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サブタイに白猫って書いてるけど紅葉のイメージカラーは銀だから銀猫の方が正しいのでは派と髪しか銀色ないし服は白いし白猫の方が表記的に問題無い派で別れてる俺と作者

マトモな休みと疲れが取れやすい肉体が欲しい

作者心からの叫び

奏……士? とかそんな名前の二足歩行生物が泉達1年ガールズと死んで生還してのやり取りをしていた頃、それを遠くの影から見ていた紅葉。


「…………」


気付かれないよう、奏士の索敵圏外からじっと見る。 書いてて思ったんだけど奏士の索敵圏外って何? おい地の文が自我を持つな。


冬の放課後という事で校舎に残る人影も少ない。 残っている学生も、図書館で勉強する受験生か、物好きなオカルト部。 もしくは、放課後にチョコを渡したくて堪らない恋する乙女とモテるアン畜生吐きそうウップ。


※ リア充アレルギーが再発したので暫くお待ちください


あと残ってるのは未だチョコを貰えることを信じているモテない野郎共と文化部くらいだ。 それとリア充撲滅委員会。 本日は門が閉じるまで受け取る男を排除すべく活発化している。 奏士め運の良い奴よ……


「……」


思ってたより残ってる学生多かったが、それはそうと紅葉。 1人になった奏士をじっと見ている。


別にストーカーに目覚めた訳じゃない。 少々事情があって直接出にくいだけだ。


「もーみじちゃんっ!」


「!?!」


紅葉は突然肩を叩かれて口から飛び出た何かを捕まえて戻す。


「……天音さん」


激しく脈打つ心臓を抑えながら振り返る。 奏士以上に気配に敏感な紅葉が気付かないあたり、余程奏士に夢中(笑)だったのか、単に紅葉にとって天音が自然な存在だからか。


「こーんばんわ。 紅葉ちゃん何してるの?」


「……別に」


紅葉は何時ものように真顔で否定する。


が、紅葉をよく知る数少ない存在である天音に隠し事は通じない。 僅かな変化も逃さないその観察眼は宛ら万引きGメンの如し。 もうちょいいい例え思いつかなかったの?


「お姉ちゃんに隠し事なんてイケナイ子だな〜 どれどれ〜?」


天音は紅葉に覆い被さる様に顔を出す。


そして、そこから見えるモノを認識するととてもいい笑顔になった。


「あら〜あらあらあらまぁまぁまぁ!」


「……凄いニヤケ顔」


夕方だってのに眩しいくらいの笑み。 後光が差してる様。


「嬉しくもなるよ〜 漸く決心したんだね!」


「……絶対誤解してる」


「大丈夫! 皆まで言わなくていいよ! お姉ちゃんは応援するから!」


「……誤解が解けない」


出てきて早々暴走状態の天音に苦戦する紅葉だが、誤解を解くには問題をやり直さない限り終わらないので話を逸らすか、直接答えを言う他無い。


「それでそれで? 紅葉ちゃんは何処を好きになったの!?」


「……誤解を解く前に少し煩い」


「あーん紅葉ちゃんどこ行くの〜?」


────────────────────────────


「────っくし! 風邪か? もしくは超絶イケメンの俺にチョコ渡したくて仕方ない奴が噂してるか。 言ってて悲しくなってきた」


────────────────────────────


紅葉は天音を連れて────というより勝手に着いてきた天音を椅子に座らせる。


ここは調理室。 以前、紅葉が奏士と思い出のマドレーヌ作りをした場所だ。


「それでそれで? お姉ちゃん、紅葉ちゃんの恋のお話を聞かせて欲しいな〜」


「……天音さんは恋愛脳が過ぎる」


「そうかな〜?」


実際、天音は絶賛恋し愛する乙女……乙女? 多分乙女なので恋愛脳であることは否定できない。 今日も賢星にドドドドド本命な手作りチョコを皆の前で渡した。 賢星は羞恥と喜びで死んだ。 それを見ていた男子学生は私怨で自害した。 そして私は「賢星」が予測変換に見つからずストレス死した。 これもう地の文じゃなくて愚痴だろ。


「……別に、好きとかじゃない」


「じゃあ、紅葉ちゃんはどうしてあの子をこっそり見てたの?」


「…………」


「そっぽ向かれちゃ分かんないよ〜」


相変わらずグイグイ来る天音のスタンスに押され気味の紅葉。 色んな意味で相性最悪だが、ある意味相性抜群と言える。 ゴーストとドラゴンタイプみたいな。 もしくは氷草? 岩悪?


「悩みがあるならお姉ちゃんに打ち明けてみてよ! 力になるよ!」


「…………」


「紅葉ちゃんが凄い冷めた目で見てるー」


「……天音さんの言うことはどれも胡散臭い」


「そんなぁ! お姉ちゃんはこんなにも紅葉ちゃんの力になろうとしてるのに……」


「……姉じゃないし嘘泣きしてる時点で信用出来ない」


「あ、バレた?」


天音は「てへっ☆」と可愛く舌を出す。 紅葉のからの視線はより低温になった。


「まぁ冗談はこのくらいにして。 力になりたいのは本当だよ。 私は紅葉ちゃんがいつもみたいに明朗快活────明朗快活? 明朗快活……まいっか。 楽しそうにしていて欲しいから!」


「…………」


紅葉は途中の疑問形を流すことにした。 流石に自分でも外見に明るさが無いくらい分かっている。


「さぁ! さぁ! カモン!」


「……分かった」


天音の押しに根負けして諦めの溜息を吐く。 このまま付き合うより全部出した方が精神的に楽だ。


「……実は────」


「ふむふむ」


紅葉は話した。 昨日遂に奏士を怒らせた事。 何かお詫びをしようと思ったけど渡す時に顔を合わせにくい事。 昨日のデザートが美味しかった事。 etc…


「うーん……素直にごめんなさいすればいいんじゃないかな」


「……それはなんか嫌」


「えー」


今回ばかりは奏士側に非が無いからか、天音としても紅葉を擁護したくてもできない様子。


「お姉ちゃんは謝るのが手っ取り早いと思うけどな」


「……私が素直に頭下げたら奏士は調子に乗る」


「……その原因作ったの紅葉ちゃんなんだけどなー」


「…………それを言われると弱い」


天音は腕を組んで悩む。


本当に、一言「ごめん」で済む話だと思うが、当人にその気が無い以上どうしようもない。


そして天音には奏士が物送る程度であっさり許すタイプとは思えなかった。 付き合いは1年も無いが、紅葉を支えてくれた可愛い後輩(年上)としてそれなりに見てきた結果だ。


「どうしても顔合わせたくない?」


「…………ちょっと気まずい」


「でも、このままじゃ仲直りせずに平行線だよ? 奏士くんだって何時までも紅葉ちゃんに構ってくれるほど優しくはないかもだし」


「……天音さんの言うことは毎回刺さる」


「お姉ちゃん、今回はちょーっとだけ厳しく行くよ。 こればかりは紅葉ちゃんが悪いし、2人が仲良しじゃない姿なんて見たくないもん。 やっぱりお友達は仲良しじゃなきゃ」


「……逃げ場が無い」


「それで、どうする? 全ては紅葉ちゃん次第だよ?」


「……」


紅葉は悩む。


何度考えても顔を合わせにくい事は変わらないが、正直このまま仲直りしないのもなんかアレ・・だ。 アレ・・


半年以上一緒に住んで生活してるから愛着らしきものが湧いてこのまま離れ離れは少しアレ・・だし折角見つけた専属シェフを手放すのもアレ・・だし数少ないゲーム仲間だったりオタ会話出来る存在だし自分のファンだし……


なんて、紅葉は心の中であれこれ言い訳を述べたが、要するに"お友達"と離れたくないのだ。 お友達。 奏士も紅葉も口で認めないだろうが。


「……じゃあ頑張る」


「うんうん! それならお姉ちゃんも力を貸すよ! どうする? 色仕掛け?」


「……幸先不安」


「あ、そうだよね奏士くんに色仕掛けは意味無いよね! じゃあ────紅葉ちゃんの手料理で────これは毒殺になっちゃうかな?」


「……色々失礼」


だがまぁ、マドレーヌ以外の料理は炭鉱主任の紅葉によって炭へと変えられるので否定はしない。 炭鉱というか錬金術。


なお、おにぎりやお茶漬け、冷凍・即席は料理に入るのか論争だが、冷凍・即席は調理してないので論外、お茶漬けも同様。


おにぎりは料理カテゴリではあるが、紅葉の場合、おにぎりを何処ぞの力士宜しく超圧縮して『米だった何かダイヤモンド』に変えるのでこれも論外だ。


「手料理はダメか〜 あ! マドレーヌは?」


「……?」


「マドレーヌなら紅葉ちゃん1人で作れるじゃん! 美少女が頑張って作ったマドレーヌ……これで喜ばない男の子は────」


そこで天音は止まった。 渡す相手が"喜ばない男の子"である可能性大な事に気付いたからだ。


「だ、大丈夫? 奏士くん喜ぶ?」


「……流石にお菓子なら喜ぶ────と思う?」


「なんで紅葉ちゃんも疑問形なの?」


「……奏士なら『自分で作った方が美味い』って思いかねない」


「……う、うーん……」


紅葉の発言に流石の天音も唸る。 信頼(笑)の賜物だ。


「……よし! 考えても仕方ないから作ろう!」


「……振り切った」


「さぁさぁ紅葉ちゃん準備するよ! 材料はある?」


「……前に使った残りが冷蔵庫に入ってるはず」


2人で準備室に向かって業務用冷蔵庫を開ける。 中には凡そ1回分の材料が。


「これなら買いに行く手間が省けてラッキーだね! 作るマドレーヌはどうする?」


「……プレーンじゃだめ?」


「特別なマドレーヌなんだから味も特別じゃなきゃ! 折角バレンタインなんだし!」


「……遠回しにチョコ味を勧められてる」


「むしろストレートにチョコ味をオススメするよ!」


一向に諦めない天音の恋愛脳に呆れる紅葉。 何度も言うが紅葉にその気は無い。 無いったら無い。


「……バレンタインにチョコ味渡したら誤解される」


「誤解されるくらいで丁度いいよ! というかこの際本命チョコ渡しちゃえ!」


「……最後の一言が気になるけど、どっちにしろチョコなんて無い」


「それは大丈夫! こんなこともあろうかと購買で色んなチョコ買っておいたから!」


「……何を想定して用意したのか分からない」


天音は鞄からミルクやホワイト、ビター等、多種多様な味のチョコを取り出す。 板チョコからマニア御用達の超絶ビターチョコまで。


「どの味にする?」


「……」


天音の用意周到さに若干引きつつもチョコを選ぶ。 奏士は泉から貰っていたし、確実にベルも渡している。 少なくとも2つ、いや悠も渡してるだろうから3つは貰っているだろう。


となると、甘いと飽きてしまう。


「……これにする」


「うん! じゃあ頑張って作ろうか! 私もお手伝いしちゃうよー!」


「……テンション高い」


────────────────────────────


一方その頃、アホと思われる男性の奏士


「おすー」


委員会室に居た。 何の委員会かは言わずもがな。


「おっす《JOKER》」


奏士を出迎えたのは悪魔の仮面を着けた男。


「《悪魔ディアブロ》、今何してんの?」


「《世界ワールド》と《運命の輪エタニティ》が女子からチョコを受け取っていたらしくてな。 処刑前の裁判中だ」


部屋の中央を見ると縄で縛られた2人の男子学生が床にうつ伏せで拘束されており、その周囲にはこれまた仮面を着けた男達が。


「相変わらず命知らずがポンポン出るもんだな」


「女子からチョコを受け取らなければ俺達も手を汚すとはないんだけどな」


「今更手が少し汚れた程度で気にするほど綺麗でもなかろうに……」


「裁判の判決を言い渡す。 主文後回しで死刑」


「おい! それを言うなら石井はどうなんだ! アイツA組の滝鞠からチョコを受け取っていたぞ!」


奏士は隣の男を見る。 悪魔の仮面を着けた男の本名を初めて知った。


「そうだ! あいつも処刑対象だろう!」


「ま、待て! 俺は滝鞠が食べてたチョコを1つ貰っただけだ! 友チョコでも本命でもない!」


「静かにせよ《悪魔ディアブロ》 今からは貴様の審議でもある」


「議長!」


「安心しろ石井。 俺らも同士を手にかけるのはちょっとめんどくせぇ。 証言内容次第で無罪放免にしてやるよ」


「そうそう、返り血とか落とすのめんどくさいしな」


「証拠隠滅も楽じゃねえし」


「お前ら……」


「友情感じるシーンか?」


奏士が思わずつっこむと議長がガベルで鳴らす。


「静粛に。 《悪魔ディアブロ》よ、滝鞠から貰ったと言ったが、どうやって貰った」


「は? それはこう、滝鞠から手渡s「判決 羨ましいから死刑!!」くっ!」


「逃げたぞー!」


「追え! 追えーっ!」


「生かして帰すなーっ! 奴も裏切り者だーっ!」


奏士が委員会室に入って僅か1分で始まった大捕物。 仲間意識なんてあっさり消え去ったがこれが通常運転なのだから恐ろしい。


「……焔って同性から性的人気あったんだな」


──────────────────────────────


アホとバカが集まって頭のおかしい奇行を解放した後、奏士は紅葉の捜索に戻っていた。 という訳でこれからは何時もの奏士モノローグに切り替え。


……なんかバトンタッチされた気がする。


まあいいや。


探せど探せど紅葉が見つからない。 そこら辺に置いた自転車の鍵みたいに。


「おう奏士、息災か」


「さっきまでは息災だった」


「どうした。 そんな危機が迫っているのか」


「迫っているというか今目の前に居るというか」


「何言ってんだお前」


自分のこととは気付いてない悠ちゃん。 これはまた面倒な命令下されるぞ。


「何? 俺暇じゃないんだけど」


「時間は取らせん。 これを渡しておこうと思ってな」


そう言って悠ちゃんはコートのポケットから包みを取り出す。


「なにこれ毒?」


「な訳ないだろ。 普通にチョコだ」


「どういう風の吹き回し?」


「毎年貴様に貰っているからな。 今年くらいお返しだ」


「えーこれ受け取ったら来月3倍返しとか言わない?」


「安心しろ。 10倍返しだ」


「安心の意味を辞書で引いてこい」


なんでもないチョコの10倍って何よ。 お得チョコアソート?


「今どき辞書なんて使うか。 調べれば済むことだろう」


「現代っ子め。 便利に慣れると失った時苦労するぞ」


「黙れ年下。 そういうお前も辞書を使わんだろう」


いや俺は鈍器としてよく使ってる。 武器としても使えるし勉強も出来る、これぞ文武両道。 職質されても辞書なのでセーフだ。


「それよりチョコを受け取れ。 まぁ私が渡すまでもかもしれんがな」


「何が?」


「お前、今年は3つも貰えるだろうが」


「いや2つだけど」


「ふむ、そうなのか?」


「正確にはベルから4つ、泉ちゃんから1つ」


「相変わらずバレンタインは愛が溢れているな」


「名前に入ってるからノリノリなんだろ」


「っと、私の出番はここまでの様だ。 最後の一人が残っているみたいだしな」


「何言ってんだお前」


「それではサラバだ。 精々いい所見せるんだな」


「本当に何言ってんだお前」


──────────────────────────────

-紅葉 side-


そろそろ本格的に日も落ちて夕暮れが眠りにつく時間に廊下を小走りで移動する影が1つ。 紅葉だ。


何故か天音が持っていた猫柄の包でラッピングしたマドレーヌを崩れないようにそっと胸に抱いて走る。


奏士の場所は大体分かる。 幸か不幸か、今日の奏士は遅くまで学園に残っているが、いつ帰るか分からない以上、急ぐに越したことはない。


そんなことしてたら奏士の背中を発見。


一瞬、気まずい事を思い出して踏みとどまるが、紅葉はそれを振り払って進む。


「……」


「む」


流石に近付けば奏士も気付いて振り返る。


「あ、居た」


「?」


「丁度探してたんだよ。 俺とえーと……誰か」


「……誰か?」


「誰だったか忘れた。 忘れたって事は大したことじゃないんだろ」


「……諦めが早い」


「人生引き摺っててもいい事ないぞ」


「……壮大な話になった」


「で、何用?」


「……これ」


紅葉はマドレーヌを奏士の前に出す。 持つ力を加減していたからちゃんと形を保っている。


「何コレ」


「……作った」


「そうか。 ところで、あそこに見えるものが何か分かるか?」


「……?」


紅葉は奏士が指さした方を向くが、そこには何も無い。


「……何が見えて────」


そう言いながら視線を奏士の方へ戻す。


が、そこに奏士の姿は既に無かった。


よく見れば少し遠くに奏士の姿がある。 何やら全力疾走している。


「…………ꐦ」


────────────────────────────

カス


バイクヤバイクヤババイクヤバババイク。 超ヤバイ。


紅葉が取り出したブツ。 暗いから細かくは見えなかったけど異様に黒かった。


紅葉が「作った」って言っていた。 つまりあれは紅葉炭鉱お手製の石炭って事だ。


何? 俺何か怒らせることした? 昨日デザート抜き言い渡したことか? でも結局はデザート(普段より少なめ)を出したじゃん! 怒らせるどころか俺超寛大じゃん。


それとも何? レディデーだったの? カリカリしてんの? なら俺は暫く関わらないようにしてるから八つ当たりしないでマジ勘弁。


「……なんで逃げるの」


「うわ速っ」


「……止まって」


「嫌だね! 止まったらお前、俺が原型留めなくなるまでボコボコにした上に劇物食わせる気だろうが!」


「……そんなことしない」


「じゃあ何する気だ!」


「……本当に何もしない」


「今更信用できるかぁ!」


何故だ! リミッター外して文字通り全力疾走してるのに紅葉を引き離せない。 てかこれ詰められてね?


「……捕まえたっ!?」


間一髪、紅葉の手が触れる前に避けて吹き抜けの手すりを飛び越え、昇降口の靴箱の上に着地。


「危ねぇ……お前の身体能力なら飛び越えるだろうが、スカートならそれも出来ないだろ」


「…………問題無い」


「は?」


紅葉は周囲を見回すと躊躇無く手すりを乗り越えた。 えちょ待っ


「……逃げても無駄」


そして綺麗なポーズで急降下。 な、なんて美しいライダーキック……


「いや違う! そこじゃなっふぁっ!」


パンチラなんてガン無視で飛び降りてきた紅葉のキックを間一髪躱す。 な、なんて大胆な……白い紐パンって存在したんだ! そっちかよ。 いやー2次元合わせても滅多に見ない色だったので驚いた。 というか紅葉ちゃん紐好きね。


「……避けられた」


「死ぬわ」


「……奏士なら耐えられる」


「そんな信頼は要らんわふっ!」


着地の衝撃なんて効果が無いのか、紅葉は即座に立ち上がって間合いを詰めて素早いラッシュ。 片手が埋まってるから主に足技だが、ド素人の癖に動きが異様に洗礼されている。


「……避けちゃダメ」


「避けるわ! あと見えてるぞ」


「……背に腹はかえられない」


「なんて男らしい」


「……でも後で代償は払ってもらう」


「怖。 台詞が完全に契約モンスターじゃん」


「……ブラッカー?」


「その契約モンスターじゃねぇ」


なんでネガの方なんだよ。 レッダーにしろレッダーに。 ブラッカーだと魔王様にワンパンされる。 強いが故に噛ませになってきてるんだぞ。


「……なんで避けるの」


「避けるに決まってんだろ! お前ナチュラル浸透勁の使い手だから1発でもアウトなんだよ」


「……信頼してるから平気」


「過大な信頼どうも! この兵器め!」


「……女の子に兵器呼びは失礼」


「俺の知る女の子は特殊な訓練受けてないのに2階から飛び降りても平気じゃない」


「……今は多様性の時代」


「そんな免罪符が効くかぁ!」


俺は免罪符が嫌いだ。 免罪符使う奴は九分九厘自己中だから。 いや俺は自己中じゃない。 何故なら俺という世界は俺の主観で廻っているから俺が中心であることは摂理だから。 自己中っていうかただのアタおかじゃねぇか。 えぇ今更ぁ?


紅葉の蹴りと時々入る拳のラッシュは凄まじく、一瞬でも動きを止めたら狩られそう。


呼吸すらまともに出来ない猛攻。 触るとセクハラだ何だ最近煩いしその前に触れる前に鎌鼬で死にそう。 前方に避けようとしても紅葉に間合いを掌握されている。 そのせいで後方に動くしかなく、とうとう壁際まで追い詰められた。


「くっ」


「……余裕が仇になった」


「……なんてな。 俺は常に先を読んで……いや、未来を予知して動く、用意周到な秀才君だぞ? これくらい想定の範囲内なんだよっ!」


腕を高く伸ばし、そのまま床へ振り下ろす。


すると袖から灰色の球体が飛び出し、床に接触する衝撃で崩壊し、炸裂。


「っ!……煙玉」


「極めて古典的な逃走武器、だが王道だ。 こいつは効くぞ」


「……これは吸っちゃダメなやつ」


紅葉は即座に鼻と口を塞ぐ。 常人ならまだしも、人間離れした鼻の持ち主である紅葉は微量でも効果抜群の特製煙玉だ。


「安心しろ。 吸っても死にはしない。 だが、頼みの嗅覚は暫く使えないかもな」


「……凄く刺激的な香り……香草やスパイスを使ってる」


「その他にも色々使ってるぞ。 詳しい内訳は企業秘密だ」


奏士の言う通り、植物由来の強烈な香り以外にも、薬品のような臭いも混ざっている。 倫理とか色々とヤバいが、そこは曲がりなりにもスペックだけは優秀な奏士製だ。 人体に後遺症が残るモノは使っていない。


ついでに、使用してる薬品も《先祖代々性格悪い》でお馴染み柳一族が受け継いできた特別製のもので、空気に触れるとそこに滞留するが数分で霧散し、無害化する特製だ。 何を持ってしてこの薬品を作り始めたのかは不明だが、少なくともマトモな感性ではない。


「……匂いはしなくても奏士の声は聞こえる」


紅葉の嗅覚に驚かされるが、その他の感覚も人を遥かに超えている。 煙のせいで視力は役に立たないが、紅葉の耳は、奏士の声と確り捉え、位置を教えている。 奏士は、声がする場所から1歩も動いてない。


「……そこ」


手を伸ばしながら煙を抜ける。


「……? 居ない」


しかしそこに奏士の姿は無く、その代わり、壁の本来奏士の口があるであろう高さに小さいなスピーカーが貼り付けてあった。


「残念だがそこに俺はいない。 私のお墓の前で泣かないでください(笑)」


「…………」


紅葉は静かにスピーカーを握り潰した。 なお、それなりに高性能でお高い代物である。


「…………」


紅葉の全身から黒いオーラが吹き出る。


「……潰す」


本来の目的はどこか遠くへぽぽいのぽい。 紅葉の目的は《自分をおちょくる奏士の抹殺》に切り替わった。

はいどーも最近人が辞めすぎてとうとう戦力にカウントされしまった作者です。 ごめんなさいなして?


私は今まで「居たらまぁ、楽になるけど別に居なくても代わりがいるし、結構シフト入ってくれるけど上位互換の人の方が入ってくれるし別にいいか」枠で頑張っていたのですが、この度その戦力集団が一斉に退職したので下位互換の私が駆り出されました。 なんかガブリアス使えなくなったから同タイプ同配分のフライゴン使う感じです。 別にフライゴンじゃなくてもいいのがポイント。


そろそろ来て欲しいですね。 メガシンカ。 ギルガルドとかに。 いえ私鋼統一で潜るタイプなので。 まぁ環境との相性悪過ぎて負けますが。 最近はどの時代もほのおがうじゃうじゃ。


まぁ私基本対戦やりませんけどね。 例えネット+顔不明であろうとビビるタイプなので。 でも何故か極稀にハイパーな無敵タイムに入って平気になる不思議。


それはそうとバレンタインです。 バレンタインなのか怪しくなってきましたが。


思ってたよりバレンタイン引っ張りますね。 ダラダラやってた昔を思い出します。


なぜここで切ったのか。 それは「時間的にはこのまま最後まで書けそうだけど気が抜けたまま書いてもダラダラやりそうだから次回にしよう」とかは全く無く、区切りが良かったからです。 嘘です有りました。


最後の方バレンタイン関係無いですけど次回で終わると思います。 終わらなかったら代わりに世界を終わらせます。 私に安らぎのある週末が来ないのでせめて世界に安らぎのある終末を齎してやろうと思いまして。 私ってばやっさすぃー


終末になったら何しますか? 私はコンビニのイートインで缶詰食べてる少女と終末に抗います。


ではこの辺で。 次回もお楽しみに

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