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人が人であるために

「答え合わせ? なんだ奏士、も助に採点でも押し付けられたか?」


悠ちゃんの問に、俺は懐から〇✕ボタンを取り出して答える。 答えは勿論不正解。 ちなみにこのボタンはドンキで1000円でした。 まぁ売ってそうではあるよね。


「口で言え口で。 なんでも省略するな現代っ子」


俺現代っ子ってほど若いか? いやまぁ年齢的には若いんだけど現代っ子と言われるとそれほどキャピキャピしてないし……最近流行りのアプリとか映える写真の撮り方とか知らないし。 基準がJKすぎる。


「前々から聞こうとは思ってたんだけどな。 横槍入れられたりはぐらかされたりでなんだかんだ聞くに聞けなかったが…………さて理事長さんよ」


「なんだ?」


「俺の学園生活、上手く行き過ぎじゃあねぇか?」


────────────────────────────


暑い屋上を冷ますかの様なそよ風が吹き抜ける。 ステップでも刻みたくなるくらい心地良いそよ風だ。


しかしそれも一瞬。 風が止んだ途端、再び熱波が身を襲って汗が止まらない。 代謝悪い俺でも暑い時は汗くらい出る。


日陰だってのにこの暑さ。 日陰なら過剰な熱も遮断して欲しい。 日陰くんは自らの役目を全うしてください。 さっきまで「キンキンに冷えてやがる」ジュースが温いじゃねぇか。 温い炭酸なんぞただ飲みにくいだけの液体だぞ。


「何を言い出すかと思えば…………なーにが『上手く行き過ぎてる』だ。 何もかも失敗だらけだろうが」


仮にも血縁とは思えない辛口コメント。 もっとファミ通クロスレビューのメジャー作品くらいダダ甘がほしい。 それはもうグラブジャムンの如く。


「まぁ聞け。 確かに、以前までは学園生活所か人生全て失敗続きだったが…………去年だ。去年からどうもおかしい」


「何がおかしい? お前の感受性か? それとも人間性か?」


「それはもう一周回って正常だから安心しろ」


「なんだお前もしかして逆立ちして世界を見てるのか?」


あれ今遠回しに煽られた? まぁ自覚してるから別にいいけど。 奏士君は俯瞰で見れるタイプの生命体だから。 だから自分を人間として見ていいのか甚だ疑問である。 精神構造とか思考回路がマトモじゃなさすぎる。


「始まりはあの日、あんたに連行されて生徒会に加入した日。 例えるなら第1話だ」


今でも鮮明に思い出す。 いつも通り多忙な従姉のために昼飯をパシられてやり、流れで尊厳を傷付けられ、唐突に生徒会に入れられたと思ったら紅葉と再開したあの日。 これどこかしらに流せば問題騒ぎになるんじゃね?


「俺の社会復帰だのなんだの言いながら無理やり人手不足ですらない生徒会に加入させやがってよぉ……今はあの時何がなんでも断っておけばと後悔しまくりだ」


「なーにを言う。 私のあの名采配のおかげでお前は今、こうして人として健全な学園生活を謳歌しているんだろうが」


厚かましいにも程がある。 俺1度も頼んでないのに。 やはり面の皮が厚いのは柳家共通か……


「それから一気に狂い出した。 ただ生徒会の仕事をしているだけだったはずが、気が付けば紅葉が家に引っ越して来、好きだのなんだの戯言を申すベルと、それの付き添いで莇までやってきた。 泉ちゃんが知らないうちに入学してたかと思えば、いつの間にか友達ができてて俺にも年下の先輩と後輩が出来、生徒会を通じて気が付けば恋するギャルと学園のイケメンとまで知り合い、今じゃ俺は噂の副会長だ。 終いには逃げられないところまで追い詰められてる。 全部あんたの口車に強制乗車させられた結果だ」


全部は言い過ぎた。 3割くらい俺の意志薄弱が理由。 柳家は身内に甘いから仕方ないとも言える。


「それの何が問題ある? 一人ぼっちの学園生活だったのが沢山の友達ができ、後輩ができ、先輩ができ……お前を慕う人までできた。 良い人生じゃないか」


「それだよ。 俺が言ってるのは」


悠ちゃんは知らん顔をしてとぼけているが、今回はそうもいかない。 マジで俺の人生がかかっているんだ。 逃すわけにはいかない。


「あまりにも都合が良すぎる・・・・・・・。 この1年で何もかも変わりすぎだ」


学園とは人が集まる場所。 その分、数多くの人と出会い、変化がある。 多少は人生や価値観が変わっても何も不思議は無い。


だが、今回はそれを逸脱している。 一気に何もかも違いすぎだ。


「俺は俺がどんな奴なのか自覚している」


胸を張って言える。 俺という人間は確実に人を選ぶ。 俺とありとあらゆる意味で付き合える人間なんぞ、片手で数えても余る程度だ。 悠ちゃんら3人がその枠。


言ってしまえば『適合』だ。 俺はポイズンポテトみたいなもん。


俺は無理して人と付き合おうとは思わない。 無理してまで付き合ってもらおうとは思わない。


故に適合。 自然体で合致する人。 俺という不自然の極まりとも言うべき歪みに当てはまる人なんて存在しない。


だからこそ、この学園生活は異常だ。 その適合者とも言うべき人が多すぎる。 俺が化け物なら化け物の巣窟かこの学園は。


「単刀直入に聞くぞ。 全部お前の差し金だな?」


整理すれば、名持ちの奴ら────紅葉らはどれもこれも、この悠ちゃんが関わっている。 こいつが差し向けたとしか思えないくらいには関わっている割合が大きすぎる。


中には悠ちゃん未介入の奴も居るが、それだって生徒会を通しての関わりだ。 突き詰めれば、俺が生徒会に入る原因、悠ちゃんがいなければ無関係だったと言える。 暴論だろうがなんだろうが、理詰めとは暴論をいかに通すかだ。


「ああ否定はするなよ? 紅葉・ベル・莇・泉ちゃん。 主要キャラ全員にあんたが関わってる時点で確実だ。 肯定以外に道は無い」


というより、ここで否定されると俺がかっこ悪いというかなんというか。 ここまでの話全部無駄になるというかもうやる気なくすというか。 なのでお願いします素直になってください俺はもう割とダルいんです。 私語が多すぎる。


「ん? ああなんだそこまでわかってるのか。 そのとーり! 全ては私の計算だ」


思ってたより胸張って認められたから拍子抜けしちゃった。 胸無いくせに張るんじゃねぇよ。


「ああついでにバラすとも助と瑠姫さんも関わっているぞ」


「あぁそれついでに感覚でバラしていいやつなんだ」


まぁ分かってたけど。 何だこのお互い既知の情報公開。


「折角だ。 目的くらい一応聞いておこうか」


計画を人に話す時は目的まで聞いてあげるのがマナーだからね。 だから35分前に起動されるんだけど。


俺は35分前どころか一年以上前に実行されて後戻り出来なくなりました。 殺してやるぞ天の助。 こればかりは天の助何もしてないだろ。


「何、ただ弟思いのお姉ちゃんが大事な弟の幸せを願っただけだ」


そんな満足気に言われても……俺そもそも弟じゃねぇし。 あんたといいお猿さんと言い人妻と言い、自称姉が多すぎる。 バグか? そのうちオルタとか出てくるんじゃないか?


「お前がどん底に居たあの頃、私らは何もしてやれなかったからなぁ……『ならせめて』と思っていたら、丁度入学者リストに花伝の名を見つけてな。 もしかしてと思って過去を探ったら案の定だ」


「なるほどな」


やはり、悠ちゃん側の思惑はそこか。


なぜ悠ちゃんが俺の半ニート生活に何も言わなくなったのか。 なぜ突然入学させられたのか不鮮明だったが、紅葉と入学タイミングを合わせたってことか。 同級生なら最低3年は共に生活するからな。


1年生の時に無理矢理生徒会に入れなかったのは、急ぎすぎると俺に勘づかれるから、か。 そのお陰で、俺はその意図に気付くのが遅れた訳だ。 計画様々だな。


「大変だったんだぞ? 誰にも勘づかれないよう手を回し、ベルフローラと泉を呼び寄せ、お前を人と関わらせるためにクラス編成にまで口を出して。 いやーほんと疲れた疲れた。 肩でも揉んでほしいくらいだ」


わざとらしく自分の肩に手を置いて回している。 そんな言うなら我が家のマッサージチェア使えば? あれ結構楽よ。


「だがまぁ結果は上々。 人と同じ屋根の下で生活しても大きな問題を起こすことも無し。 学園では立派に生徒会副会長を務め、仲のいい友達もできた。 果ては立派に異性で悩んでいる。 万々歳だ」


「こいつほんま」


マジでいい笑顔で言いやがってよォ……大往生でもするのかってくらい何も言い残すこと無さそうじゃん。 マジでご臨終させてやろうがこのロリ。


「そうだなぁ……後はお前が私に従甥姪を見せてくれれば心残り無しだ。 てな訳で頑張れ奏士」


「それはなんの意味で? これからのこと? それとも夜の話?」


「どっちもだ。 あ、学生結婚してもいいが、種付けは卒業まで待てよ? 卒業式で代表が腹膨れてるなんて前代未聞だからな」


その従姉にデリカシーとかそういう言葉無いんだろうか。 無いんだろうな柳家だもんな。


「てかどっちにしろ無理だぞ。 俺これから振るつもりだし」


「何っ! それは許さんぞ奏士! 私の計画総崩れじゃないか!」


「いや知らんわ。 俺の人生は俺のもんだ。 俺はこれからも重政と生きていく」


「貴様猫と添い遂げようとしやがって……この捻くれ者が! 力づくでも素直にさせてやる!」


「屋上で暴れんな!」


突如飛びかかってきたロリこと従姉。 俺はどの道ボコボコにされるらしい。


「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


「さぁ吐け! 私の海老反りからは逃れられんぞ!」


「腰の痛みより床の熱さの方が来る」


「あ、私の攻撃聞いてない感じか?」


「そりゃ根本的に差があるんだからそうだろ。 はい今度はこっちの番」


「ぐぁぁぁぁぁぁっ!!! 床が熱いぃぃぃっ!!」


今更だけど俺ら真夏の屋上で何してんの? さっきまで真面目感あったじゃん。 もうバテたのか作者。

はいどーもみなさんこんにちは

今年のクリスマスプレゼントはSeriaで買ったレザー調のカードケースとオーバースリーブ×2だった作者です。 勿論、自分で買って自分で包装して自分で枕元に起きました。


皆さんXmasは楽しみましたか? 恋人と楽しんだ人は是非、顔と名前を晒した後に先程拾った黒いノートに署名してください。 40秒後に鼓動が止まるデスの音が聞こえますから。


ではみなさん今年はこれにて。来年も良いお年を


来年は1/9が初更新予定日です。 年末に人が辞めると年始がより忙しくなりますね。 ハハッ!


……3人辞めてしまったんですが、何故か人が辞める度に原因が私にあるのか探ってしまいます。 そこまで関わり無かった人なので違うと思いたい作者でした。

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