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恋を覚えました

作者: 吉成 けい

 僕は一目惚れなど信じていなかった、彼女に出逢うまでは。そもそも恋愛感情そのものがまやかしだと思っていた。でも、僕は彼女に出逢ってしまった。


「あの、一目惚れしました!僕と付き合ってください!」


 勿論全く相手にされなかった。そりゃそうだ。彼女からしても、僕は見知らぬ他人だからだ。でも、僕はあきらめがつかず、来る日来る日も彼女に自分の気持ちをぶつけ続けた。そして今、僕は彼女の部屋への合鍵を持つほどになった。




「ただいま」


 既に深夜を回っていたので近所迷惑にならぬようそっと玄関に入った。あぁ、彼女の香りがする。奥に目をやると既に部屋の電気は消されていた。もう寝ているのかな。彼女を起こすまいと忍び足で中へ入った。

 玄関にある電気の明かりだけでは部屋全体が暗くよく見えないが、目を凝らすと彼女はベッドで静かに眠っているのが確認できた。可愛い寝顔だな。一枚撮っておくか。僕は鞄からデジカメを取り出し写真を撮った。最近のデジカメはかなり優秀で、わずかな光だけでも綺麗に写真が撮れる。満足のいく写真が撮れたので、デジカメをしまい本棚の方へ足を進めた。彼女は沢山本を持っている。適当に一冊抜きだし鞄にしまって、先日借りたものを空いたスペースに戻した。


「また来るね」


 そう寝ている彼女に告げると僕は帰ることにした。

 玄関で扉を開ける時ふと思った、このマンションは防犯チェーンをつけるべきだなと。世の中物騒になってきているし、押し入り強盗とかにあってしまったら彼女が危険な目にあってしまう。

 外にでて鍵を閉めると僕は隣の部屋の前までいった。隣に引っ越してきたことは、まだ彼女には言っていない。部屋に入ると急いでパソコンのモニターをつけた。

 さて、今日の彼女は何していたのかな。僕は彼女の今日の行動を、モニター越しに確認した。

こういう人からの好意は、是非お断りしたいですね。

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