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雪は溶け、花は目覚め始める

「やっと2人きりになれた」


そう言うと、ベルは怪しげな笑みを浮かべながら少しずつ近付いてくる。


そんなベルの奇行に紅葉は呆れつつも一定の距離を保つ為、少しずつ後退する。 慣れたつもりでいたが、紅葉はまだ、ベルが美少女大好きな両刀であることを知らない。


そして作者も知らない。 過去の話見返してて思い出すことってよくあるよね。 伏線とか。 正直過去の自分が何考えて書いてるのか分からないから別人ということにしてある。


それはそうと、だ。


紅葉は警戒しながら後退るが、このトイレ唯一の出入口を陣取られてしまったが故に後ろは行き止まりだ。


もしかしたらトイレの窓から出られるかもしれないが、ここプールのトイレは覗き防止の観点から窓は上の方に設置してあり、更に人が1人通れるかどうかという小窓だ。


紅葉ならワンチャン壁を蹴って届くかもしれないが、運の悪い事に窓の立て付けはゴミカスウンコティンティン。 通るにはまず窓を外すか自慢のパワーでぶち破る他無い。


「万事休すか────」


そう思って最後の覚悟を決めそうになった紅葉だが、ふと気付く。


「ベルなら普通にゴリ押しで通れるのではないか」と


さっきまでの変容で考えが及ばなかったが、相手はあのベルだ。


青葉の様に訓練している訳でも、奏士の様に妙な技術を持っている訳でも無い。 せいぜい、令嬢として最低限の護身術程度だろう。


だとするなら、多少怪我させるかもしれないが、推し通って奏士に後を任せることが出来る。


と、紅葉は考えた。 だが


「おっと、無理矢理ここを通ろうとするのは辞めた方が見のためそしてmeのため」


実行に移す前にベルによって遮られ、紅葉は踏み止まる。 最後の方は要するに「痛いのは嫌」ということだろうか。


「万が一ワタシに危害を加えようものなら、近くで待機してるアズサ達がクレハを取り押さえマス。 ワタシとしても、マイフレンドにそんなことはしたくありマセン。 OK?」


紅葉は頷く他無かった。 今回は先に手を打っていたベルの勝利だ。


「ふふっ、素直なLadyは好きデス。 ワタシのソージは素直じゃないから、ホント困っちゃいマス」


なんて愚痴を、ベルはこの上なく幸せそうに言っている。 まるで新婚夫婦の幸せ語りの様に。


そんなベルとは対称に、紅葉はムッとしている。 理由は勿論、ベルが「ワタシのソージ」と言った事だ。


ベルは先程から奏士が既に自分のモノであるかのように言っているが、それはベルの思い込みで2人は彼氏彼女でも婚姻関係でも無い。


「というか、奏士はベルの彼氏じゃなくて私の大事なお友達だ」、と紅葉は口に出しかけたが、何故かそれをベルに突きつける事は出来なかった。


「? ほほぉ〜う」


そんな紅葉の様子を観てベルはニヤニヤ。 完全に面白がってる笑みだ。


「ソージってば、この前もワタシの耳元で『世界一好き』だとか『独り占めしたい』とか言って〜」


「……それはベルの見た夢か妄想」


「普段は素直じゃないくせにワタシをそっと抱き寄せる男らしさもあってス・テ・キ♡」


「……そんなの、ベルから抱き着きに言ったらバランス崩したのを受け止めただけ」


「ちゃーんと私の事を『1人の女の子』として見てくれマス。 お洋服や下着を買いに行けば律儀に感想くれマスし、体調を崩した時はさり気ないフォローをしてくれマス」


「……1番異性として見られてない証拠」


紅葉は意地と言わんばかりにベルのありとあらゆる発言に噛み付く。


なお、一番最初の囁き云々は本当にベルの見た夢である。 ちなみに初夢。 なので5ヶ月前の話をしている。


「……やけに言い返して来マスね。 クレハ、何か気になることでも?」


「…………友達が奏士の毒牙にかからないよう忠告してるだけ」


「その割には、ソージじゃなくてワタシに唸ってる様子デスケド」


ベルの正論パンチ! 紅葉の急所に当たった! 紅葉は瀕死だ! げんきのかけら要員としてコラ○タ、秘伝要員としてビー○ルが必要だ。 秘伝要員の使い道は不明。


「クレハはワタシとソージが恋人になるのことに何かご不満がお有りデスか?」


「…………別に」


ここでバシッと一言言えば終わる話だと言うのに、素直になれないお子ちゃま紅葉はここでも意地を張る。 もう脊髄反射の域だ。


「じゃあ何の問題も無いデスね。 ワタシはソージと幸せいっぱいおっぱいソージのソージが元気元気なラブラブ生活を来世でも送ると決めているノデ」


「んぐっ……」


ベルのふざけている様で真っ直ぐな意志と言葉に気圧される紅葉。 さっきから言い負かされてばかりだが、ベルはまだ紅葉で遊ぶように試している。 その証拠に、「祝福のグランドベル」と呼ばれてたりしたら面白い素が出ていない。 要するに、本来日本語ペラペラのベルが未だにカタコトキャラを続けている。


「その反応……もしかして、クレハもソージを狙ってマス?」


「…………」


「そんな訳ない」と言うべきだが、紅葉の口から言葉は出なかった。 今それを言ったらベルが一人勝ちしそうで。


「ワタシとしては〜クレハみたいな美少女がワタシのハーレムに加わるのはだーい歓迎デース」


「……」


今度は別の理由で言葉が出なかった。 この期に及んでまだ紅葉の事を狙っている事や、何故かハーレムの主が奏士じゃなくてベルな事が理由で。


「んーでも〜」


「……?」


「ワタシはソージ第一なのデ、その観点から見るともー反対! ダメーっ!」


「……」


ベルは両手の人差し指を交差させて✖︎を作り、紅葉に突付ける。 紅葉はなんの事だか分からず反応に遅れた。


「クレハなんか入れたらソージがぬっという間に倒れちゃいマス! ソージがただただ疲れるだけの厄介者は必要アリマ戦隊イラナインジャー!」


ベルのノリに気を抜くと流されそうになるが、紅葉は踏みとどまって整理する。


「……私はそんなに 厄介者じゃない」


「…………本当にそう思いマスか?」


途端、ベルの雰囲気が変わった。 いつもの無駄に明るくておちゃらけた優しい声では無く、低くて冷徹な……まるで獲物を狙う狩人の眼。


その変貌に紅葉は思わず後退る。 それは、無意識の内に紅葉が「狩られる側」であると認めた証。


「毎日毎日奏士に甘えるばかり頼ってばかりで自分からは何もしようとせず、疲れて休んでる時ですら無遠慮に押し入って自分の都合に付き合わせ、奏士が鞭打って動いてることに気付いてすらいない」


不意にやってきた言葉の暴力(という名の正論パンチ)にノーガードで連打される紅葉。 しかしベルは止めない。


「朝は起こしてもらい、学園では1人になりたい奏士を無理矢理連れ歩いて休む暇すら与えずその上生徒会活動は仕事の大半を奏士に回す。 だと言うのに、夜も遅くまで奏士の部屋に入り浸り、ただでさえ睡眠不足に加えて朝が早い奏士を自分が満足するまで寝かさず付き合わせる。 しかも、最近は頻繁に奏士の布団に潜り込んでるそうじゃないですか」


「…………」


前半は兎も角最後の布団云々は一体どこから情報が漏れたのか、紅葉は気になった。 また千聖当たりがリークしたのだろうか。


現実は、奏士の部屋に来たベルが、寝ている紅葉を偶然目撃したからなのだが、紅葉がそれを知る由はない。


「休みの日ならと思って見ていれば、朝から晩まで奏士を引っ張り回し、唐突に東京まで連れ出して朝帰り。 奏士が家事のために抜けてもクレハ────いや、紅葉もみじは何もせずダラダラしてるだけ。 貴女は1度でも奏士の負担を減らそうと手伝いを申し出た事がありますか?」


「それは……」


紅葉は言葉に詰まる。


確かに、ベルの言っていることは間違っていない。 紅葉は、これまで「奏士が怒らないから大丈夫だ」と色々自分に付き合わせてきた。


補足をすれば、東京に連れ出した云々は奏士も進んで承諾した事だし、手伝い云々は申し出た事こそ無いが、この家に来た当初、奏士に家事の力量を聞かれた時に「俺一人でやった方が仕事少ない」と言われたからだ。


が、それでもベルは事実を切り取って発言している。 これだけ弁が立つとは、流石社長令嬢といったところか。 社長令嬢全員にそんな属性があるのかはさておき。


「どうしました? 私は質問をしています。 何かお答えになられてはいかがですか?」


「…………」


紅葉はありのままを伝えようとしたが、どう取り繕っても、何を言っても今のベルには言い返されて終わるのが目に見えている。 そう判断して紅葉は口を噤むしか無かった。


「あくまで沈黙、ですか。 なんて情けない……」


ベルはため息を吐いて首を振る。 嘲笑半分、嘆かわ半分といったところか。


「これで分かりましたね。 貴女みたいに身勝手で心が醜くて卑しい人は私の奏士に相応しくありません。 即刻手を引き、二度と関わらないと誓いなさい。 このままでは奏士が疲弊し、壊れる一方です」


ベルは紅葉に指を突きつける。 それは宛ら最終判決の如し。


「貴女には奏士と関わる権利も、奏士を一生支える権利もありません。 というか、どの道この国は重婚禁止だから籍を入れるのは私です」


紅葉は突きつけられた言葉に打ちのめされながら整理する。 それは思考か、気持ちか。


そして、どうやらベルのお嬢様モード(フォーム名忘れた)もそろそろ限界の様だ。 途中まで真面目〜な空気だったのに、最後に本音が漏れ出ている。


「……権利ならある」


「ほう?」


「……奏士はお友達。 関わる権利ならある」


「でも、そのお友達とやらは紅葉が一方的に言っているだけですよね? 奏士は1度でも認めましたか?」


「…………奏士が認める認めないの話じゃない。 ベルがさっき言った通り、奏士は素直じゃないから口では言えないだけ。 私がそう思ってればそれでいい」


「だから、それこそ我儘の極ですよね? 貴女の我儘に奏士は一生を捧げて、使い潰されるんですよ」


「…………そう。 これは私の我儘。 そしてベルの言う相応しい相応しくないもベルの我儘でしかない」


紅葉は優しく言う。 1つずつ言葉と想いを紡いでいくように。


「……だから、奏士には我儘に付き合ってもらう。 これからは、奏士も笑顔で過ごせる我儘に」


「それで、本当に奏士が幸せになるとでも?」


「…………それは分からない。 奏士が付き合いきれないって言うなら私はそこまで」


紅葉は目を閉じ、深く息を吸う。 これからの言葉を伝えるために。


「…………それでも、絶対に変わらないものはある」


「……それは?」


「……奏士は私の大事な友達で、相方。 ベルが奏士を心から愛してても、『はいそうですか』で大人しく渡す程優しくない」


先までの押されていた紅葉とは違い、今は目と言葉に意志を宿している。


「そう、ですか……」


それを受け止めたベルは一瞬瞳を閉じるとツカツカと紅葉との距離を詰め、肩に手を置いて勢いよく顔を上げた。


「素晴らしいっ!」


「────」


突然の変貌にポカンとする紅葉。 先程までの冷徹なベルでは無く、普段の、ウザったいくらい明るくて喧しくて優しいベルの顔だった。


「素晴らしい! 素晴らしいデスクレハ!」


「?……!?」


「例え拗れていようとひとえに想うその心! まさに愛デス! 愛デスよクレハ!」


「……ボ○ドルドみたいな事を言い出した」


いつものノリが戻ってきて少しほっとする紅葉。 それを見向きもせず、いつも通り暴走するベル。


「いや〜初めはどうなる事かと想ってヒヤヒヤしまシタ。 でもこれにて一旦解決! 素晴らしき誕生に賛美! 今こそ祝福の刻!」


ベルは紅葉の肩をバシバシ叩いて興奮気味。 紅葉は鬱陶しくなってきたのか、途中から避け始めている。


「sorry! クレハの真意を引き出す為とはいえ、今日は色々と言い過ぎマシタ」


「……別に」


「あと、奏士を誘惑するついでにクレハを挑発シマシタ」


「……サブ私?」


「そりゃあもちろん! モチモチのロン! 無知無知のムチィ!」


ベルがソクラテスみたいなことを言い始めたが、紅葉はこれをスルー。 徐々にいつもの調子に戻ってきたようで何よりえなり。


「でもホント、これで一安心デス」


「……何が?」


「そりゃあモチモチ────これはいいか。 勿論ソージの事デス。 ワタシがソージを支えたい理由は、ソージが誰よりも助けを必要としているからデスし」


「…………」


紅葉は少し考えた。


確かに、ベルの言う通り奏士は日々忙しそうにしているし、助けが必要なのも分かる。 だが、奏士は何だかんだ1人で全部こなせてしまうし、助けようとする程奏士の負担が増えるという逆効果なのではないかと。


「……そういえば、ベルは昔奏士とあったことがあるとかどうとか」


「ふっふっふっ……それは秘密! これはワタシだけの思い出としてクレハにも教えまセヌ!」


「……」


紅葉は冷めた目で見ている。 無駄に仰々しい身振り手振りなベルの話し方にも、大事なところだけ隠すベルそのものにも。


「とにかく! これで安心して任せられマス! ソージを頼んだ!」


「……ベルはそんなあっさり引き下がっていいの?」


「元々、ワタシ以外にソージを大切に想ってくれる誰かが現れたら引く予定だったノデ! 勿論相手は選ぶけどクレハなら任せられる!」


そう言いながらベルは鍵を開け、ドアを開けて外に出る。


「あ! もしクレハがソージを幸せにしなかったらその時は容赦無くワタシが横から掻っ攫うから首と脇と胸の裏と股を洗って待ってろ! サラバ!」


最後にそう言い残し、ベルは走り去った。 その速度風の如し。


「……洗う箇所が多い」


いまいち着いていけなかったベルのノリに毎回律儀に付き合ってる奏士に敬礼しながら、紅葉も奏士の元へ戻るため、トイレから出た。 奏士を随分待たせてしまった。


「やっと戻ったか。 便秘か?」


「……デリカシーのない男」


「そうか。 あの日かすまんな」


「…………」


本当にベルはこの男に惚れたのか、未だ審議の余地があるが今は流しておく。 後で掘り返すために貯水槽へ。


「……ベルは?」


「さっき異様にハイテンションなベルが『用事が出来たから帰る! ゲコゲコ!』とか言って帰った」


「…………」


これは要するにベルからの応援だろうか。 真意は分からないが。


「…………」


紅葉は奏士の隣に腰を落とした。 今度は、さっきまでより少し近くに。


「…………」


奏士はそんなこと気にせずポケーっとしている。 どうやら、隣の美少女より好きな音ゲーに好きな曲が追加されたことの方が気になる様子。


「…………」


紅葉はちょっとだけ気に入らなくて、ついさっきベルが奏士にやっていたように密着してみる。 と言っても、奏士の腕をギュッとする程度だが。


「あ?」


奏士やっと紅葉の方を見た。 が、特にドギマギしてる様子は無い。


「…………」


むしろ紅葉の方が妙にドギマギして落ち着かない。 紅葉は風邪を疑った。


「……言っておくが、乳押し付けて色仕掛けしても帰りにアイスは奢らねぇぞ」


「……ꐦ」


紅葉はそのまま抱いてる腕に力を込めた。


「あ」


奏士の最後の言葉は、1文字だったそうな。


────────────────────────────


「かーえろ帰ろ。 お家に帰ろ! カラスが鳴く前にかーえろ!」


異様に上機嫌な少女が校内を歩いている。 言わずもがな、ベルだ。 水着から制服へ着替え終わって校門に向かっている途中らしい。


「むむっ! 目前に美少女発見! 突・貫☆ ドリル・ラム・バンカー!」


「きゃァァァァァっ!!?」


「お? お? おアーッ!!」


前を歩く後輩3人組、の中の泉に後ろから飛び付き、驚いた泉によって全力で投げ飛ばされるベル。 なお、地面はコンクリだ。


「はっ! す、すすすみません! ベルさんとは知らなくて思わず全力で……」


「へ、へへ……」


空を見上げるように仰向けで倒れ込むベル。 ベルに危害を加えたが、これはベルが始めた物語だからか護衛集団(主に現筆頭のクレイジーサイコレズ)に見逃された泉。


「大丈夫ですかー?」


「まぁベル先輩タフだし大丈夫じゃない?」


そして特に慌てず近寄る華と千聖。


「ごごごごめんなさいぃぃぃぃっ! えーとえーと! た、立てますか!?」


「…………」


しかしベルは視線を上げたまま動かず沈黙。


「……大丈夫ですか?」


流石の華も心配になってきたのか、ベルの顔を見下ろすように立つ。 絶妙に雑な対応は良くも悪くも彼氏の影響を受けていると言った所か。


「ベル先輩ここ外ですよ。 まぁ硬めの布団が好きなタイプなら止めませんが」


「……あ、イズミ、もう半歩前に出てクダサイ」


「えっ? はっ、はい。 こ、こう……ですか?」


「そうそう……OK! ハナももうちょっとこう……左に半歩」


「こうですかー?」


「そうそう……OK! 素晴らしい!」


「……素晴らしい?」


ベルの発言の意味がわからなくて首を傾げる泉と華。


そしていち早く察した千聖。 やはり黒い者同士、通じ合うということか。


「2人とも早くそこから離れた方がいいよ。 この人しれっとスカートの中凝視してる」


「えっ」


「え〜何してるんですかー」


「satisfaction!!」


ベルは勢いよく立ち上がって拳を天に伸ばす。 世紀末覇王の如く。


「お次は〜Let’s ハンティング!」


「うぷっ!」


ベルは1歩後退った泉に熱烈なハグ。 泉の顔はベルの豊かな霊峰に包まれた。 多分窒息する。 名無。


「んーっ!」


「ギューっ♡」


泉は脱出しようともがくが、ベルの抱擁は泉を逃がさず捉える。


「すーはーすーはー」


更にベルは泉の頭頂部に顔を埋めて深呼吸。 おいつやりおった。


「うーわっ」


「何何? 泉ちゃんそんなにいい匂いがするんですか?」


ドン引きしている千聖と、最後の良心と言わんばかりのピュアさを披露する華。


「…………」


そして動かなくなった泉。


「……………………」


あと顔を埋めたまま動かないベル。


「~~ぷはっ! 全快!」


まるで泉からありとあらゆるエネルギーを吸い取ったかのようにツヤツヤした顔をしているベルと、しなしなの泉。 まだ息はあるようだ。


「イズミチャージ完了! それではお騒がせシマシター!」


そう言いながら手をブンブン振って逃げるように走り去るベル。


「……台風?」


「凄い人でしたね〜」


それを見て各々感想を述べる後輩たち。


「泉ちゃん大丈夫? 揉まれたりしてない?」


「え、ええと……多分パンツ見られただけだと……」


「……ちなみに何色?」


「えっとね〜」


「待っ、なんで華さんが知って!?」


「さっきトイレ行った時にスカートのチャック開いててその隙間からちらっと」


「なっ!?」


慌ててチャックを締め、ついでに全身くまなく確認する泉。 顔は既に真っ赤だ。


「……あれ?」


ふと、髪を確認した時に気付く。


「どしたの?」


「いや……髪が濡れてる気がして……」


「えーあの人泉ちゃんの匂い嗅ぎながらヨダレ垂らしてたってこと?」


「てことは美味しそうな匂いなんですね! どれどれ〜?」


「あ、私も私も〜」


好奇心から犬のようにクンクン匂いを鍵始める華と、悪ノリ前回で際どい箇所の匂いばかり嗅ごうとする千聖。 それを制止する泉。 いつもの構図だ。


「それにしてもヨダレ垂らして帰るかねあの人は」


「あ、あはは……」


「うーん……でもこれヨダレにしてはサラサラしてるし、もっと違うものじゃない?」


しれっと素手で得体の知れない液体に触れている華にちょっと引いてる泉と千聖。 忘れがちだが、華は未知への恐怖より好奇心が勝るタイプだ。


「サラサラしてて透明……なんでしょう」


「花粉症」

「愛液」


華の回答も回答だが、それ以上に千聖が平然と公然の前で言いおった。 だが、華はいまいち伝わってない様子。 泉にはバリバリ。


「はいじゃあ泉ちゃんなんだと思う?」


「うぇぇぇっ!? この流れで私ですか!?」


「ほらほら〜 言ってないの泉ちゃんだけだよー」


「ええぇ……」


最悪のタイミングでのパスに困惑しながらも律儀に考えるいい子泉。 世が世なら聖女と呼ばれている。


「えっと…………な、涙、とかでしょうか」

はいどーも久しぶりに小説をかけて興奮が止まらなかった結果、4時間で書き上げてしまった作者です。 いうてこれからまだ修正しますけどね。


普段はノリが良くても6~7時間でしたのに、凄いですね執筆禁欲生活、略してしっ禁生活。 急にオムツ必須になりました。


眠いです。 12連勤の後なのでものすごく眠いです。 でも書きたい欲が上回って書いてます。


手分けで寝ます。 多分2日くらい寝ます。 わんちゃん予約投稿忘れてますけど、これを読んでいるということは予約投稿は間に合っているのでしょう。


ではこの辺で

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