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【企画・詩】作品

月に祈る 【月(と)のお話し企画】

作者: 香月よう子



青白い月は冴え冴えとその光を湛え

あなたの美しい横顔を照らしだす


あなたが白い指で奏でるピアノの音色は

何処までも限りなく蒼く透き通っている

月の女神はあなたの足下にひざまずき

あなたの紡ぎ出す音を聞くだろう


それは時に優しく

時に激しい嵐のようで

そしてなによりも神々しい


あなたの弾くピアノは

あなたそのもの

あなたの生きる様を映し出し

あなたを何よりも雄弁に物語る

気高く美しく、誰よりも優しい

あなたそのもの


嗚呼、一秒でも長く

私にあなたの音を

あなた自身を聴かせてほしい


月に祈る私の心に染み入るように

あなたのピアノは私を捉えて離さない

それは、この暗い部屋を隈なく照らす

今宵の月の光のように……



挿絵(By みてみん)



本作は、武頼庵さま主催「月とのお話し企画」参加作品でした。


武頼庵さま、お読みいただいた方、どうもありがとうござました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「あなた」の横顔を照らしていた月。 彼女が紡ぎ出す音に聞き惚れた月の女神は、空から降りて彼女の足下にひざまずく。 「私」は彼女の音も彼女自身のことも、もっと聴きたいと月に祈る。 月はま…
[良い点] 「月(と)のお話し企画」から拝読させていただきました。 私は音楽には全然疎いのですが、思いは強く伝わってきました。
[良い点] 美しいですねー。文字で絵を描いているみたいな、音を奏でているみたいな……。 と思っていたら最後にイラストがあって、こちらもとても綺麗でした。 [一言] 昔ピアノを習っていたので、ピアノが出…
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