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<2>

 校舎の四階の片隅の一室。

 すべりの悪い重い引き戸を開けると、そこにオカルト研究部の部室がある。

 入り口から正面には板張りの廊下を挟んで6畳の和室、入り口の右手には約一畳のシンク。シンクの横には年代物のワンドアタイプの冷蔵庫が置かれている。

 入り口の左手にはスイッチがあるが、昼間は照明がいらないほど和室は明るい。

 上履きを脱ぎ、そのまま冷蔵庫から麦茶を出すと、部室に置いてあるマイカップに注ぐ。

 二人分用意しておいた。

「今日はまだ誰も来てないのかぁ」

 わたしは和室に置かれたこれまた古い大きめのちゃぶ台の上に、お弁当と麦茶を置いた。

 和室には14インチのブラウン管テレビがある。 テレビ台の中にはゲーム機が入っていて、DVDも一応見れる。

 パソコンはない。

 ある一部を除いて、部室はごく普通だ。

 舞は学食に来ているパン屋さんにお昼を買いに行っている為、しばらく部室にはわたし一人きりだろう。

「テレビ見てようっと」

 わたしは立ち上がると、コンセントにプラグをさした。

 そのまま、電源を入れテレビからはお昼の番組が流れている。

「ふぅ」

 麦茶を一口飲む。

 最初の頃は新入生も沢山入部し、賑わっていた。

 ぽつりぽつりと部室に出入りする人が減り、大半が幽霊部員化している。

 夏合宿も終わり三年生も引退したこの頃では、部室に出入りするメンバーは常に一桁だ。

「アレはキッツいよね」

 視界に入れたくはないが、四ヶ所で常にアピールしている。

 そう、和室の上部の四隅には、梵字で書かれているらしい古びた御札が貼られている。

 なんでも、部室にムードが出るからだとか。

 そんな演出はいらないと思うんだけども、誰も剥がそうとはしない。

 引き戸の重い音がし、舞が白いビニールを下げやって来た。

「やー、学食混んでたわ」

 舞はビニールの中のパンを2つちゃぶ台の上に広げた。

 玉子サンドとチョコドーナッツ。

「お弁当作ってくれば、楽だよ。もっと野菜食べなって」

「朝は弱いからムリ!」

 わたしもお弁当袋からお弁当を取り出し広げた。

 テレビからは明るい笑い声が響いている。

 入部した時に部費を取られたが、お茶代にしているらしく、飲み物は部室に来る限り飲み放題なのだ。

 ただし、夏が過ぎてもパックの麦茶がなくなるまでは麦茶オンリーだけれども。

「っつーかさぁ、サギだよねぇ」

 玉子サンドを頬張りながら、舞がぼやいた。

「ん、具が少ないの?」

 わたしはレトルトの唐揚げをつまんだ。

「ちがう、ちがう~。池辺先輩ゼンゼン来ないしぃ」

 舞はぐびぐびと麦茶を一気に飲み干した。

「…なんだ、いつものことじゃん」

「夏合宿から一回も会ってないんだよ? 一ヶ月たっちゃう!」

 池辺先輩こと新副部長は、バイトをしているらしく。滅多に部活には来ない。

 副部長目当てで入部したのは舞だけではないらしく、オカルト研究部には女子部員が多い。

 最初は舞も張り切っていたが、肝心の本人が姿を見せない。

「麻子は、誰かイイヒト居ないの~? 舞ちゃんが協力しちゃる、メガネ君なんてどぉ?」

 メガネ君こと新部長は、部活説明会で背が低かった男子の事だ。それでも、わたしよりは背は高いけど。

「…単に、暇なだけでしょ」

「ちぇっ、ツマンナイ~」

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