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ベルの会社はいい加減国から怒られて欲しい

紅葉に1日彼氏役フリーパスを言い渡されてどうなるもんかと思っていたが、いざやって見ると心配していた程の事は起きなかった。


「……海の匂いがする」


「海が近いからな」


砂丘エリアを歩きなら他愛もない話をする。 紅葉にしては随分と大人しい。 逆に怖いが、比較的落ち着いて遊園地を回れるのだからまだ良しとしよう。


「……今年も海水浴に行くの?」


「絶対行きたくない」


「……『泉も来る』って言ったら?」


「…………」


「……『泉が水着を新調した』って言ったら?」


「……………………」


「……『泉が奏士のために新調した水着で来る』って言ったら?」


「辞めろ悪魔。 俺に誘惑を囁くんじゃねぇ」


どうにか魔の誘いを振り切る。 危ねぇ危ねぇ。 普段の俺なら誘惑に負けてたかもしれない。


だがしかし、今の俺はのっぴきならない事情によりそれどころじゃない。 未定の誘惑には屈しないというか屈する余裕が無い。


「…………嫌?」


「行きたいなら自分達で行け。 あまり老人を酷使させるな」


「……まだ若いくせに」


数値的にはそうでも、若人と大人の差は果てしないんだ。 人間のピークは24って聞くけど、ぶっちゃけ20過ぎたあたりから急激に衰えてく。


だからあれだぜ? 24歳がピークって言ってる奴は大学生を基準にしてる。 大人でも学生なら学生体力を引き継げるもの。 そのスキルが少しだけ羨ましい。


「…………もし」


「あん?」


「……もし私が奏士のために新調したって言ったら?」


「その程度で行く訳ねぇだろ自惚れんな」


お前程度でこの俺の重力100倍の激重腰が上がる訳ない。 泉ちゃんを連れてこい! 話はそれからだ!


「……(ムッスー)」


紅葉ちゃん不機嫌。 よしよし計画通り。


「……じゃあ重政が水着を新調したら?」


「落ち着け。 意味わかんねぇ事言ってるぞ」


重政が水着新調したらそれ買ってるのも選んでるのも俺なのよ。 つーか重政水着着ないし。 あいつ風呂は好きだけど水は好まないぞ。


「……そんなに言うなら嫌でも連れ出す」


「連れ出してもいいけどそれ以降の飯がしらす1匹になることを覚悟しておけ」


「……白米とお醤油と大根おろしがあると嬉しい」


「アレンジする余裕はあるのか」


本当に会話に中身が無さすぎる。 お前の頭の中かよ。 誰の頭がマラカスだって? 内容量マラカス以下だろ。コラコラ脳内会議で喧嘩しないの。


「……いい風」


「暑いから余計にな」


季節はそうだが、時間帯的にもこれから暑くなる頃合だ。 ほんのり潮の香りがする風は熱くなった身体を心地よく包んで涼しく感じさせる。


「……海水浴はまだ早い?」


「まだちょっと早いだろ」


開放は早くても夏休み入ってからくらいだった気がする。 2週間近くある。


「……またみんなで行きたい」


「いてら」


「……奏士も一緒」


「執拗いのぉ。 行かんと言うとろうに」


執拗い小娘だねぇ。 水着なんてどこしまったか忘れたよ! 胸張って言うことでは無い。 いやマジで行方不明だけど。 奏士君覚えようとしないと一切記憶に残らないんだ。 片隅にも残らない。


「……嫌?」


「嫌」


「……どうしても?」


「行くんだったらVRで行く」


「……現代っ子」


より現代っ子が何を言う。 俺の感覚は40~50代の方が近いぞ。 ネタが古いとも言う。 ガラケー世代だもの。 言うてガラケーも2、30年前だから新しい方ってね。


「……じゃあ二人で行く?」


「皆で行かないのなら二人で行く訳無かろう」


「……強情」


そんなに水着見せたいなら家で見せなさい。 どうせ日中は部屋に入り浸ってるでしょ。


「…………」


紅葉は業を弱火でコトコト煮やしたのか、手の握り方を変えた。 恋人繋ぎは利便性悪くないか?


「……奏士が首を盾に降るまで離さない」


「マジか。 俺自切しても再生しないんだよな」


生憎と再生に特化した万能細胞は持ってなくてね。 もしくは少食すぎて気付いてない可能性がある。


「……(ムッスー)」


紅葉が絡めた指を全力で食い込ませてきた。 俺の手を破壊する気だな? 命乞いするから許して欲しい。


「……次行く」


ご機嫌ななめなまま、紅葉は引っ張りながら歩みを進める。 これこれ再生しないと言ったそばからもぎ取ろうとするんじゃないよ。 俺再生の種の作り方知らないんだから。


────────────────────────────


「……ネモフィラが無い」


「今の時期はコキア植えてるからな。 1面緑だ」


「……これはこれで綺麗」


「気が付くと紅葉してるから見納めだぞ」


「…………ここで『お前の方が綺麗』とか言えない所に奏士が童貞たる所以が出てる」


「お前の血で紅いコキア見せてやろうか」


「……そんなことよりベル鳴らしたい」


「なんだコイツ」


──────────────────────────────


「……ここら辺は涼しい」


「樹林エリアだからな。 木の分木陰も多い」


「……ちょっと落ち着く」


「マイナスイオンとフィトンチッドによるリラックス効果だな」


「……フィトンチッド?」


「お、なんだ聞きたいか?」


「……後で奏士の棚からト○コ借りるからいい」


「知ってんじゃねぇか恥ずかしい」


──────────────────────────────


「……噴水」


「下は見ない方がいいぞ」


「……水が死んでる」


「これだけの水使うとなると水道代高そうだな」


「……遊園地で夢のない話」


「大人になると素直に楽しむのが難しくなるんだ。 特撮見てるとストーリーよりも美術とかスタントの動きに目がいくようになるし、遊園地に行くと一日の光熱費が気になるようになる。 純粋に楽しめる時に楽しんでおけ」


「……長々と戯言を聞かされた」


「なぬ」


「……奏士の童心が行方不明」


「汚れ過ぎて無邪気な心とか皆無に等しいからな。摘んで持つのも一苦労な末期消しゴムくらい擦れきってて無いぞ」


「……捨てて新しいの入れた方が早そう」


「心入れ替えるのって童心にも適用されんの?」


「……1回童心を握り潰して再生させれば戻ると思う」


「それは筋肉の超回復と同じ原理で言ってる? それとも細胞の悪魔的観点で言ってる?」


「……今日の奏士はト○コの話ばかりしてる」


それは作者が「ネタに迷ったら脳死でト○コ!」って方針取ってるからね。 マジで脳みそとか心臓とか機能してないんとちゃう?


こんな人に聞かれたら色んな意味で終わる会話をしている間も目の前の噴水は勢いよく水を噴き出す。 水飛沫が涼しい。 でもあまり浴びると紅葉の服が透けそうで怖い。 紅葉ちゃんの脳内辞書に「インナーを着る」という文字は無いらしくて……


「……潮吹きみたい」


「それ俺に同意求めてる?」


噴水を見て言われても知らねぇよ実際のアレコレは。 奏士くんまだじつぶつみたことないでちゅ〜 ソープは怖いから行きたくない。


「……ベルはもうちょっと勢いあるって聞いた」


「だから何だよ」


誰も聞いてない事を聞かされた俺はどうしろと? てか君たちそんな話するのね。 いやベルが特殊なだけかもしれないけど。


次の瞬間、大きな噴水口から大量の水が物凄い勢いで出た。 これは流石に涼しいとか言ってる場合じゃねぇな。 下手すりゃびしょ濡れになりそう。


「……私はこんなに激しくない」


「聞いてませんけど」


「……証拠がある」


「いや見せなくていいってか動画撮ってんの?」


それもしかして裏垢とかに流すやつ? ネット流出は怖いぞ〜


「……そういうシーンを描く時の参考資料になる」


「あっ、さいですか」


よく良く考えればちょっと言ってることおかしい気がするけど、紅葉が言えば妙な説得力というか脳死で納得できる。


「……あと客観的に見るとどんな感じなのか興味があった」


「思春期を謳歌してるようで」


健全(?)な思春期の維持の観点から見ればネットに上げなきゃセーフと考えるべきか、保存してる時点でだいぶアウトと考えるべきか。 色んな意味でデリケートな話題だから難しい。


「……欲しい?」


「児ポになりそうだからやめとく」


奏士くん怖いよそういうの。 同業者がどれだけ児ポ所持で逮捕されてると思ってんの。 一瞬で消えるんだからなこの業界。


「……子供扱いしないで」


「怒るとこそこ?」


君の場合、見た目と言動で大人扱いできないんだよね。 大人と説明してもロリコン扱いされそうで。


なんて話をしていたら、今度は噴水が「ピューッ」と少量出た。 なんだ水切れか? 六文銭に帰った方がいいぞ。 その水切れでは無いだろ。


「……奏士の1回分?」


「失礼な奴だな」


紅葉は相変わらず俺の俺を過小評価している。 いや過大評価されても困るんだけど色んな意味で小さく見られるのはそれはそれで男のプライドというかメンタルがさ……男としては立派でありたい。 使い道無いけど。


「……(ぐぎゅ〜ルルルルルるるるるるる〜るる)」


「腹の音が唐突すぎる」


心配になるレベルの爆音で紅葉の腹が鳴った。 隣のカップルに聞こえたかもしれない。


「……今のは私じゃない」


「誤魔化し間に合ってないぞ」


「……今のは雷の音」


「紛うことなき晴れ模様ですけど」


お空はムワッとするくらい湿度の高い晴天ナリ。 カラッカラに乾いた夏日でもいいのに。


「……じゃあ徹○の部屋」


「『る』のパート長かったからって言い訳に無理がある」


「……じゃあ奏士の音」


「投げやりになるな認めろ自分の腹を」


「…………(フーッ)」


紅葉ちゃんは威嚇している。 お前の腹が鳴るなんて今更だろ。 これまで何度鳴らしたと思ってるんだ。 一人で5人前平らげて余裕ある女が腹の音程度で恥ずかしがるな。


「……ここは乙女のために泥を被る所」


「俺に泥パックの趣味はねぇ」


「……じゃあザー○ンパック?」


「そろそろセクハラで訴えるぞ」


紅葉ちゃんは近くに人がいても容赦しない。 本当になんでこいつ学園で威厳保ててんだよ。 1週間くらい補助しないで放置したろか。


「まぁいい。 腹減ったなら飯にすればいいだけの事だ」


時計を見ればかれこれ2時間は散歩していたらしく、丁度昼時だ。


ところで、12時だと昼飯って感じがするのに11時50分くらいだとまだ昼時じゃなく思うの不思議だよね。 10分の差がすごいと言うか。


「レストランと売店どっちにする? 俺としては売店希望。 ハム串とバカ高いハンバーガー食べたい」


遊園地価格の売店バーガーは一つでファストフードの約2倍の値段します。 10年前くらいはファストフードの3~4倍だったのを考えると、物価上昇を嫌でも実感する。


「…………」


買いに行こうとしたら紅葉に止められた。 止められたというか微動だにしなくて動けなかったと言うべきか。


「……奏士」


「何?」


何言われるのかは分かってるけど早くして欲しい。 ハム串が売り切れる。 ぶれない男、それが俺。


「……お昼」


「今から買いに行くな」


「……お弁当」


「この遊園地に弁当は売ってないぞ」


「……違う」


そう呟く紅葉の顔は俯いているので見えない。


だが、繋いだ手から伝わる震えが感情を物語っている。 うーむ流石にお巫山戯が過ぎたか? でも燃えカスは食べたくないし……


「……お弁当、作ってきた」


「左様ですか」


「……奏士のために頑張って作った」


「はぁ」


「……一生懸命早起きして作った」


「……で?」


「…………来て」


そう言うと紅葉は有無を言わさず引き摺るように連れ去る。 誘拐よ〜! まじで手を離せ! 死んでもいいとは言ったけど流石にこの死に方は許容出来ない! 死なないにしてもトラウマができかねん!


という俺の心の叫びも届かず、無事(?) 草原エリアに到着する。 処刑されるまでは安全に移送されると言うが……なるほど、この緑豊かな原っぱが俺の処刑台か。


にしても人が多いな。 俺はマリーアントワネットじゃねぇぞ? だとするなら、さしずめここはコンコルド広場って所か。 家族連れが多いから子がオルド広場だけど。 つまんな。


「……ちょっと待ってて」


そう言って紅葉は厳重に繋いでいた手を離し、バッグからピクニックシートや紙皿に水筒、割り箸コップお手拭きと次々に道具を取りだして並べる。


繋がれてない今が逃げる機会と一瞬思うが、流石の俺もそこまで馬鹿じゃない。 今逃げたら地の果てまで追いかけてマジモンの処刑されるか、紅葉が立ち直れないくらい落ち込むかのどちらか。 逃げるとかそりゃ悪手じゃろ蟻んコ。


「……出来た」


お空の雲を眺めて待っていると紅葉から声がかかった。 よし……遺書は部屋の机の中にあるから大丈夫だろう。 遺産相続の件もちゃんと記してあるから重政が路頭に迷うことは無いハズだ。 さらば愛しくも何ともない世界よ。


覚悟を決めて振り向くと、紅葉が正座して待っていた。 自分の横をポンポン叩いている。 成程、隣なら逃げようとした瞬間に仕留められるからな。 対処が容易という意味では最適解だ。


そして俺にとっては最悪だ。 いよいよ逃げ道が無い。


最悪の場合命乞いしよう。 そうしよう。(思考停止)


「…………失礼します」


「……なんで敬語?」


一礼して靴を脱ぎ、紅葉の隣に座る。 ほら、裁判でも表面上反省してたら減刑されることとかあるらしいし。 中身見せなきゃだいたいセーフはどこも一緒。


紅葉から受け取った手拭きで震える手を拭う。 何だこの汗は。 体温調節で出る汗じゃないぞ。


ものすごく嫌な予感がする。 これを開けたら色々変わってしまうのではないかと思えるほどに。 嫌だなぁ……勘違いであって欲しい。


「……オープン」


紅葉が弁当らしきクソでかい包みを解き、蓋を開ける。 重箱……しかも4段。


つまり相当な量の焦げを食わないといけない。 発がん性物質の大量投入間違い無し、か…………リスク高まらないといいな。 万一に備えてダメージノッキングの準備はしておこう。


……いざ! ご対面の時!!


なんて、ドキドキしながら待ち構えてみたが、弁当の中身は危惧していたものでは無かった。


いや、全部が全部完壁とは言い難いが、それでも最悪のケースを考えていた身からすれば充分というか光が見えた。


「これ全部紅葉が?」


「……天音さん達に教えて貰ったけど、最後に作ったのは私」


「そうか……」


弁当(重箱)の中を見ながら感慨にふける。 初めは何もかも燃やして黒に染めたあの紅葉が、所々歪ながらもこうして食べれそうなものを作れるまで成長するとは…………おいちゃん涙出そうだよ。 紅葉の両親にも報告した方がいいのか?


い、いやまだ気を抜くのは早い。 見た目がマシなだけで味が壊滅的な可能性もある。 毒味しないことには始まらない。


「…………あーん」


それを察してか知らずか、紅葉は卵焼きを1つ箸で取って運んできた。


いや……卵焼きみたいなシンプルな味付けの奴が1番ミスった時のダメージデカイんだけど。 もっと基本が味濃いめの奴を出せ! ハンバーグとか! あれはアレで生焼けのダメージ甚大か。 むしろ生焼けでも半熟と言い換えれて被害が味だけで済む卵焼きの方がマシだな。


「……あーん」


紅葉は更に「ズズィッ!」と突き出してきた。 ハイハイ卵焼き食べますよ食べればいいんでしょ。


「……この世の全ての食材以下省略」


詠唱破棄して覚悟を決める。 危うい卵、まさにハンプティ・ダンプティ。


更に、美味いか不味いかは運否天賦。 つまりウンプティ・テンプティ。 つまんな。 早よ落っこちてしまえ。


「……あーん」


一思いに食べてみる。 幸い、口に入れた瞬間に電流が流れるような劇物では無いようだ。


……いや、むしろ優しい。 優しい甘さだ。


卵が固まりすぎてて若干ボソボソだが、しっかりと味を感じるし卵の殻も入っていない。


つまり食える。 食べ物として最低限成立している。 時代の快挙だ!


「……どう?」


紅葉が恐る恐る聞いてきた。 さて、ここでどうするか。 素直に褒めるかダメ出しするか。


『変なこと考えないで素直にべた褒めしなさい!』


人妻からのスパムメールは無視しよう。 怖いし。


「……美味いっちゃ美味い」


「……本当?」


「……少なくとも食えるものではある」


「……素直に褒めればいいのに」


いやだって「食える」けど「美味い」と迷いなく言えるかとなると微妙で……


「うん、でも食える。 全然食える」


「……褒められてる気がしない」


「初期値がマイナスだから赤点超えてる時点でよくやったと思うぞ」


「…………奏士は天邪鬼」


いやそこまで素直になれないタイプでは無いだろ。 俺は良くも悪くも自己中なだけだ。 相手褒めて自分が嫌になるなら褒めない。


「……どうすれば『美味しい』って言う?」


「頑張って口割らせれば?」


「……チェーンソーは持ってきてない」


「頭割れとは言ってねぇ」


しかもそれ脅迫のレベル超えてるし。 すぐチェーンソー出してくるとかバイオか。


「……(ムーッ)」


紅葉が目に見えて分かるくらいムッとしてる。 でも食べる手は止めてない。


「……奏士は意気地無し」


「……」


「……ヘタレ」


「…………」


「……バカ」


あれなんか今回の言葉のナイフ異様に刺さるぞ? 百均の押すと引っ込む玩具ナイフじゃないぞ? 誰だメ○クの砥石で研いだの。


「……(ꐦ)」


ぷりぷりしてる紅葉をどうするか。 そんなことより暑くね? 汗かいても熱引かねぇし全身の血流が早い。 もしや料理に毒盛って心臓を破壊する気だな!


「……あ、これ美味い」


「!」


しまったと思った時には既に遅かった。 意図せず口から出た言葉に紅葉は目を輝かせてワクワクで反応する。


「……今言った」


「言ってないんじゃないかな」


「言ってた」


「気のせいだろ」


「……『あ、これ美味い』」


「録音出すのはズルくね?」


紅葉が懐から取り出したボイスレコーダーに完敗した。 今どっから出した?


「……美味しい?」


「……不味くは無いんじゃない?」


紅葉は更に近づいてくる。


「……美味しい?」


「……致命的なミスはしてない」


紅葉は更に近付いてくる。 おい顔近いぞ。


「……美味しい?」


「…………美味しい」


紅葉の圧力に根負けして口を割る。 ここは美味しいということにしておいた方が早い。


「……(ムフーッ)」


紅葉は凄く満足そうな顔でドヤってる。 いつもの


「……奏士はもっと素直になった方がいい」


そう文句を言う紅葉の口角は上がっている。 なんだコイツ。


「そんなことより」


「……強引に話題を変えた」


黙らっしゃい。


「なんで急に誘った? 弁当作ってまで行きたいほどアウトドアでもないだろ」


何か今じゃなきゃダメなイベントがあるならまだ分かるが、今日は特に何も無いただの一日。 むしろ、紅葉の気合いの入れ方から遊園地はついでで、弁当そのものの方が本命に思える。


そして確実に人妻が裏で関わっている。 紅葉の言動から察するに、ベル達女子メンも共犯だろう。


つまり、だ。


「……免許皆伝の条件」


「起承転結揃ってないぞ」


「……『遊園地で奏士にお弁当を美味しいって言ってもらう』事が、料理教室合格の条件だって天音さんから言われた」


「紅葉、悪いことは言わないからあのメスとは縁を切れ。 害でしかない」


「……どんどん奏士の天音さんに対する対応が悪くなっていく」


当たり前だろあの猫被りのせいで俺がどれだけ苦労してきたか! アイツ死んだら位牌に抹香とマッコリ投げつけよ。


「……で、その天音さんとやらはなんと?」


「……『紅葉ちゃん合格合格大合格!』って来た」


あのアマどうにかして暗殺できないものか。


「……私は満足」


「ようござんしたね」


いつものドヤ顔でにっこにこで、何かもう逆にキモイ紅葉 の相手をしながら飯を食った。


でもまぁ、機嫌いいからか帰りのぐ○り森は気の済むまで許してくれたし、良しとしよう。 今回は特に何も起こらなかった!


「……お土産どうする?」


「カレーでいいんじゃね?」


「……お互いに送り合う?」


「そんな付き合いたてのカップルみたいなことはしない」


「……今日一日奏士は彼氏だからセーフ」


「役な役。 どっちにしろしないからな。 俺は俺の土産を買う」


「……ぬいぐるみ買ってるくせに」


「だってストラップとかはだいたい買ってあるし。 いいだろこの丸太みたいなアニマル」


「……モフモフ」


「結構安いから買い得だぞ」


「……ちゃんとア○ルもある」


「そこ意識したことは無かったわおい穴を指で突くな」


「……私も1個買う」


「別にいいけど早くしろよ? そろそろバスが来る」


「……奏士が車を持っていればこうはならなかった」


「貴様まだ言うか」


──────────────────────────────


そして、夜


「……………………」


重政もどこかに消えた部屋で1人、見下ろして呟いた。


「……どうすっかなぁ…………」

はいどーも最近アウトドアグッズを買って家の中で使用している作者です。


折りたたみスプーンとか椅子にもなる収納ボックスとか、色々便利ですね。 大体のものは百均で揃う世の中になって時代を感じます。 その代わり百均ではなくなりましたが。 なんなら20年前でも100円均一ではなかった気がします。 記憶が確かなら普通に300円のフライパンとか売ってました。


そんなこんなで、私の愛車が移動する倉庫と化してきた今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしですか? コミケですか羨ましいですね。


私は今年も行けませんでした。 お賃金タイムです。 お盆休みすらありません。 お賃金ボーナスもありません。 なぜ私にこんな試練を課すのですか神様。 ちゃんと日々女体化させてるじゃありませんか! 無礼の極み。


多分次回でこのデート? 回は最後です。 コロコロ変わってる気がしますが、先週のことは仕事してたこと以外記憶に無いので私に言われても困ります。


ではこの辺で 今からお仕事ありますので。 コミケ、楽しんできてください。 次回もお楽しみに。



P.S.P 最近トリコのゲームを買い戻して再開しましたが、最近の綺麗なグラフィックもいいですがこの時代らしい特徴を捉えているけどポリゴンがカクカクしているグラフィックもいいですね。


グルメモンスターズ、新品未開封品が500円で売られていたのでいい買い物でした。 しかもARカード入りとはたまげました。


さーて来週のお話は?

紅葉 奏士を押し倒す

奏士 懐刀が出現?

2人部屋で重なる影?

の三本でお送りしません それではジャジャン拳グー!

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