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 国王の娘たちのご生母様であられる王妃様が寛がれる私室に、その日は手紙が届いておりました。

 宛名はございませんでしたが、この部屋が国王と王妃の私室である以上、その手紙はそのお二人に向けてのものでございましょう。

 いぶかしみつつも最初にその封を開けたのは王妃の侍女でした。

 中の便箋には『エノヴィアへ』と書かれており、王妃様宛の手紙であることを確認した侍女は、内容に目を通すと慌てて王妃様にその手紙を読むように勧めます。

 生家で姉妹の様に育った侍女の、かつてないほどの取り乱しように驚いた王妃様でしたが、手紙の内容を読むにつれてそのお顔からは血の気が引いてしまわれました。

 倒れかかる王妃様を他の侍女たちが支え、最初に手紙を読んだ侍女はその手紙を手に国王陛下の元へと駆けてゆきます。

 何人もの兵や臣がそれを見咎めましたが留まることはありません。

 後少しというところで兵に止められた侍女でしたが、その手紙を見せると兵たちも急いで侍女を陛下の元へと送り届けました。

「何事だ」

 息も乱れた侍女の姿に怒りよりも驚きが勝った陛下は、周囲の者が叱責するよりも先に事の次第を問いかけられました。

 陛下もこの侍女が王妃様の生家から連れて来たたった一人の侍女であることを知っていたためでしたが、告げられた内容は王妃様の身に関することではありません。

「エノヴィア様宛に、ファ、ファキアからの手紙が・・・」

 寄越せと言うより先に侍女に手紙を差し出された陛下は周囲の目も声も気にせずその内容に目を通されました。

 その顔は王妃様と同じように血の気を失われ、やがて背後の執務机に手を付かねば立っていられない程憔悴されているご様子。

「ノワール殿をここへ・・・」

「は、はい」

 手紙の内容を知らずとも、大魔導師であるノワールに頼らねばならぬ事態であることは陛下のお顔を拝見すれば明白でございます。

 文官である臣はすぐさま部屋の外に立つ、ここまで侍女を連れて来た兵にノワールを呼ぶよう言いつけました。

「どうなされたのですか?」

 ただ事ではない空気を察知した大魔導師は、陛下に対する礼もそこそこに陛下の元へ駆け寄ります。

 そこへ差し出されたのは先ほどの手紙でした。

 何を言うでもなく、黙って差し出されたそれを受け取ったノワールも、黙ってそれに目を通します。

「ロザリー様のことでございましょうか」

 その声は震えておりました。

 周囲の文官たちも、常に感情を感じさせない大魔導師の動揺に驚いておりましたが、名前を出された妹姫様のことが心配でたまりません。

 何事かと尋ねたくとも出来ぬ空気がそこにありました。

「どうしたら・・・どうしたらよいのだ」

 血がにじむほどに唇をかみしめられた陛下を止める者は、ここにはおりませんでした。


もう少しまともに文章が書けたら良いのですが。

なかなかむつかしいです・・・

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