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 あるところにとてもとても美しい姉妹のお姫様がいらっしゃいました。

 賢く美しい姉姫様。

 可憐で快活な妹姫様。

 しかし、そのお二人以外にもこの国に姫が居ることはあまり知られておりません。

 そのお方は、ある意味ではとても有名でした。

 けれども、姫と呼ばれることのないそのお方は、やがて国民から別の名で呼ばれることとなります。


『黒薔薇の魔女』


 魔女と呼ばれるこの国の大魔導師は、城から離れた巨大な塔で暮らしています。

 緑の蔓が巻き付いた彼の塔の名は『薔薇の塔』。

 それは、かつてその塔に住んでいた魔女が、城でローズと名乗ることに由来していました。

 現在その塔で暮らしているのは、その魔女とは何の関わりもない国の大魔導師です。

 彼女の名はノワール。

 魔導師は家を捨てるので、彼女はただのノワールでした。

 大魔導師の称号をいただいて城でお勤めをする彼女ですが、城から塔までは馬で4時間、鳥でも30分はかかる距離です。

 そんな彼女の元へ届け物を頼まれた兵士が単騎、わざわざ城から4時間の道のりを駆けて来ました。

「ノワール様、お届け物がございます。開けてくださいませ」

 休暇を取ったノワールですが、彼女は基本的に城以外の場所へ出かけることはありません。

 一人になりたくなった時に休暇をとり、家で休んでいるのです。

 皆はそれを知っているので、責任ある立場の大魔導師でも簡単に休暇を取ることができていました。

「ノワール様、どうかなさいましたか」

 彼にとって、目の前の扉をなかなか開けてもらえないのはいつものことです。

 ノワールのために往復8時間の移動を苦も無くやってのける彼は、哀れなことにノワールのことが大好きでした。

 しかし、帰りの道もございます。

 長居は出来ぬので、焦った彼は鍵のついていない扉を勝手に引いてしまいました。

「・・・」

 扉を開くとその先は、なんと扉でした。

 そこには張り紙が貼ってあります。


『 お客様へ


 大変申し訳ございませんが大魔導師ノワールは、ただいま城へ出かけております。

 明後日まで戻りませんので、御用の方は後日もう一度ご来訪頂くか、城の魔導研究室までお訪ねください。


                                               ノワール 』


 行き違いとなった兵士は見ていられない程悲嘆に暮れていました。

 ノワールに会えなかった上に、彼はこれから4時間かけて城まで戻らなければならないのですから当然でしょう。

 扉を閉めた彼は、ノワールに届けるはずだった荷物を改めて馬に括り付け、颯爽とはとても言えぬ様子で去って行きました。


その頃ノワールは・・・


今更なんですが、この回ほとんどいらなかった気がしてならないのです・・・

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