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教会騎士アルトの物語 〜黎明の剣と神々の野望〜  作者: 獄門峠
第二部:殿上の陰謀 第一章:暗闇の弓矢
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序章 導く者

本日より、教会騎士アルトの物語 第二部 第一章の連載を始めます!

是非、お楽しみください。

「腹が減った・・・」


「寒いよ」


「苦しい」


「お母さん・・・」


 獣人達は様々な悲しみと苦しみの声を上げながら、暗く寒い場所で身を寄せ合い地下の寒さに耐える。鎖に繋がれ、牢に入れられ、食事も満足に食べれずに飢えに苦しむ。この日々を何度繰り返したか。亜人種と言うだけでこのような目に遭わされ、苦しみに耐え続けた。終わりのない苦しみに。


 朝がやって来た。今日は人間族が運ぶには重すぎる荷物を運ばされて、積み上げて、高い城壁を築く作業をする。城壁が高くなるに連れ、命を落とす仲間達がいる。足を滑らせて落ち、風に煽られて落ち、ご主人様に突き飛ばされて落ちる。血の池に沈む仲間を、別の仲間が片づける。周りの獣人は最早、見慣れた光景だ。


「お前達! 私に逆らうなら、あの男のようにするぞ。さっさと働け!」


 鞭を側にいる獣人の背中に打ち付け、ご主人様は叫ぶ。


「いいなぁ・・・」


 隣で荷物を運んでいた仲間が呟く。血の池を見つめるその瞳は輝いていた。唯一の救いを見つけたかのように。体が自然と城壁の外へと引っ張られていくように、仲間は前に進んだ。


「おい! やめろ!」


 手を伸ばしたが、するりと抜け落ちしばらくすると潰れたような音が聞こえた。膝を着いて下を見ると、仲間だったものが血の池に沈んでいた。


「・・・なんで」


 溢れる涙を拭っていると人が近づいてくる気配があった。その正体に気付き急いで立ち上がろうとするが遅かった。


「さっさと荷物を運べ!」


 背中に走る激痛。悲しみと痛み。ヨロヨロと立ち上がり荷物を運ぶ。今日も仲間が二人死んだ。渦巻く怒りと憎しみ。体を突き刺す痛み。それらを抱え今日も眠りにつく。


『小さき者よ。我が声を聞きなさい。わらわが貴様に力を与えよう。その力で鎖を砕き、わらわが与える試練に挑むのです。勝てば、そなたは自由の身として民達を導くのです。そして、我が先兵として我を讃え、この大陸をわらわに渡すのです。そうすれば、貴様たちは永遠の自由を手に入れるであろう。さぁ、起きるのです!』


 男は起き上がり、明確に覚えている夢が何だったのか考える。試しにと首に付けられた鎖を両手の力一杯に引きちぎろうとした。すると、首輪はあっけなく壊れた。今まで何度も試しても出来なかった事が出来るようになった。壊れた首輪を見て、夢の言葉が本物だったと確信をした。

 男は仲間達を起こし、彼らの首輪を破壊していく。そして、自分達と外界を隔てる牢に手を掛けた。渾身の力を込めて横に引っ張ると、牢は人が十分通れるほどの隙間ができた。

 男は息を飲み牢屋から一歩外に出た。そのまま、地下室を繋ぐ扉から光の差す方へと歩む。太陽の眩しさに目を細めながら、地上へと続く鉄の扉をいつの間にか持っていた弓と一本の矢を構えて放つ。何故かそうしないといけないと思った。矢は扉に刺さると爆発した。一気に地下を照らす太陽光を浴びながら階段を進む。


「はぁ・・・」


 男は外の空気をいっぱい吸い、吐いた。先程の爆発音で集まり出した人間族に弓を構え、男は笑った。


「お前達の番だ」


 矢は放たれた。

読者のみなさまへ

今回はお読みいただきありがとうございます! 


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