昼休み、図書室にて
ジ、ジ、ジリリリリ
ガチャン
携帯を見る
9月8日
6時30分
メール1件
「なんだろ、朝早くに」
「祐樹〜朝ごはんで来てるわよ〜」
「はぁーい」
朝ごはんを食べながらメールを確認する。
幼馴染の雨宮莉子からのメールだった。
『今日、昼休み図書室来れる?』
『いいけど、、、どうしたの急に?』
莉子は校内でもトップクラスに可愛いので、いくら幼なじみとは言えど、一緒にいると周りの男子が獲物を狙う鷹のような視線で見てくるのであまり学校では関わらないようにしている。
すぐに返って来た。
『それはその時。でも告白じゃないよ、勘違いしないでねw』
告白じゃないのにそんなに秘密にする必要があるのかと少しがっかりしながら身支度をする。
この街は郊外にあるのでろくに電車もバスも走っていない。
「こんな遠いのに徒歩かチャリって、学校近いのに疲れちまうよおぉ」
そんな独り言をつぶやく
ウーーー
救急車が通る
「救急車の人も遠くから要請が来たり大変だろうな〜」
そんなことを考えてるうちに学校についた。
建校60年を誇るボロボロの学校だ。
「おはよう祐樹くん」
そう声をかけてきたのは大樹先輩だ。運動神経がよく、だれにでも優しい性格のため後輩からとても慕われている。唯一欠点があるとすれば優しすぎるあまり後輩からも先輩扱いされていないことだろうか。
。。。これって欠点なのだろうか?
「おはようございます大樹先輩」
「そういえば君が撮っていた夏祭りの写真。あれすごいな!!」
「ああ、花火のやつですか。親が元映画監督なもんで撮影とかはちっちゃい頃から教わって多少は、、、」
「ああゆうの撮ってみたいなあ」
「よければ今度、、、」
「本当か!ありがたい」
いやまだ何も言っないのに、、まあいいけど
「じゃあ私は筋トレの、、」
「いえ、大丈夫です」
運動は苦手なんだ。許してくれ先輩
「じゃあ今度予定があえば一緒に筋、写真を撮ろう。」
「じゃ、決まったら連絡するからよろしく〜」
あ、もう一限目だ
「体育じゃん、、、」
「よっしゃー終わったー」
「腹減ったー」
昼休みに入った
「祐樹〜一緒に昼メシ食べ行こ〜」
クラスの男子に声をかけられる
「ごめん用事あるからいけんわ」
「ええ〜」
「もしや女子、女子か?」
「あいつにそんな、、いや待てそういや雨宮さんと幼なじみだったような、、、?」
「あいつ、、、ゆるさん」
「ち、ちがうよな、なあ、そうと言ってくれーーー」
「そうだけどそうじゃねーよ!!」
ガラガラ
ドアを開ける
「失礼しまーす」
誰もいない
どうやら早く来すぎてしまったようだ。
「それにしても腹が減った。」
こっそりパンを取り出す。
「あ、そういえば今日あの映画の公開日じゃん。どこでやってんだろ」
携帯を取り出す
ロック画面を見る
9月8日
12時40分
着信2件:7時47分 非通知
メール1件:8時 雨宮莉子
「なんだろ、登校中にかかってきてる。考え事して気づかなかったのかな」
「まずはメール確認」
メールを開く
「え、、、」
パンを食べる手が止まった
「急がなきゃ」
ガラガラ
ドアを開ける音がする
「おい、図書室で飯食うな!」
先生が言う
「先生、急用なので早退します。」
ダッシュで先生の横を駆け抜ける。
「早退なら職員室に、、、」
そんな先生の言葉を無視し、駐輪場の自転車で漕ぎ出す。
「おい、、、大丈夫なのか、、、?」
目の前には病室で横たわる雨宮がいた。