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3~9歳くらいの記憶って妙に残ってたりするよね(前半)

「帰る」と飛び出したはいいものの、帰ってもどの道奏士と顔を合わせることに気付いて何となく帰る気になれず、フラフラと校内を徘徊している不審者、もとい紅葉の影。


「…………」


気が付けば影も伸び、日も落ちて西日が眩しい時間帯。 ありとあらゆる影が成長期だ。


そんな影と同様、成長期真っ只中な紅葉はあっちへこっちへ目的もなくフラフラフラフラ。 時折図書館で涼んだり気まぐれで倉庫の掃除をしてみたりするが、やはりと言うべきか一向に頭に浮かぶ奏士の顔が薄れる気配が無い。


不完全燃焼で終わって流されて、日を跨いだら気まずくて。 距離ができてムカついて意地張って。 結果謝れなくて寂しくて。 初めての喧嘩に戸惑って仲直りのできないお互い様な似た者同士。 紅葉の事を何だかんだ言うが、奏士も奏士で子どもである。 年齢はともかく。


寂しがり屋で甘えん坊の一面が開放された今、紅葉の中では

『さっさと謝っていっぱい撫でてぎゅ〜してもらえ勢』と

『気まずいからほとぼりが冷めるまで我慢しよう勢』

が天下分け目のMOVIE大戦を繰り広げている。 劇場版だからお互いに予算の手加減無しだ。


今は本体の意志がどっちつかず故に鍔迫り合いだが、ほんの1歩。 1歩踏み出すだけで大き「わぷっ」 おい地の文がまだ喋ってる途中でしょうが。


ちょっと奏士にメッセでも送ってみようかと鞄からスマホを取り出した所で、意識が向いていなかったせいで人に気付かず紅葉は曲がり角でぶつかって尻もちをつく。 受け身も何もしてないので、ダイレクトに衝撃が来ておしりがヒリヒリ。


「お? スマン誰か当たったか?」


改めて意識を向けると、目の前には喋るダンボールタワーが。 紅葉は一瞬宇宙猫になった。


が、よく見ると足と白衣が見える。 声からして喋るダンボールタワーの正体はも助、もとい霜月先生だ。


「悪いな。 これ視界不良もいい所でな。 怪我とかしてないか?」


「……大丈夫です」


「その声は花伝か? じゃあ大丈夫か。 奏士くらい頑丈だし」


「ちょいちょい無礼だな」とは思いつつも、この1年でだいぶ慣れた紅葉は華麗なスルー。 多分、も助程度考えるスペースが無いのだろう。


「まぁ無事なら無事でいいんだけどよ。 奏士知らね?」


「……知りません」


「マジか。 え〜あいつメッセ送っても反応ねぇし何やってんだ?」


ダンボールを床に置き、スマホを見ながらも助が頭をポリポリかいて唸る。 大方、面倒事でも押し付けようって魂胆だろう。 主にダンボール持ってもらうとか。


「あ、そうそう。 奏士で思い出したけど、お前ら喧嘩したんだって?」


「……してません」


とことん無礼な教師にピキりそうになりながら、紅葉は冷静に答える。 冷静だと思ってるのは本人だけなので、周りから見れば不機嫌丸出しだ。


「うんうん。 喧嘩するとは仲良きかな。 奏士が誰かと喧嘩するようになって兄貴分としては嬉しい限りだ」


喧嘩じゃないと言っておるのに喧嘩してると決めつけて話を進める教師に紅葉のピキりも限界に近かった。 ただでさえ今の紅葉は奏士に関しての話題に敏感なのに。


「どっちが悪いとかはこの際言わねぇけどよ。 仲直りするなら早めの方がいいぜ? 喉の痛みと仲直りは早めの対処が大事ってな」


教師らしく諭す感じでも無く、年上として忠告する訳でもない。 いつも通りそれっぽいことをそれっぽい顔で言うも助だが、今の紅葉には色々と刺さるものがあった。 特に仲直り。


それと同時に、「この人の喉の痛みはほぼ酒焼けなんだろうな」という感想が紅葉の中で浮上していた。


「……先生は奏士と喧嘩した経験が?」


ピンと来た紅葉が試しに聞いてみる。 もしかしたら、奏士と付き合いの長く、同性であるこの教師なら参考になるものがあるかもしれない、と。


「俺? 俺は────特にねぇな」


「……」


目論見が外れて紅葉はガックシ。 それが無いなら用はないとばかりに紅葉は急激に興味を失っていた。


「これでも付き合いは長いからな。 それなりに腹の内は知ってるつもりだし、喧嘩するほど引っ張った覚えもねぇ」


「ま、言い合った回数は数え切れねぇけど」とも助は楽しそうに笑いながら言う。 大人の──教師の顔ではなく、弟を自慢する兄のような顔で。


「つっても、俺はこれでも相当なダメ人間だからなぁ……奏士も奏士で面倒事は避けるタイプだし、アイツが飲み込んで喧嘩にならない所もあるんだろ」


「……ダメ人間である自覚はあったことに驚き」


「俺のどこを見れば立派な大人に見える? これでも、少し前までは酒とタバコとギャンブルに金を注ぐカス野郎だぞ」


まるで今は違うみたいな言い方をしてることにも紅葉は驚いた。 今はとことん管理されているからマシに見えるだけで、根本的には大差無いだろう、と。


「それに比べりゃ奏士アイツは立派だよ。 俺らが居なくても、1人で生きていける。 猫付きだけどな」


「…………」


も助のどこか含みのある言い方に、紅葉ボスは訝しんだ。 あれ今変なルビなかった?

はいどーも皆さんこんにちは

久しぶりの休日を満喫している作者です。 満喫しすぎて小説のことをすっかり忘れていたのは知的生命体には内緒です。


小説の事を夜9時まで忘れていた結果、本来各範囲の半分も書けなかったのも知的生命体には内緒です。 つまりこれを知った君は知的生命体ではないということです。 おめでとうございます。 これで貴方も今日から何かしらです。


ではこの辺で

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