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教会騎士アルトの物語 〜黎明の剣と神々の野望〜  作者: 獄門峠
第一部:教会騎士 第二章:ザクルセスの塔
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序章 奪い合う者達

第二章『ザクルセスの塔』の連載を始めました!

お楽しみください。

 

 大陸北方の地、ノーラ地方の洞窟に遺跡があった。そこは薄暗く苔に覆われた遺跡である。

 なぜ、洞窟に遺跡があるのか?

 なぜ、遺跡の最深部に一振りの剣が安置されているのか?


 その剣には台座に鎖で巻き付かれて持って行けないような状態だ。形はカバヴィル大陸では見ない剣で細く質素な飾りがある程度。財宝とは言えない物だ。

 しかし、この剣の一番の特徴を挙げるなら、見る者が手にしたくなるような魅力を放っている事だ。欲望を掻き立てられる。欲しくて欲しくて堪らない。自分の者にしたい。


 そのように、この剣に誘惑される。

 それゆえに台座に鎖で巻きつけられたのかもしれない。台座の近くで朽ちた骸骨が、そう言っているようだが何もわからない。

 しかし、今わかることは、この遺跡で戦いが行われていることだ。


 剣のぶつかり合う音と叫び声が、静かな遺跡に響く。

 一方は、ボロボロの服をまとった狂乱の集団が台座の剣を守るように戦い、もう一方は、黒と灰色のローブを着た一団が応戦しながらも着実に、狂乱の集団を切り伏せていく。


 あと数人という所で、ある人物が前に出た。顔はやつれ、生気を感じさせないが黄色の瞳は力強く、ローブを着た一団を睨む。ローブを着た一団からも黒ローブをまとった人物が前に出た。悠々と剣を抜き、構え、相手の動きを観察する。黄色の瞳の人物は剣に話しかけるように言葉を紡ぎ、前に出た黒ローブの男に襲い掛かった。数度、剣を交えたが黒ローブの男の一撃が入り倒れた。

 倒れ血を吐きながらも、その手は縛られた剣へ延ばされたが届かなかった。瞳は力なく、黄色から、緑色に変わっていた。

 残りの狂乱の集団はあっという間に、ローブの一団に倒され、遺跡は静謐な空間へ戻った。


 ローブを着た集団は剣を縛った鎖を壊して、先程、戦っていた男が剣を握った。それを見届けたローブの一団は、遺跡の調査を行い、お互いの無事を確認して出口へ向かった。

 そして、出口へ一人の男が出て来た。


 フードを深く被った男の瞳は黄色になっていた。


 洞窟の遺跡にはたくさんの様々な死体が残った。


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