表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
教会騎士アルトの物語 〜黎明の剣と神々の野望〜  作者: 獄門峠
第一部:教会騎士 第一章:夢
17/282

踏み出せた一歩

 

「行っちゃったね」


「うん」


「また会いたいな。それでもっと旅の話を聞くの」


「うん」


「だから、また会えるように頑張ろうね!」


「そうだね。絶対に会って、未来の先で起きた事を話て俺達は無事だって伝えるんだ!」


「うん!」


 アルトはボーっと椅子に座っているナートに声をかけた。


「ナートさん?」


「・・・ん? あぁ、アルト、と青髪のお嬢さん。どうした?」


 ナートの様子に、やはりキケロが何かしたのだなと思い話かけた。


「父さんとモルさんを探してるんだけど、二人は森から帰ってきました?」


「いや、戻ってないぞ。聞いたかもしれないが、子供たちが変な草を触ってかぶれみたいな状態になったんだ。その子は小屋にあった薬で治ったけど、オーロンさんに草の調査を依頼したんだ。モルは付き添い」


「そうなんだ・・・。ちょっと二人で森の近くまで行ってくるよ。木剣じゃなくて、真剣を持って行っていいですか?」


 アルトの言葉にナートはとても驚いた。


「村の外に出るのか!?」


「はい。ようやく心の整理がつきました。それと、やらないといけない事ができたので」


「・・・そうか。わかった! それなら念のため剣は持って行った方がいいな。ちょっと待ってろ」


 ナートは小屋に入りガチャガチャと音を立て、一本の剣を持って来た。


「訓練で使っている木剣より軽いが、しっかりとした作りだ。振ってみろ」


 剣を受け取り数回、振ってみた。ヒュッヒュッと風を切った。


「軽いけど、動きやすいですね」


「そうだろ。こういう時の為に、あいつは重めの木剣で訓練していたんだ。それを持っていけ」


「ありがとう! それじゃあ、行ってきます」


「あぁ、無理はするなよ! わかっているだろうが、夕暮れには帰るんだぞ!」


 村を出て離れていくアルトの姿に、ナートは目を拭った。



「ねぇ、あの門番さん。村を出るって言ったらすごく驚いてたけど、どうして?」


「実は、ティトとの事があって以来、村の外に出れなかったんだ。また、魔物に会うんじゃないかって怖くて」


「そうだったの。大丈夫?」


 心配そうに覗くミーナに、もう大丈夫と返し言葉を続けた。


「それに今は、やり遂げないといけない事がある」


 そう言ったアルトの手は微かに震えていたが、ミーナは見なかったことにした。


「今、歩いてるこの道をモルさんと走っていたんだ。その後に森に近づいた所で未来予知が途絶えた」


 話ながら歩いて行くと森が見えて来た。久しぶりに来たアルトの鼓動はいつもより早かった。


「ここを進んだら、池があるんだ。そこで魔物と会って・・・」


 片手で剣の柄を握り森へ入ろうとしたアルトだが、急に立ち止まった。まだ森へ入ることへの恐怖があるのかとミーナは思ったが違っていた。


「こっちから父さんとモルさんが来る」


「アルト?」


 モルがやって来た。


「面白い!」「また読みたい」と思われた方はブックマークや感想をお願いします。

また下の評価★を貰えると、作者の励みになります。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ