棒。
説明パートの説明力のなさに絶望した!
自分でもちゃんと理解してから書きましょう・・・
修正の可能性しかないです。注意。
「とりあえず整理させてほしい」
「はい♪」
「ここはどこよ」
「ここは異世界、私たちの世界。その名もヴァイルセイン!」
「つまり俺は転移したってことか」
「そういうことになりますね~」
信じられないが、どうやら俺は異世界転移をしたらしい。
・・・しかし、なぜ俺はこの世界に呼ばれたのだろう?俺の知ってるところでは、アニメや小説では勇者として呼ばれるのがセオリーだと思うが。
「俺が呼ばれた理由はなんだ?」
「・・・さあ?」
妖精の目が明後日のほうに向く。
「おい!あっちでなんか広告出てたしお前もいただろ!それについては!?」
「こっちで儀式をすると向こうではあんな感じになるんですねー」
「・・・ということは?」
「てへ☆」
「呼んだのは貴様かああああああああああああああ!?」
この腐れ妖精・・・許されざるよ・・・ぶん殴りてえ・・・
しかし、仮にも女の子の姿をしているからな・・・羽は生えているが。殴るのはちょっとまずいな・・・
だがこの怒りは収まらない・・・なら”アレ”だな。
「・・・妖精さん?」
「はい!?凄い邪悪な笑みを浮かべてますが何でありましょうか!???」
「・・・ちょっとOHANASIしようか」
「え?あっ・・・ちょっとまっ・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「あっ!あ~~っ!くすぐったい!話します!話しますから~!あ~!」
伝説の技・・・KUSUGURI・・・これを使う時が来るとはな・・・
それで本当の話を聞いたところ、どうやら俺の魂はあっちを離れ、こっちに近づいていたらしい。その影響で、こっちにこの妖精が生まれ、状況を把握した後、
「主人がいないのなら呼べばいいじゃない!」
精神で儀式をして俺を呼んだらしい。
俺の魂があっちから離れていたのは、どうやら会社でのトラブルによって人間不信になってファンタジーのMMORPGばかりやっていたせいで、あっちの世界よりこういったファンタジーの世界のほうが興味関心を引くようになってしまったのが原因だろう。
だが、後半の話が理解できない。
「俺の魂とお前の関係は?主人とはなんだ?」
「まず、私達は主人の”可能性”なんです。主人の一部が目に見える形になったものなので、私達は主人から生まれます。簡単に言えば主人オンリーの召喚獣です。それで、主人というのが私達召喚獣の主のことですね。」
「”可能性”とは?」
「可能性とは、主人の様々な技術の素養、伸び代、のことです。そして召喚獣は、主人の素養を反映するため、召喚獣が炎を扱えば、主人は炎の魔法に素養があることになります。召喚獣が武具を使えば、主人は武具の扱いに長けている人物だということになります。ちなみに私は風を扱います。風の声を聞いたり、風に乗って空を飛んだり、自由な魔法ですね!」
「つまり、お前は俺の召喚獣で、俺は風の魔法に適正があることになるのか?」
「そうです。が、素養があっても勝手におぼえるなんて事はありません。ちゃんと鍛錬しないと素養があっても意味ないので注意してください。後、召喚獣が得意としていること”のみ”に適正があるとは限りません。他にもあるかもしれません。全ては主人の努力次第なので、頑張ってくださいね!」
ふむ・・・大体、この世界に呼ばれた理由と召喚獣システムについては分かった。とりあえず今はそれでいいだろう。
では本題だ。むしろここからが勝負といえる。俺は一番の疑問を投げかける。
「・・・元の世界に帰る方法はあるのか?」
「・・・」
妖精の目がまた明後日の方向に。いやな予感がする。
「おいどうなんだ」
「さーって!こんななにも無いところにいても仕方ないので、近くの町にでも行きましょうか!」
「おい」
「~~♪」
聞いちゃいねえ。圧倒的前途多難なわけだが。まあ飛んでこれるなら飛んでいくこともできるだろう。
今は難しく考えないようにしよう。
「あっ!そういえば一つ言い忘れてたことがありました!」
「なんだ?」
妖精が前をフラフラ~と飛んでいたのをやめてこっちに向き直る。
「これからよろしくお願いしますね!ヤマトさん♪」
不意に見せる笑顔。畜生。可愛いじゃねえか。
「ああ、よろしく―――あれ、そういえば・・・名前はなんなんだ?」
名前が呼べなきゃ不便だと思ったのだが、帰ってきたのは意外な返答。
「名前ですか?召喚獣ですので、名前はありませんよ?種族名は妖精ですけど」
「不便じゃないか?」
「そんなことはないですよ?私達は”モノ”ですから。武器と同じ、そういうものなんです」
「じゃあ名前を決めないとな」
「・・・今の話を聞きましたか?」
「聞いたさ。その上で言ってるんだ。俺はお前を”モノ”としては見ない。俺と共に歩む”相棒”として接したい。お前と共に笑って、怒って、泣いて、喜びたいんだ。だから・・・な?」
正直、目の前の少女にしか見えないものに対して道具と同じ扱いは俺にはできなかった。たとえ世界の常識として”そう”でもだ。俺は異世界人なのだから。
「・・・」
「駄目か・・・?」
「なら・・・なら、ヤマトさんが付けてください・・・」
何か下を向いてしまった。仕方ない、ちゃんとした名前をつけてやらないとな。
「・・・ルーチェ」
「るーちぇ?」
「そう、お前の名前は今日からルーチェだ。意味は灯り。さっき思ったんだ。お前は笑顔が眩しい明るい奴だなって。それでいて俺に異世界での生活という新たな道を示してくれた。だから、これからも俺が迷った時はお前が俺に道を照らしてほしい。それが相棒って奴だしな。」
我ながらなかなかいい名前だと思うが、どうだ・・・?
「・・・」
「嫌か・・・?」
「・・・ルーチェ、ルーチェ、ルーチェ。」
下を向いたまま、妖精は俺が与えた名前を言い聞かせるように呟く。
そして、スッと顔を上げる。
「・・・はい!私は今日からルーチェです!よろしくお願いします!ヤマト!」
そこには、息を忘れるほどの輝く笑顔があった。
「改めて、よろしくな、ルーチェ!」
俺と彼女の旅が今、始まる。
ここから旅が始まります。