変化 《へんげ》
月の光にまどわされ
行く道を誤ろうとしている私
だけど月の引力には逆らえない
ただただ引きずられるように
粘土のような地面を歩くだけ
あなたはどの曲がり角を曲がったんだろう
匂いすら残っていないのに後を追う
どうしたら近づけるの
背中を見ることも出来ない
ああ月よ足元を照らしてちょうだい
歩きやすいように
明日はきっと違う月
少しづつ明るくなってゆく
満月が待ち遠しい
満月の夜には変化することができるだろう
全身の毛が逆立ち
羽が生え空を舞う
まるでデヴィルのように
たとえデヴィルでも構わない
蝶になろうとは思わない
満月が待ち遠しい
飛べる日が待ち遠しい