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う、短編にすればよかった
のらねこの子猫に憑依させ、学校を卒業してから一人暮ししている間も飼っていた。
けっこうかわいがったつもりだ。
ノミやダニでかゆいというから病院につれていったり、 近所のねこにくどかれて困っているという話を聞いてやったりした。
ただ、今のアパートに引越しした際にペット禁止だったから、自由の身にしてやった。
まだ、天に召される気も成仏する気もないらしい。
ただただ憑依している間は苦痛だったらしい。
最後の最後で、ボールやねこじゃらしはいやだったとか、散歩なんかさせてんじゃねーよと文句をいいながら、どっかに行った。
そして、今のアパートである
いや、内見のときにいることはわかっていたんだよ? カーテンのない窓の外からちらっと覗いてる気がしたんだよ。
ただ、この立地で、この広さで、この安さはなかなかない物件だった。
古さとセキュリティーのなさには目をつむろうと思ったが。
不動産屋さんによると、前の住人はぺットを飼うことになり、このアパートを出ていったそうである。
だから、このユウレイは前の住人ではないことはたしかだ。
ちなみにこのユウレイは本当に存在感を消すのが上手い。
鏡の前で化粧水をぬり、髪をドライヤーで乾かしてセットしているところを近くのドアのところでこちらを のぞきこんでいるのをよく見かける。集中すると存在感隠せないのかな。
私は最近、ヘッドホンをつけながらタブレットで韓国ドラマを見ていることがある。それを後ろからのぞきこんでいることがある。
光の加減でタブレットにうつりこむのだが、ラブコメがホラーになるからやめてほしい…
ユウレイも見つかりたくはないのか、朝の支度の際は部屋をいったりきたりするので、その間は 消えているようだ。
私が仕事に行っている間に どんな行動をしているのかはよく知らないが、私が家事をサボって部屋の掃除をしないとほこりをそっと 集めているときがある。
まとまっていれば、きたない感がでて、掃除をしょうってなるはず、と思ったのだろう。
ちなみに私が1人ぐらしなのにヘッドホンをよくしているのは、ラップ音がするからではない。
となりに重低音がきいた音楽が好きな住人がいて、上の階の住人の子どもが、走りまわるのがうるさいからだ。
決してエロい動画をこっそりと見るためではない。
短編にするかも…