表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元病弱少女転生記  作者: 如月瑠宮
物語が始まる前のお話
8/16

マスコット・キューピット【親愛なる乙女】

 私には大好きな物がある。それはネコのマスコットキャラクター、ライ&ミー。未来ランドというテーマパークのマスコットだ。あまりメジャーではないテーマパークのマスコットなだけに人気はあまり無いが、根強くファンを獲得している。私はその内の一人。

 初めて見た時に感じた感情は今も持ち続けている。そして、新たに周りに知って貰いたいと思うようになってきた。尤も、そんな事は消極的な自分には無理だと思う。

 そんな私はある塾に通っている。不思議な事にこの塾には少数だが、セレブが混じっていた。他の子とは明らかに違う上品な仕草に、シンプルながらに高価なのが分かる衣服。ただの成金とは一線を画す上質な人達だ。

 同じクラスに一人だけ、その上質な人が存在している。鳳院藤香。彼女はクラスでは少し浮いている。周囲とは違う雰囲気に、周囲が馴染めていない。

 更に、彼女の容姿は上に分類されるだろう。愛らしい顔立ちにふわふわな髪が揺れる。その髪からは甘い花の匂いがしそうである。嗅いだ事は無いけども。

 そういえば、先日から彼女が自販機を使っているのを目撃した。恐る恐ると買ったジュースを口にしている様子は何というか・・・どこぞのCMのチワワみたいだった。一口一口と飲んでいく内に美味しさからか頬を緩ませ、微笑むのも小動物みたいで可愛い。

 そんなある日の事だった。彼女の視線が私の持ち物に注がれたのは。

 キラキラとした瞳が私の鞄を捉えている。正確に言えば、鞄に付いているマスコットだ。私の大好きなキャラクターの。


 嗚呼、これは・・・チャンスである。

 私の愛するキャラクターを人に宣伝出来る。


 私は彼女に声を掛けた。そして、私は彼女の初めての友達になってしまった。その事に後悔は無い。無いのだが・・・何で、あんなに純朴なのか。

 私は彼女の何も知らないような無垢さに困惑し続ける事を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ