表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/70

白猫と昼休みと新コーナー

昼休憩 それは一時の安らぎ。


退屈な授業に耐え、腹を鳴らして待ち侘びる至福の時。


友達と机を並べて弁当を食べ、食後は皆で集まってお喋りやちょっとした遊戯を楽しむ。


若しくは金が無くて飯を抜く。 これ手っ取り早く金が貯まるけど、その代わりにえげつないやつれと飯抜きに慣れた後の後遺症がヤバいからオススメはしない。 金が無くても飯は食べよう。


ついでに飯抜きダイエットはやめよう。 アレは痩せてるんじゃない。 げっそりと窶れているだけだ。 体力と筋肉が落ちるだけだからどんな時も飯はちゃんと食べよう。 食事を疎かにして毎日ゼリーとブロック栄養食で生活してたら医者に怒られた俺とのお約束。


……アレ、何の話してたっけ? エルフがどうとか? それこれ書いてる奴が今聞いてるやつやぞ。 やべ。


じゃあもう本編行け本編! 今日から新コーナー始まるんだろ!


──────────────────────────────


\ピンポンパンポーン♪/


『っさぁ始まりましたお昼の放送の時間です! 今の今まで休眠状態だった放送も新学期ということで心機一転本気で言ってん! リニューアルして帰ってまいりました!』


昼、皆が食事をする中、学園中に頼金の声が届く。 陽気なBGMと共に。


『題して〜 「質問! なんでも宿学!」 このコーナーは宿木学園に関する事を説明したり聞いちゃったり質問にお答えするコーナーとなります。 新入生の皆も、在校生の皆も! 気になることがあればどしどし質問しちゃえ!』


頼金は異様にテンションが高い。 第1回だから印象付ける意味もあるのだろうか。


『第1回目のゲストは学園屈指の有名人と名高いこの2人!』


『……学生会長の花伝と』


『背後からずた袋と麻縄でガチ誘拐された副会長です』


『もうちょいやる気出して貰えます?』


いやだって飯食おうとしたら急に真っ暗になったし……もう手際の良さに色んな意味で拍手喝采だね。 逆に受け入れちゃったもん俺。


『という訳で初ゲストは生徒会の2人だ! 皆も色々聞きたいことあるんじゃないの〜? でもその前に……生徒会について説明お願いします! 主に新入生に向けて!』


それにしても無駄に機能の多い放送室だ。 さっきから頻繁に効果音を入れたりBGMが切り替わったり……なんだ? 動画生配信か? 音声だけだけど。


『……生徒会、正しくは学生会執行部。 でもみんな呼びやすいから生徒会って呼んでる』


『ちなみに生徒会室のプレートにも『生徒会』って書いてあるぞ』


『ほうほう!』


『……仕事内容は各行事の運営や管理。 あとは書類仕事や先生方の雑用等、多種多様』


『生徒会なんて立派な名前ついてっけど、やってることは学生と教師に板挟みの便利屋』


『なるほどなるほど。 では、普段は何をしているかお教え願えますか?』


『……普段の主な仕事は行事に向けた準備。 校内掲示物の作成。 校内の見回り、会議、資料作成』


『あまり目立ちませんが、色々やっておられるのですね。 その他にお仕事はあるのですか?』


『……定期的な荷物検査やボランティア活動、校内清掃なんかもやってる。 有志団体が手伝ってくれる時もある』


有志団体(リア充殲滅委員会)ですけどね。 実績作りの意味もあるけど、一応ちゃんと手伝いはしてるからセーフ。 それなりに地域評判とか良いらしいですよ。 実態が分からなければやってることは賞賛に値するからね。


『ありがとうございます。 では、本命の質問コーナーに参りましょう!』


質問コーナーって言うとアレか? 生徒会に聞きたいこととか相談事とかか? 目安箱には特に入ってなかったけど、どこで募集したのやら。


『こちらのコーナーは、ゲストのお2人に思い切って聞きたいことを事前に募集しまして、こちらで精査したものを今! ここで! 直接聞いてお返事をいただいてしまおう! というコーナーです。 先輩方、準備は良いですか?』


『……まともな質問が来ることを願う』


『コイツが1枚噛んでるんだから叶わなそう』


『心外ですね〜 ちゃーんと真っ当な質問だけを選びましたよ。 真っ当じゃない質問は会員限定でアップロードしますから』


『お前は「心外」の意味を辞書で引いてこい』


会員ってなに? 支援サイトでもあんの? それなんてファンボ?


『先輩の戯言はさて置き『あ?』早速1つ目の質問行きましょう!』


そう言うと机の下から謎の箱を取り出す頼金。 何それ質問ってくじ引き方式なの?


『ジャジャン! え〜『どうか会長のメアドと電話番号を教えてください』だそうです』


『……メールアドレスは「keisatu@syuttou.jp」 電話番号は「110」』


『ありがとうございます。 では解説の先輩、お願いします』


『人を無許可で解説役にするな。 これはアレだ。 「それくらい自力で聞き出せ」って言いたいんだろ。 多分』


若しくは『答えるのめんどくさい』100%。 正直どっちでもいい。


『会長の優しさに感謝ですね。 それでお次は会長に読んでもらいましょう! 会長、お願いします』


『……じゃあこれ。 『会長と副会長が付き合ってるって本当ですか』……』


『おっ、それを引きましたか』


『2本目で早くもクソ質問出たな』


『いや〜これ系の質問異様に多くて。 流石に1本2本入れとかないと反感買いそうだなって』


『堂々と裏話喋っていいのか?』


『大丈夫ですこれ聞いた人の記憶消しますし』


『しれっと怖いこと言ってっけど』


記憶消すってどうやるの? 怪しげな光線銃取り出して「ピローコリコリ」とかすんの?


『それで、実際どうなんですか?』


『……よくあるデマ』


『暇人が多いもんだな』


『本当ですか〜? 休日に2人で歩いてるのを見たって証言ありますけど。 買い出しとかじゃなくて、ラフな私服で』


『あぁ、実は行きつけの店が同じでな。 出会ったついでに生徒会の話をしながら歩いただけだ』


『2人でショッピングしてたのを見た人が居るそうですが』


『備品買い出しの帰りにコイツが「服見たい」って言い出してな』


『夏祭りで2人を見た人がいるらしいですけど』


『去年の生徒会のみんなで行くことになってな。 ソイツは気付かなかったんだろうけど、全員居たぞ』


『お2人が手を繋いで歩いてる姿を見たって証言がありますけど』


『それは罰ゲームで……なぁ、さっきからピンポイントな証言多くない?』


『そりゃそうですよ全部私ですし』


『お前かよ』


『……自作自演』


なんということでしょう。 今までの時間、全てこいつの作り話でした。 突っ込まれても問題ない嘘を即興でついた俺の労力返せよ。 大きな嘘じゃないけど。


『え〜 実は意識してるとか無いんですか?』


『次元を1つ落として出直してくるなら一考の余地がある』


『……意識するほど人間的魅力は無い』


『おやおやこれはこれは。 去年から変わりませんね〜』


ていうか俺ってそんなに人間的魅力無い? 探せば1つくらい────いや無いわ。 人間としてカスもカスだった。 最低1歩手前くらい?


『ちなみになんですけど、会長は今好きな人は?』


『……急な質問』


『いやほら、多分皆さん気になってることですし。 主に男子』


それはまぁそうだろうね。


でも居ても言わないと思うよ? 若しくは2次元キャラを出してくる。


でも、紅葉って趣味嗜好────てより感性? が男寄りだからなぁ……花柄よりドラゴン柄の方が好きなタイプだし、イケメンより美少女の方が好き。 というかイケメンは苦手だと公言してる。


『……今のところ居ない』


『おおっと! 聞きましたか皆さん! 今は居ないそうです! 男子諸君、今を逃すと後が無いぞ!』


『煽るな』


どうすんだよ紅葉への告白ラッシュが止まらなくなったら。 紅葉心労で倒れちゃうよ。


……いや倒れないか。 こいつそんな繊細な心持ち合わせてないわ。


『先輩的にはどうですか? 会長と仲良いですけど、何処の馬の骨とも知らない輩に盗られる心配とか』


『仕事に支障無い範囲でラブラブするなら文句は無い。紅葉、生徒会室を使うなら換気と消臭はしとけよ?』


『……今の発言を切り取って警察に突き出したらワンチャン逮捕できそう』


『協力しましょうか? すいませーん、後でこの録画データ貰えますー? あ、行けます? 会長貰えるそうなので後で渡しますね』


『頑張ってコメントした人を追い詰めるのは止めよう』


お昼の放送らしく盛り上げようと頑張ったのに……そんなことされたら涙がツナミブーストしちゃう。


『コホン。 では気を取り直して最後は先輩! さっさと引いて教えてください』


『対応雑だけど飽きてきた?』


『いえそんなことは。 こ、こんな対応するのは先輩だけなんですからねっ!』


『……可愛い後輩が自分だけ特別扱いしてくれる姿に奏士は狂喜乱舞』


『微塵も嬉しくねー』


ガサゴソガサゴソと箱に手を入れて中を漁る。 何が出るかな? 何が出るかな? 懐かしいネタ。


『これじゃ』


『はいっ! 先輩が引いたのは〜? 『2人がお互いにどう思っているのか知りたい』だ、そうです』


『……これは?』


『どう解釈すればいいんだ?』


『さっきは恋愛系だったので、今度は仕事とか日常生活で考えればいいんじゃないでしょうか。 野球で言うバッテリーって奴みたいな』


『……なるほど』


『地味に難しい』


これ答え方と聞き手の受け取り方で意味が如何様にも変わるぞ。


例えば、ここで馬鹿正直に『(漫画の)相棒』って答えても誰一人として本当の意味は伝わらないだろう。 『(絵の)最推し』も同じく。


となると、残っているのは『猫』『手のかかる子供』くらいか……どう頑張っても怒った紅葉に殺られそう。


『先輩はどうですか? 会長をどう捉えてます?』


『俺先?』


『ほらさっさと』


もうこれ雑とかそういうレベルじゃない。 もう逆に『俺にだけ特別な対応見せてくれるんだ……』って嬉しくなってきちゃうね。


『え、あー……ストイックとは真逆だけど、とても真っ直ぐな人だとは思う』


『ほうほう! それは具体的にどういう?』


『あー……例えば、紅葉は絵を描くのが好きで、そのために生きていると言っても過言じゃない。 それなのに、面倒な生徒会長の仕事をこなして学園の皆の為に尽力している。 その上、学年2位の学力も維持している。 それもこれも全ては「絵を描いていても文句言わせない」為にやっている事だけど、そのためにここまで力を尽くすのは凄いとは思う』


『ほうほう。 ちなみにこれは心からの言葉ですか?』


『いや本音を言えば「クソ手のかかる奴だな」って思ってる。 コイツ自分しか居ないならきっちりするけど自分以外に仕事できる人がいれば途端にダラけるぞ』


『…………(ギリギリギリギリ……)』


『会長にそんな一面があったんですね〜 ところで、先輩の頭蓋骨が悲鳴をあげてますけど大丈夫ですか?』


『とても痛いけど慣れてきてる自分がいる』


『まぁいつもの事ですしね。 それではお次は会長に伺いましょうか』


『……私?』


『はい。 先輩は聞いたので』


『……その前に奏士を処分する』


『それは後で幾らでも時間あげますので、今はこっちに集中してください』


『……仕方ない』


『ねぇ誰も俺の命を心配してないんだけど』


『先輩タフじゃないですか。 多分トラックに撥ねられても無傷で済みますよ』


『流石に無傷は無理だろ。 流石に擦り傷できたぞ』


『……え、経験済み?』


『そんなことより。 紅葉、どんな印象だ?』


『…………』


紅葉は顎に手を当てて熟考。 せめて人間扱いされてるといいなぁ。 シェフは人間扱いされてるのか甚だ疑問である。


『……お友達?』


『おお、進歩しましたね。 前はなんでしたっけ? ペットでしたっけ?』


『違うんじゃないかな』


でもこれで人間扱いされるようになったらしい。 それもこれも頑張って紅葉の世話を頑張ったお陰、かな。 わーいわーい


『……でも今は燃えるゴミだと思ってる』


『あ、粗大ゴミじゃないんですね』


『人が人間からゴミに転落した瞬間を受け入れるのが早過ぎない?』


もうちょい一拍置いてもいいんだよ? ほら、俺今「奏士ゴミ奏士」になってるんだよ? 頑張れ頼金! お前なら自分で目を覚ますはずだ! 紅葉の言ってることはおかしい!


『先輩も訂正せずにあのまま行っておけば、会長のお友達でいられましたのに』


『人をゴミ扱いする奴の友達は勘弁願う』


『…………』


『あと人の頬を無言で引っ張る奴の友達も願い下げ』


『先輩慣れてますね』


『いつもの事だ』


紅葉は俺と頼金しか見てないことをいい事にやりたい放題。 人の頬を引っ張ってる暇があるなら我が振り直せ。


『それでは続いてのコーナーです! お悩み相談のコーナ〜』


『まだあったのか』


ふと時計を見ると、まだ昼休み始まってから10分ちょいだった。 意外と時間が長い。


『このコーナーでは、集めたお悩みを今!ここで! ゲストの皆さんと解決しちゃおうというコーナーです。 それではお悩みボックスカモン!』


そう言いながらまたもや机の下から箱を取り出す頼金。 自分でやるんかい。


『はい、という訳でサクサク行きましょう。 まずは私から……はいっ! 『好きな人に告白したいです。 どんな状況がいいでしょうか』 これまたベタな奴ですね』


『……意外な悩み』


『こんな学園の連中も恋で悩むのか』


『言うて年頃の男女ですから』


なんというか、この学園の連中は大半が『恋愛より将来のために!』って感じが強いと思ってた。 今を楽しむより未来を生きるために頑張ってるというか。 恋愛にかまけてる暇は無いというか。


『では早速解決しちゃいましょう』


『別にいいけど、この面子で行ける? 恋愛相談』


『…………』


一気に静かになるブース内。 全員独り身の恋愛経験皆無だ。


『……ま、まぁ時には素人意見も必要って言いますし? 私と会長は女の子ですから多少は行けると思いますよ』


『俺は?』


『先輩はほら……その手の作品に詳しそうじゃないですか』


『詳しくてもその知識は現実じゃクソの役にも立たないんだわ』


強いて言えば『こんなことしたら異性は怒るよ』って事くらい。 あれ、役立ってる。 いや有効活用してないなさっきも紅葉怒ったし。


『で、どんな感じが良いですかね』


『その告白しようって奴の性別は?』


『えーと……あ、男性ですね』


『そうか。 なら1つ案がある』


『おっ、ロクな案じゃなさそうですが、一応聞いておきましょう』


『……どうせ非モテの恨みたっぷり』


『一言余計じゃ。 では俺からの提案だが、まずは屋上に呼び出す』


『ほうほう。 屋上は立ち入り禁止ですけど今は聞きましょう』


『んで、一旦告白する。 晴れた休日の昼間とか最適だな』


『……想像よりまとも』


『休日の昼間ならその後デートに行けますからね。 失敗したなら1日療養に使えますし、先輩にしてはまぁまぁな提案です』


『んで、想いを言い終えたら本気度を示すために屋上から飛び降りる』


『……なんで?』


『あー始まった』


『飛び降りて生きてたら想いは本物だと伝わるはずだ。 後は想い人の反応次第。 当たって砕けろ』


『先輩のやり方だと砕けますよね。 主に身体中の骨が』


『……1回奏士の頭を砕いた方がいいかもしれない』


『何故だ』


俺はただ……不純異性交友と流れで付き合った事によるその後の冷めを防止しようと思っただけなのに。 ホントホント。 リア充アンチとかじゃないから。


『では先輩の案は却下しまして。 会長はどうですか?』


『……普通に段階的に仲良くなって告白すればいいと思う』


『それができるならこんな相談は来ませんよ』


『……残念』


何気に普通が1番難しいんだなぁ……


てか、ワンチャン告白って創作以外で成功しないだろ。 相手はお前のことなんも知らねぇぞ。


『え〜 では私の案ですが、やっぱりムードとか大事だと思うんですよね』


『……なるほど』


『ロマンチックと言いますか、こう……ついOKしたくなるような状況と言いますか』


『はーん』


『となるとやっぱりベタが1番ですよ! 夕日が照らす木の下であの子に「好き」って伝える。 これに勝る方法はありませんよ! 丁度宿学は伝説の木がありますし』


『つまんねー』


『……空気読んで欲しい』


『あれ、なんで1番まともなこと言った私が責められてるんですか? 』


そりゃ2人もかけてボケたのにお前がボケなかったらただ俺たちが寒いだけじゃん。 つまんない奴と思われたらどうすんねん。


『じゃあもう記入済みの婚姻届と指輪渡しましょう』


『重』


『……それするのは1人くらいしかいない』


────────────────────────────


『だってさ』


『いやいやワタシは指輪まではやってないデスよ』


『婚姻届はやったんだ〜』


─────────────────────────────


『では私たちの回答はこれで。 お悩み相談を送ってくれたそこの君! 想い人に跪いて指輪をはめてやれ!』


『……その場合、高確率で顔を蹴り飛ばされるか生涯にわたって嫌われる。 でも私たちは一切責任をとらない』


『逃げんな』


『まぁ提案はしましたけど実行するかどうかは当人の意思ですからね』


『……強要はしてない』


『詐欺師のテクじゃん』


自分の手は汚さないカスめ。 お、俺は提案してないから無実だ! 一番のカスが見つかったぞ。


『ではお悩み相談その2! 先輩引いてください』


『えー……ほれ』


『では開封! えーと……「好きな人が中々振り向いてくれません。 どうすればもっと想いが伝わるでしょうか」だそうです』


『好きな人がカメレオンに一票』


『振り向く云々は物理的な話じゃないと思いますよ』


『……正体がメガネザルの可能性は?』


『前提として想い人が人間じゃなかったら中々にホラーですよ』


えーエルフとか獣人とかの線もあったのに。


『では真面目に。 これはさっきの告白に通じるものがありますけど、ストレートに伝えるのが1番だと思うんですよね』


『というと?』


『ド直球に抱き着いたりラブを叫んだり』


『……それはそれなりの好感度が無いと恐怖』


『好感度以前に急にそんなことされたら卒業まで避けるぞ』


『ダメですかね。 手っ取り早くていいと思ったんですけど』


『……知人にそれをやって成功してない例があるからオススメはしない』


『そんな奴がいるのか』


『『…………』』


おや? 2人とも俺を見てどうした? 俺がイケメンということに気付いたのか? ブースという狭い環境で知ってしまったか……やれやれ困ったちゃんだぜベイベー


『じゃ、じゃあ会長は何か案がありますか? できれば放送が盛り上がるような案希望』


『…………自分を女の子として意識させる?』


『と言うと?』


『…………押し倒す?』


『頼金の案と大差無いな』


『流石に私の案は健全ですよ』


『……一番早いと思った』


『お前ら目的まで直線すぎるだろ』


もうちょい回り道を楽しもうぜ。 恋愛なんて大体そうだっただろ。 今は目的地まで直線爆速が主流になりつつあるけど。 俺はやっぱり道草派だね。


でも食べ過ぎると競争相手に追い抜かれるから見極めが大事。 言うて俺に競争相手居ないんだけど。 強いて言えば重政は美人美少女が大好きなので紅葉達が競争相手。


『……じゃあ相手の袖の先を握ったり手作りのお弁当を渡してみたり。 囁かな可愛さと家庭アピール』


『これはまぁ、有効な手ですね。 女性側のスペック次第ですけど』


『自称美少女の紅葉さん、実践の経験が?』


『……無い』


『あくまで想像の話だそうです。 実行するなら綿密な計画の元でやりましょう』


『先輩は何かあるんですか? さっきからろくな意見出してませんけど』


『……口だけは達者』


『黙れ小娘共』


最初から最後まで乗り気じゃないのにここまで頑張ってる俺を労えよ。 むしろ甘やかせよ。 俺を教室に帰らせろ。


『では俺の案だが、紅葉の意識させるって案は悪くないと思う』


『ほうほう』


『意識させる。 即ち、相手の無意識下に自分の存在を記録するって話だ。 自然と自分に意識が向くように仕向ければいい』


『……どうするの?』


『簡単だ。 1回告白しちゃえばいい』


『大きな賭けじゃないですか?』


『恋愛なんて常時ギャンブルと同じだろ。 相手が告白され慣れてるならまだわからんが、慣れてないならワンチャンあるぞ。 告白されたインパクトはデカイ』


『……後は日常的に話しかけたり触れ合う時間を増やして自分の魅力をお届け』


『Exactly 相手が告白され慣れてるモテ畜生でも狙える手だぞ』


『へ〜 やっぱりその手のゲームに詳しいですね』


『これ絶妙に褒められてないよな』


『……(コクリ)』


俺やっぱ先輩的威厳がない気がする。 頼金に尊敬の意思無いもん。 先輩はもう立場じゃなくて愛称だよ。 渾名になってる。


『ではこれを聞いてる恋する乙女! 想い人が振り向かないなら嫌でも振り向くように思い切って告白しちゃえ! お弁当の作り方はこの人が教えてくれるかもよ! 無駄に料理上手だし』


『……腕は保証する』


『最後に人任せやめろ』


どう考えても無理だよね。 俺が初対面の相手と話すとか。 人見知り発動しちゃう。 オートスキルだからこれオフに出来ねぇんだ。


『お次は会長! 1枚引いてください!』


『……これ』


『えー……「告白するから校舎裏で待つ。 ベルフロー「ビリッ、ビリッ」」…………』


『失礼、どうやら違うお便りが混じってた様だ』


『先輩今破きましたよね』


『気の所為だろ』


『えー…………気を取り直して、会長引き直してください』


『……はい』


『ありがとうございます。 「なんで破くんデスカ!」』


『破かれるの想定して2枚目送ってくんな』


もう1種のホラーだろこれ。 怖いよ用意周到さが。


『先輩いい加減に身を固めません? 優良物件ですよ?』


次元りっちが最悪だから遠慮しとく』


『だ、そうです! これを聞いてるそこの金髪! 振り向いて欲しけりゃ次元を落とせ! 』


『……どんなアドバイス?』


冷静に聞くと意味わかんねぇなこれ。 俺の趣味嗜好知ってないと伝わらないだろ。


『はいっ! という訳でそろそろ終了のお時間となります。 初回でしたが、お2人はどうでしたか?』


『聞いてる分には面白いんだろうけど自分が関わるとなると別』


『……恋愛相談ばっかりで疲れた』


『どうやらあまり評価は良くないご様子! これを聞いてるみんな! 皆の感想がこの放送の命綱だ! ぜひ放送室前のアンケートに書いて投函してくれ!』


相変わらず準備が良いな。 悠ちゃんも仕事振る時はこれくらい準備しといて欲しい。


『今回は沢山のお便り感謝! 放送で読み切れなかった分は後で生徒会の目安箱に入れておくから、この2人がお悩み相談してくれるかもよ?』


『仕事増やすな』


『……帰るのが遅くなりそう』


『次回の放送もお楽しみに! ゲストが決まり次第連絡するからお便りも送ってくれよな! それではまた次回! お昼の食べ過ぎで午後の授業も寝るなよ!』


──────────────────────────────

放送後


「いやーお疲れ様でした。 突然の御協力感謝します」


「……少し楽しかったからよし」


「俺には土下座して謝れよお前ら」


「なんでですか?」


「……する理由が見当たらない」


「自分たちがどうやって俺をここまで連れてきたか胸に手を当てて考えろ」


「……おっぱい重い」


「お前は床に這いつくばってろ」


「会長また大きくなりました?」


「……奏士が揉むから」


「話聞けよ。 あと無実の罪を擦り付けるな」


俺は1度も意図して触れたことは無いし、不意に触れた時も揉んだ記憶は無い。 指紋採取してみろや。


「先輩これは責任とらなきゃですね。 ご結婚おめでとうございます」


「人を墓場送りにするなよマジで。 俺は独身貴族だぞ」


「いい加減恋人作って大人しくなってくれませんかね。 会長どうですか? 人としての魅力は無いですけど各種スペックは馬鹿みたいに高いですよ。 多分生涯安定が確約されるレベルで」


「……身体の相性が分からないからやめとく」


「やっぱ押し倒すのが一番分かりやすかったんですね」


「最悪の決議案復活させんな」


\キューン/


「……腹減ったのか?」


「……お腹空いた」


「そういえば私も食べてませんでした。 まだ30分ありますし、さっさと食べて午後の授業に備えましょう」


「……どこで食べる?」


「今の時間なら食堂の席も空きがあるだろ」


「……席取って待ってる」


「はーいはい」


「……仲良いですね」


「どうせ同じ教室だしな」


「……隣の席だからお手軽」


「んじゃ、先失礼」


「……バイバイ」


「はーい。 お疲れ様でしたー」


…………


「あの2人、仲良いっすね」


「ですよねぇ……」


「ところで、俺らスタッフも飯食い損ねたんですけど奢ってくれません?」


「えー」

はいどーも指が震えて止まらない作者です。 シバリングでスマホが熱もっちゃうよぉ……


最近寒いですね。 少し前までは「今日は寒いな」「今日はまぁまぁ過ごしやすいな」が交互に来た記憶ですけど、今は「今日も寒いな」の連続です。 それなのに夢にゴキブリと謎の巨大虫が出てくるって何かの嫌がらせでしょうか。


そんなことより


今回はお昼の放送回ということでね。 以前、千聖が紅葉に聞いていたのがこれです。 今後もちょいちょいあります。 多分奏士は準レギュラー


あ、最後らへんのやり取りは冗談ですよ? そんなポンポン胸が成長してたまるもんですか。


これ以上は特に本編で話すことも無いのでこれにて。 次回もお楽しみに。 次回は……1月?


え、今年もう終わり? 明日明後日冬コミ? え? 2024終わり? 早くないですか? 来年は巳年? エボルトォォォォっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ